最弱にして最強となる冒険者〜龍神の恩恵を授かりし最弱ランクの闘い〜

uyosiの脳内は茜色

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一章 ステータスプレート

新たな出会いⅡ

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「知ってる? レイネ?」
「誰を?」
「さっき俺にぶつかった人の事だけど!」

 家へと帰る途中、俺はレイネに問うて見た。
 先程ぶつかった女の子がどうも何処かで見覚えがあり、俺の中のモヤが気になってしまっていた。
 レイネに聞いた所でレイネ自身も首を傾げ、その人物の事は知らなかった。

 何だろ……何処かで見たんだがな…………。
 と、俺は1人で悩む中、トピっきりの笑顔を浮かべ俺の前を陣取るレイネ。

「どしたの? レイネ」

 ニコニコ笑顔のレイネ。
 妙な企みを考えてなければいいのだがなと、俺はやや警戒する。
 所が全くと言っていい程憂いし事この上なかった。

「上げるネイト。冒険者になったプレゼントだよ」
「えっ? えっ、いいの?」──やっちまった。何も準備していなかった自分を恨みたい。

 レイネは俺からのプレゼントを待つ様子はなく、自分のプレゼントを渡せた事に喜び「開けて見て」とまで催促をする。
 だから俺は目の前で綺麗に梱包されたプレゼントを開封した。
 中にはシルバーアクセサリーもとい、手首に付ける事の出来るバングルだった。
 とても綺麗なアーチが俺の手首に綺麗にはまり俺は喜びの余り少しの間、天にかざしたりして眺めていた。

 その光景にレイネは満足した表情で俺の事を暖かく眺めていた。

「レイネありがと! すっげぇー大事にする」
「うん。ネイトが喜んでくれたなら良かった」
「もらってばかりだと悪いから、今度レイネが欲しい物やるよ……何が欲しい?」
「ネイト」
「俺?」
「冗談だよ! あはは。(嘘じゃないけど……)それよりネイトの家に急ごう! お母様とぴっきりの料理作ってるよ、きっと!」
「そうだな」

 でもレイネは俺の事を好きなんだよな。
 答えてやれない自分が情けない。
 本当だと俺もレイネの事が好き──だが冒険者になる以上恋愛になんて興味を抱いていては駄目だ。これからが大変なんだから……しっかりとレイネを守り名を上げた時、俺がレイネに告白をする。
 俺は目標値を定め先に歩き始めた、小さな背中を見つめ意思を固める。


「ただいまー」
「「お帰りなさい」」
 ? 母さんと別に女性の声が重なった。

「誰か来てるの母さん?」
 と、そこに…………。と、その前にレイネの顔が見る見る変貌を遂げ、俺が言う前にレイネが先に告げる。
「ななな何で女狐がいる訳?」
「呼ばれたからに決まってるけど。あなたこそ何かしら?」
「呼ばれた?」
 レイネはそう告げるや母さんに視線を送る。
 母さんは微笑みながら経緯を語り始める。
「お父さんの知り合いの娘さん、エベネス・フライヤさんよ。ネイトが冒険者になった暁には一緒のパーティーを組む約束をしてたのよ。だから今日は来てくれてるのよ」
 うん。俺にとって話が見えない、勝手に結託されたシステム。
「母さん? そんな事言われても?」
「そうよね。でもね大丈夫よ」
 何が大丈夫なんだろーか? それにしてもレイネが硬直している事が俺は気になって仕方ないが……。
 だからこそかレイネは母さんに問う。
「ネイトとはレイネがパーティー組んでます! だから駄目ですよ」
「あらレイネちゃん、大丈夫よパーティー枠はまだ余裕があるわよ」

 お姉さんさが説明していたような?
 確か冒険者パーティーの限界枠数って5名だったけか?

「そう言う問題じゃないんですけど…………」
 と、その場の空気を壊すかのようにエベネス・フライヤと名乗る人物が立ち上がり自己紹介を始めた。
「一度お会いしてますけど改めて自己紹介致します。私はエベネス・フライヤ。《Aランク》冒険者にして属性魔法が得意です、とは言っても氷がメインですけど。──年齢は一つ上の16歳です」

 軽やかな自己紹介にロングヘアーの煌めきが妙に眩しい。
 とは、言っても冒険者として長い髪は不向きだと思うが、そこは触れないでおく。それに《Aランク》俺の周りにはこうも高ランクが集まるのか? 俺《Dランク》なのだが……。

「フライヤさんですね。宜しくお願いします」
「フライヤで結構です。私もネイトさんと呼ばさせて頂きますので」
「あっ、はい!フライヤ……ね」初対面での呼び捨ては中々に刺激が強いが、俺はそんな事に怯みはしない。
 対してレイネはと言うと。
「女狐……。ネイトさんって下の名で馴れ馴れしい。それに《Aランク》レイネと同じって……何たる不覚」
 その威圧的な態度を読み取ったのかフライヤはレイネに向き直り告げる。
「大丈夫ですよ。貴女の大事な方を奪ったりしませんので、それよりも協力して上げる」
「協力?」
「そうね、恋仲とても言うのですかね?」
「え? ほんと?」

 俺は2人がどのような会話をしているのか聞き取る事が出来ないが、レイネの表情がやや赤く染まる事で、俺にまつわる話なのだと薄々感じる──自意識過剰だったのであれば逆に俺が恥ずかしいぐらいだがな。

 2人は意気投合したのか突然握手を交わし、仲良く振る舞い始めた。女の子と言う者仲良くなるのに左程の時間はかからないのだろ? 
 俺にはわからない領域であった。
 だからこそレイネが俺に告げる。

「ネイト! フライヤちゃんパーティー参加良いよ! レイネは意義なしだよ」
「へーそうなんだ! 特に拒む理由俺にも無いけど…………」上手く抱き込んだなレイネを。
 中々に食えぬ女だなフライヤ……。
 
 とタイミング良く父さんが帰ってきた。

「ただいま! フライヤちゃんは来てるか?」
「あらお久しぶりです。デュリエルさん。いつも父がお世話になっています」
 礼儀正しくも、俺の父に挨拶を交わすフライヤ。
 父さんも平常通りに受け答えをする。
「クライネスは相変わらず厳しいのか?」
「そうですね父には困っています」

 話を聞くにフライヤが16歳にして冒険者として活動していなかったのは、フライヤの父にあったみたいだ。何でも『見知らぬ者とパーティーを組む事は認めん』そんなこんなで、俺の父デュリエル・ニコラスの息子、俺とのパーティーなら了承したらしい。

 それにしても良く《Dランク》の俺とパーティーを組む事を認めたな? 普通なら反対だろ……レイネは別だけど。

「それより良いですか?」
 突如向けられたフライヤの質問。
 それは…………。
「ネイトさんのランクは?」
 あぁー知らないのか? 普通に答えていんだよな? これ?
「《Dランク》だけど」
「えっ?」
 聞いて初めての反応とも言うべきか、満足の行く答えではなかった模様、それも。
「《Dランク》? と言いましたか?」
「そうでだけど!」
「最低ランクですか? よく……冒険者に?」

 反応的にはそうなるよな、だから別に俺は平気だった。
 だが、フライヤと名乗る女性は俺の父に不審な気持ちを向ける。

「あぁ、そうだよな! 息子は《Dランク》なんだよ。でも心配するなニコラスにもその話はしてある。それでもと俺の息子とパーティーを組ませて欲しいと頼まれていたんだよ」
「父が? 《Dランク》冒険者とパーティーを組む事を認めたのですか? ネイト様に何を見たのでしょうね? …………父が認めたのであれば、私はそれに従うだけ。でしたら別に良いですけど。少し残念です」

 そんな、目に見えて落ち込まないでくれよ。
 
 落ち込むフライヤの気分を変えようとしたのか、レイネはフライヤの冒険者プレートステータスを見たいと告げる。
 特に嫌がる素振りを見せる事なく。

 名前──《エベネス・フライヤ》
 冷き乙女《Aランク》
 魔力《22000》
 スキル《精霊の声》
 特殊スキル《絶対零度アブソリュートゼロ》《精霊の加護》

 白に近い青色のプレート。
 魔力数値はレイネより下か。それにしても特殊スキル2個持ちとは、中々にして高スペック。
 それに精霊の加護って。

「フライヤちゃん凄い。それにしても冷き乙女って何? レイネのは新米冒険者って書いてあるけど」
「知らない内に変わってたんです、多分時間をかければ変化するのではないでしょうか?」
「レイネは何になるかな? 可愛い由来がいいな(ワクワク)」
 
 と、そこに父が割り込む。

「まずは、初級依頼で腕試ししてこいよ!」

 父の言うように、いきなり長旅の冒険はやめておく事にした。
 まずは慣れる事が先決。
 そうと決まれば【冒険者協会】で依頼を受けようと思ったが、時間が時間の為、母さんの料理を囲みパーティー結成祝いに、お互いを知る為、色々な話がテーブルの上を行き交った。

 ──ウルリカ・レイネ。
 ──エベネス・フライヤ。
 ──デュリエル・ネイト。

 俺は冒険者としデビューを果たす。美女パーティーとなってしまった事は仕方ないが。レイネ、フライヤにも負けず劣らぬ冒険者になる為、努力する事を改め誓い、自分に言い聞かせる。

 まずは経験それから鍛錬、強くなる事に限界なんてない──そう父が昔よく言っていた台詞。
 行くぞ! 俺はあの人の思いを背負い証明してやるよ!
 最弱だって最強なんだって事をな!

 
 俺はワクワクしたせいもあり眠りにつく事が出来なかった。
 
 耳を澄ませると何処からか聞こえて来る囁き声。
 俺は声のする方へと静かに歩みよる。

 家の扉を静かに開け。

 そこにはフライヤの姿が、神秘的な光景に俺は固唾を呑んだ。
 ……音に反応したのか、フライヤは振り向き俺を見る。

「あら? 起こしてしまいましたか?」
「あっ、いや、眠れなくて……所で何してるの?」
「精霊と対話してました」
「対話…………?」
「そうです。精霊もまた生命、対話する事で知恵を学べるんです。それに精霊は可愛いですよ。ネイトさんみたいに」
 言葉の意味が俺にはわからなかったが、夜に映るフライヤはとても綺麗で俺の目にはその景色が脳裏に刻まれた。
 幻想的な彼女の事を知る事は少ないが、根は良い子何だと。

 精霊と対話が出来る人に悪い人はいない──これもまた父の受売り。
 よりも父も精霊と対話が出来る人物。

「今日はありがとうございました──それではおやすみなさい」
 と俺の横を通り抜け、俺は1人夜に晒された。
 今日は星が綺麗だな…………。

 俺も寝るか。

 何故か気持ちは穏やかに…………プツリ。
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