1 / 2
1
しおりを挟む
「ミリヤはブルームン王国の誇り高き純血の天使族だ」
「聖なる力を持って産まれたんだから、ミリヤもこの血筋に恥じない生き方をしなさいね?」
私は産まれた時からずっと、両親からそう言われて育ってきた。
純血の天使の何がそれ程誇り高いのか、それはさっぱり分からなかった。
天使族の国ブルームン王国は、イリヤ王子の計らいで色々な種族が集まってきている。
魔法を使える『悪魔族』は、私とそんなに歳も変わらないような子供ですらモンスターと戦って、街の安全を守っている。
私たちが街でモンスターに襲われている時、助けてくれたのだって悪魔族の少年だった。大丈夫か気遣ってくれて、私なんかよりよっぽど誇り高く見えた。
だって、10歳の誇り高き天使族の私は未だにモンスターは倒せないし、治癒魔法だって使いこなせていない。
(悪魔族の方がよっぽど誇り高いよね。みんなのこと、守ってるし)
そう思っていたけれど、面倒だから両親にそう言われる度に「はい」と、にこやかに微笑んで頷いていた。
それから二年後12歳の春。ガーディアン養成校への入校式の朝、父は制服姿の私に向かってキツく言った。
「いいか?ミリヤ。世の中には色んな種族がいる」
ガーディアン養成校はその名の通り、ガーディアンを養成する学校だ。
傭兵として戦場に向かうこともあるし、モンスターと戦うことだってしないといけない。
私たちはそんな人たちの傷を癒し、少しでも多くの人を救うことが主な仕事となる。
私はそんな人たちと共に学べるなんて、とても素敵なことだと思っていた。
でも、両親は違った。この国の時期国王『イリヤ』が進めた、多種族の入国による国家戦力の強化に反対の立場を変えない人達だった。
王族と親密な関係のあるこの家は…国家の方針に従って、嫌々私をガーディアン養成校に入校させた次第だ。
「…悪魔族は穢れた血の流れる種族だ。魔法の力を人を癒すことではなく、傷付ける為に使う最低な種族。仲良くなりすぎることは避けなさい」
だからこそこんな言葉が父親から出てくるんだと、心の底から嫌だなって思った。
私はちっとも最低だとは思わなかった。街でモンスターに出会った時、助けてくれたのは悪魔族の少年だったし、仲良しのアスカは悪魔族だ。
それに…誰にも秘密だけど。私の初恋はその助けてくれた悪魔族の少年なのだから。
***
「はぁ…。ロックって何であんなにカッコいいんだろ」
実戦室の一角にあるガラス張りの救護室から、Sクラスのモンスター『ケルベロス』を魔法で簡単に倒してしまう、ロックを見つめて呟いた。
いつ見ても鮮やかな身のこなし。石の魔法でケルベロスの動きを止めたかと思うと、その瞬間に氷漬けにして、岩を落として砕く。
一瞬の隙も見せない。ここからじゃ分からないけど、多分傷一つ負ってない。悪魔族特有の真紅の瞳も、黒い長い髪を束ねているのもカッコいい。
悪魔族の人って全員もれなくイケメンが多い気がするけれど、ロックはその中でも長身で物静かで優しい人。
(いけない。また見惚れてしまった…。しかたないよね。カッコいいもん)
昔…私を助けてくれた、初恋の悪魔族の少年はロックだったし。そして…今は私の恋人でもある。
ガーディアン養成校の入学式で見かけた時に、すぐに気付いた。鋭い切れ長な目元は変わってなかったし、雰囲気も声も覚えていた通りだったから。
もちろん、すぐにクラスを調べて…そして絶望した。ガーディアンクラスでも優秀だったロックは、Aクラスだったし、治癒魔法も使いこなせない私は最下クラスのDだった。
それから同じクラスに行けるように、勉強も実技も頑張った。頑張って…頑張って、何とかAクラスに入れたのは15歳。
同じクラスになってから、話しかけることが出来たのは半年後。
名前を覚えてもらえたのはその数ヶ月後…っていう風に、少しずつ距離を縮めて…。ようやく告白して、付き合えたのは数ヶ月程前の話しだ。
「ミリヤ声に出ちゃってる。それに、顔にも態度にも出ちゃってる。ダメなんでしょ?」
私のうっとりとした表情を見ながら、アスカが呆れてため息を吐いている。
「いけない、アスカの前だから気が抜けてた。気をつけないと」
私とロックが付き合っていることは、周りに知られてはいけない秘密だ。
もし知られてしまったら、純血主義者の両親に彼は殺されてしまうから。
そして多分私は閉じ込められて…『純血の天使族の高潔さ』を、洗脳されるまでずっと聞かされる。私に両親のような思想を植え付けるまで…ずっとだ。
だから、誰にも言えない。はずだったけど、幼馴染のアスカとシュウには簡単にバレてしまった。
(私のこと、よく見てるよね…本当洞察力がすごい)
でもこれ以上誰かにバレるのは本当にダメだ。
「…まぁ、浮かれるのも仕方ないけど。ミリヤの覚悟が決まるまでは…って、約束したんでしょ?」
アスカとロックは同じ悪魔族で、能力的にも同じくらい。だから二人は入学した当初から、授業でペアを組まされることが多いから、ロックも気を許しているから。
多分、ロックからも色々と聞いているんだろうって思う。
「…そうだね。息苦しいって思われてそう…」
そんなことを呟きながら、大きなため息をついた。
ロックに我慢させてる自覚はある。外で二人きりになることなんて怖くて出来ないし、人前で手を繋いで歩くことも、もちろん二人きりになることも出来ない。
(何で付き合ってるんだろ…って思われてそう…)
「あ、それは大丈夫だって言ってたよ。逆に、たまに目が合うと嬉しさ全面に出すから可愛いって言ってた」
本人から直接聞いたわけじゃないのに。頬を染めて慌てふためいてしまった。
「あ…!!傷!!すぐに治すね!」
慌てて視線をアスカの腕に戻した。軽い擦り傷を負った腕に手をかざし、その傷に治癒魔法をかけていく。
「……まぁ……もし両親にバレそうになったら、必ずシュウに話しなよ?純血主義者の暴動は危険だってこと…一番理解してるから」
シュウはこの国のプリンセス。そしてその父親はこの国の王で、天使族の王なのに、純血主義の思想を変えようと奮闘している人だ。
そして、うちは代々王家に仕える立場だから。万が一私達のことが知られてしまったら、国王に何とかしてもらうのが一番の解決策。そう、シュウとアスカと話をしていた。
私の周りにいる人はみんな優しくて、恵まれているなって涙が出そうになる。
「うん……ありがとう」
話しながらアスカの腕に手をかざすと、淡い光がその腕を包み傷を癒した。
「凄いすごい!前より早く治療できるようになったね」
「そうかな…?それなら良かった」
まだまだ幼馴染のシュウやファリスに比べたら、無駄も多いし、スピードも劣るけれど。自分なりに、少しずつ成長はしている気でいる。
「…ロック怪我しないかな?もし怪我してたら私が治療するのにな」
やっと肩を並べられるようになったのに、ロックの治療をしたことは殆どない。
学校でも外でもあまり話もできないから、授業の僅かな時間だけでも二人きりで…。って思っているのに、それすらできない。
「ははっ…。してないと思うよ?ミリヤがいる時は、アイツ、カッコ付けてるから。ミリヤの中のカッコいい俺のイメージ崩したくないんだって」
「えっ…そうなの?」
「そうだよ?気付かない?ミリヤ以上にアイツもミリヤのこと見てるから」
嬉しくて救護室から実戦場の外を見ると、アスカの言った通り。こちらを見つめるロックと目が合った。
そんなことで、私は一日中幸せな気持ちになれるんだから、自分で言うのもなんだけど…チョロいなって思う。
「聖なる力を持って産まれたんだから、ミリヤもこの血筋に恥じない生き方をしなさいね?」
私は産まれた時からずっと、両親からそう言われて育ってきた。
純血の天使の何がそれ程誇り高いのか、それはさっぱり分からなかった。
天使族の国ブルームン王国は、イリヤ王子の計らいで色々な種族が集まってきている。
魔法を使える『悪魔族』は、私とそんなに歳も変わらないような子供ですらモンスターと戦って、街の安全を守っている。
私たちが街でモンスターに襲われている時、助けてくれたのだって悪魔族の少年だった。大丈夫か気遣ってくれて、私なんかよりよっぽど誇り高く見えた。
だって、10歳の誇り高き天使族の私は未だにモンスターは倒せないし、治癒魔法だって使いこなせていない。
(悪魔族の方がよっぽど誇り高いよね。みんなのこと、守ってるし)
そう思っていたけれど、面倒だから両親にそう言われる度に「はい」と、にこやかに微笑んで頷いていた。
それから二年後12歳の春。ガーディアン養成校への入校式の朝、父は制服姿の私に向かってキツく言った。
「いいか?ミリヤ。世の中には色んな種族がいる」
ガーディアン養成校はその名の通り、ガーディアンを養成する学校だ。
傭兵として戦場に向かうこともあるし、モンスターと戦うことだってしないといけない。
私たちはそんな人たちの傷を癒し、少しでも多くの人を救うことが主な仕事となる。
私はそんな人たちと共に学べるなんて、とても素敵なことだと思っていた。
でも、両親は違った。この国の時期国王『イリヤ』が進めた、多種族の入国による国家戦力の強化に反対の立場を変えない人達だった。
王族と親密な関係のあるこの家は…国家の方針に従って、嫌々私をガーディアン養成校に入校させた次第だ。
「…悪魔族は穢れた血の流れる種族だ。魔法の力を人を癒すことではなく、傷付ける為に使う最低な種族。仲良くなりすぎることは避けなさい」
だからこそこんな言葉が父親から出てくるんだと、心の底から嫌だなって思った。
私はちっとも最低だとは思わなかった。街でモンスターに出会った時、助けてくれたのは悪魔族の少年だったし、仲良しのアスカは悪魔族だ。
それに…誰にも秘密だけど。私の初恋はその助けてくれた悪魔族の少年なのだから。
***
「はぁ…。ロックって何であんなにカッコいいんだろ」
実戦室の一角にあるガラス張りの救護室から、Sクラスのモンスター『ケルベロス』を魔法で簡単に倒してしまう、ロックを見つめて呟いた。
いつ見ても鮮やかな身のこなし。石の魔法でケルベロスの動きを止めたかと思うと、その瞬間に氷漬けにして、岩を落として砕く。
一瞬の隙も見せない。ここからじゃ分からないけど、多分傷一つ負ってない。悪魔族特有の真紅の瞳も、黒い長い髪を束ねているのもカッコいい。
悪魔族の人って全員もれなくイケメンが多い気がするけれど、ロックはその中でも長身で物静かで優しい人。
(いけない。また見惚れてしまった…。しかたないよね。カッコいいもん)
昔…私を助けてくれた、初恋の悪魔族の少年はロックだったし。そして…今は私の恋人でもある。
ガーディアン養成校の入学式で見かけた時に、すぐに気付いた。鋭い切れ長な目元は変わってなかったし、雰囲気も声も覚えていた通りだったから。
もちろん、すぐにクラスを調べて…そして絶望した。ガーディアンクラスでも優秀だったロックは、Aクラスだったし、治癒魔法も使いこなせない私は最下クラスのDだった。
それから同じクラスに行けるように、勉強も実技も頑張った。頑張って…頑張って、何とかAクラスに入れたのは15歳。
同じクラスになってから、話しかけることが出来たのは半年後。
名前を覚えてもらえたのはその数ヶ月後…っていう風に、少しずつ距離を縮めて…。ようやく告白して、付き合えたのは数ヶ月程前の話しだ。
「ミリヤ声に出ちゃってる。それに、顔にも態度にも出ちゃってる。ダメなんでしょ?」
私のうっとりとした表情を見ながら、アスカが呆れてため息を吐いている。
「いけない、アスカの前だから気が抜けてた。気をつけないと」
私とロックが付き合っていることは、周りに知られてはいけない秘密だ。
もし知られてしまったら、純血主義者の両親に彼は殺されてしまうから。
そして多分私は閉じ込められて…『純血の天使族の高潔さ』を、洗脳されるまでずっと聞かされる。私に両親のような思想を植え付けるまで…ずっとだ。
だから、誰にも言えない。はずだったけど、幼馴染のアスカとシュウには簡単にバレてしまった。
(私のこと、よく見てるよね…本当洞察力がすごい)
でもこれ以上誰かにバレるのは本当にダメだ。
「…まぁ、浮かれるのも仕方ないけど。ミリヤの覚悟が決まるまでは…って、約束したんでしょ?」
アスカとロックは同じ悪魔族で、能力的にも同じくらい。だから二人は入学した当初から、授業でペアを組まされることが多いから、ロックも気を許しているから。
多分、ロックからも色々と聞いているんだろうって思う。
「…そうだね。息苦しいって思われてそう…」
そんなことを呟きながら、大きなため息をついた。
ロックに我慢させてる自覚はある。外で二人きりになることなんて怖くて出来ないし、人前で手を繋いで歩くことも、もちろん二人きりになることも出来ない。
(何で付き合ってるんだろ…って思われてそう…)
「あ、それは大丈夫だって言ってたよ。逆に、たまに目が合うと嬉しさ全面に出すから可愛いって言ってた」
本人から直接聞いたわけじゃないのに。頬を染めて慌てふためいてしまった。
「あ…!!傷!!すぐに治すね!」
慌てて視線をアスカの腕に戻した。軽い擦り傷を負った腕に手をかざし、その傷に治癒魔法をかけていく。
「……まぁ……もし両親にバレそうになったら、必ずシュウに話しなよ?純血主義者の暴動は危険だってこと…一番理解してるから」
シュウはこの国のプリンセス。そしてその父親はこの国の王で、天使族の王なのに、純血主義の思想を変えようと奮闘している人だ。
そして、うちは代々王家に仕える立場だから。万が一私達のことが知られてしまったら、国王に何とかしてもらうのが一番の解決策。そう、シュウとアスカと話をしていた。
私の周りにいる人はみんな優しくて、恵まれているなって涙が出そうになる。
「うん……ありがとう」
話しながらアスカの腕に手をかざすと、淡い光がその腕を包み傷を癒した。
「凄いすごい!前より早く治療できるようになったね」
「そうかな…?それなら良かった」
まだまだ幼馴染のシュウやファリスに比べたら、無駄も多いし、スピードも劣るけれど。自分なりに、少しずつ成長はしている気でいる。
「…ロック怪我しないかな?もし怪我してたら私が治療するのにな」
やっと肩を並べられるようになったのに、ロックの治療をしたことは殆どない。
学校でも外でもあまり話もできないから、授業の僅かな時間だけでも二人きりで…。って思っているのに、それすらできない。
「ははっ…。してないと思うよ?ミリヤがいる時は、アイツ、カッコ付けてるから。ミリヤの中のカッコいい俺のイメージ崩したくないんだって」
「えっ…そうなの?」
「そうだよ?気付かない?ミリヤ以上にアイツもミリヤのこと見てるから」
嬉しくて救護室から実戦場の外を見ると、アスカの言った通り。こちらを見つめるロックと目が合った。
そんなことで、私は一日中幸せな気持ちになれるんだから、自分で言うのもなんだけど…チョロいなって思う。
0
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる