3 / 92
婚約破棄編
3
少し遅れて到着した大舞踏会は、まだまだ入場を待つ人々で列が出来ていて、私達は目立つほどの遅刻ではなかった事に安堵しながら受付を済ませ入場した。
入場して友人知人に挨拶をしていると兄が一人の令嬢に捕まり、長々と自分の長所を話して気を引こうとしている。こうなると次々に私もと人が集まるから不思議なのよね。そう思いながら兄から少し離れた場所で飲み物を片手に待っていると、集まっている人々を押し退けて、強引に私に向かって歩いてくる婚約者に気付いて持っていたグラスを近くにいたパーラーメイドに渡して下げて貰う。不機嫌な雰囲気を隠しもせずに私の正面に立った婚約者は、その腕に見知らぬ女性をぶら下げていた。
誰かしら?学園でも見たこと無いけど……礼儀作法は壊滅的な女性ね。
暫し無言で見ていると胸を押し付ける様にくっついた女性が、私の頭から爪先までじっくり見た後で勝ち誇った様な顔で笑った。
「ルナ・ニールセン!貴様は何時になったら魔法が使える様になるんだ!」
「それは私には分かりかねます。解明の為に今日は学園の講師の方より「聞きあきた!」」
またか。そう思いながら龍人の方に会う事を説明している途中で言葉を遮った婚約者は、私に向かって指を指しながら大きな声で爆弾発言をしてくれた。
「もう言い訳はいい!お前みたいなぽんこつ魔法使いは侯爵家の恥だ!お前の有責で婚約は破棄する!!」
「え?破棄すると言われましても当主の許可が無いと……」
「うるさい!俺が破棄すると言ったら破棄だ。口答えするな!」
大きな声で怒鳴られ侯爵家の都合で結ばれた婚約を勝手に破棄する?しかも、私の有責で?そんな勝手に宣言して大丈夫なのかしら?
頭の中が疑問符だらけで呆然としている私を他所に婚約者……いえ、元婚約者は見知らぬ女性を連れて人混みに消えて行きました。
「ルナ!すまない、遅くなった」
元婚約者と入れ替わる様に兄が駆けつけてくれました。周囲を見渡せば困惑気味の方や興味津々に見ている方。それに諸外国の衣装を身に纏う方もこちらの様子を伺っています。
「どうしましょう、お兄様……こんな所で婚約破棄なんて」
「間違いなく大事になるぞ」
ですよね。今日は建国記念の大舞踏会。近隣諸国からの来賓もいらっしゃる会場で、しかも、大きな声で怒鳴られては“ごめんなさい”で済むはずがありません。取り敢えず周囲にいた方々に兄と二人で謝罪していると、騒ぎを聞き付けた騎士団の方が来られました。
「何事ですか?大きな声が聞こえておりましたが……お二人だけですか?」
「それが……」
騎士団の方も当事者がいない状況に困惑していますが、私が状況を説明すると眉間に深いシワが刻まれていきます。ですよね……常識的に考えてここで騒ぎを起こすって事は、国王陛下や国に泥を塗る様な事と同じですものね。
「ここでは目立ちます。別室にてもっと詳しくお話を聞かせて頂けますか?」
騎士様の丁寧な対応に安堵しながら同意すると、兄と一緒に別室へと案内されました。
入場して友人知人に挨拶をしていると兄が一人の令嬢に捕まり、長々と自分の長所を話して気を引こうとしている。こうなると次々に私もと人が集まるから不思議なのよね。そう思いながら兄から少し離れた場所で飲み物を片手に待っていると、集まっている人々を押し退けて、強引に私に向かって歩いてくる婚約者に気付いて持っていたグラスを近くにいたパーラーメイドに渡して下げて貰う。不機嫌な雰囲気を隠しもせずに私の正面に立った婚約者は、その腕に見知らぬ女性をぶら下げていた。
誰かしら?学園でも見たこと無いけど……礼儀作法は壊滅的な女性ね。
暫し無言で見ていると胸を押し付ける様にくっついた女性が、私の頭から爪先までじっくり見た後で勝ち誇った様な顔で笑った。
「ルナ・ニールセン!貴様は何時になったら魔法が使える様になるんだ!」
「それは私には分かりかねます。解明の為に今日は学園の講師の方より「聞きあきた!」」
またか。そう思いながら龍人の方に会う事を説明している途中で言葉を遮った婚約者は、私に向かって指を指しながら大きな声で爆弾発言をしてくれた。
「もう言い訳はいい!お前みたいなぽんこつ魔法使いは侯爵家の恥だ!お前の有責で婚約は破棄する!!」
「え?破棄すると言われましても当主の許可が無いと……」
「うるさい!俺が破棄すると言ったら破棄だ。口答えするな!」
大きな声で怒鳴られ侯爵家の都合で結ばれた婚約を勝手に破棄する?しかも、私の有責で?そんな勝手に宣言して大丈夫なのかしら?
頭の中が疑問符だらけで呆然としている私を他所に婚約者……いえ、元婚約者は見知らぬ女性を連れて人混みに消えて行きました。
「ルナ!すまない、遅くなった」
元婚約者と入れ替わる様に兄が駆けつけてくれました。周囲を見渡せば困惑気味の方や興味津々に見ている方。それに諸外国の衣装を身に纏う方もこちらの様子を伺っています。
「どうしましょう、お兄様……こんな所で婚約破棄なんて」
「間違いなく大事になるぞ」
ですよね。今日は建国記念の大舞踏会。近隣諸国からの来賓もいらっしゃる会場で、しかも、大きな声で怒鳴られては“ごめんなさい”で済むはずがありません。取り敢えず周囲にいた方々に兄と二人で謝罪していると、騒ぎを聞き付けた騎士団の方が来られました。
「何事ですか?大きな声が聞こえておりましたが……お二人だけですか?」
「それが……」
騎士団の方も当事者がいない状況に困惑していますが、私が状況を説明すると眉間に深いシワが刻まれていきます。ですよね……常識的に考えてここで騒ぎを起こすって事は、国王陛下や国に泥を塗る様な事と同じですものね。
「ここでは目立ちます。別室にてもっと詳しくお話を聞かせて頂けますか?」
騎士様の丁寧な対応に安堵しながら同意すると、兄と一緒に別室へと案内されました。
あなたにおすすめの小説
追放された宮廷花師が辺境の荒野に花を咲かせたら、王都の庭園だけが枯れ続けているようです
歩人
ファンタジー
「花を飾るだけの令嬢は不要だ」——王城の庭園を十年守った伯爵令嬢フローラは追放された。
翌月、王城の庭園が一夜にして枯れ果てる。さらに隣国への外交花束を用意できず国際問題に——
フローラの花束に込められた花言葉が、実は外交メッセージそのものだったのだ。
一方、辺境の荒野に降り立ったフローラが地面に触れると花が芽吹き始める。
荒野を花畑に変えていくスローライフの中で、花の感情が色で見える加護が目覚めて——。
【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです
唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。
すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。
「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて――
一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。
今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。
【完結】転生の次は召喚ですか? 私は聖女なんかじゃありません。いい加減にして下さい!
金峯蓮華
恋愛
「聖女だ! 聖女様だ!」
「成功だ! 召喚は成功したぞ!」
聖女? 召喚? 何のことだ。私はスーパーで閉店時間の寸前に値引きした食料品を買おうとしていたのよ。
あっ、そうか、あの魔法陣……。
まさか私、召喚されたの?
突然、召喚され、見知らぬ世界に連れて行かれたようだ。
まったく。転生の次は召喚?
私には前世の記憶があった。どこかの国の公爵令嬢だった記憶だ。
また、同じような世界に来たとは。
聖女として召喚されたからには、何か仕事があるのだろう。さっさと済ませ早く元の世界に戻りたい。
こんな理不尽許してなるものか。
私は元の世界に帰るぞ!!
さて、愛梨は元の世界に戻れるのでしょうか?
作者独自のファンタジーの世界が舞台です。
緩いご都合主義なお話です。
誤字脱字多いです。
大きな気持ちで教えてもらえると助かります。
R15は保険です。
【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます
ユユ
ファンタジー
【 お知らせ 】
先日、近況ボードにも
お知らせしました通り
2026年4月に
完結済みのお話の多数を
一旦closeいたします。
誤字脱字などを修正して
再掲載をするつもりですが
再掲載しない作品もあります。
再掲載の時期は決まっておりません。
表現の変更などもあり得ます。
他の作品も同様です。
ご了承いただけますようお願いいたします。
ユユ
【 お話の内容紹介 】
“美少女だね”
“可愛いね”
“天使みたい”
知ってる。そう言われ続けてきたから。
だけど…
“なんだコレは。
こんなモノを私は妻にしなければならないのか”
召喚(誘拐)された世界では平凡だった。
私は言われた言葉を忘れたりはしない。
* さらっとファンタジー系程度
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
地味で結婚できないと言われた私が、婚約破棄の席で全員に勝った話
といとい
ファンタジー
「地味で結婚できない」と蔑まれてきた伯爵令嬢クラリス・アーデン。公の場で婚約者から一方的に婚約破棄を言い渡され、妹との比較で笑い者にされるが、クラリスは静かに反撃を始める――。周到に集めた証拠と知略を武器に、貴族社会の表と裏を暴き、見下してきた者たちを鮮やかに逆転。冷静さと気品で場を支配する姿に、やがて誰もが喝采を送る。痛快“ざまぁ”逆転劇!
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
今、私は幸せなの。ほっといて
青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。
卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。
そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。
「今、私は幸せなの。ほっといて」
小説家になろうにも投稿しています。