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学園復帰編
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完成した魔石を持ってソフィア様と一緒にリュカ様の部屋に行くと、カイトお兄ちゃんやマーフィー君も来ていた。
「やぁ、ルー。久しぶりだな」
「マーフィー君も元気そうだね」
「その魔石……ラクルが?」
マーフィー君の問い掛けに黙って頷くと、苦笑いしながら革袋を差し出した。
「必要かもと思ったが要らなかったな」
袋の中を覗くと色とりどりの魔石が詰まっていて驚いて顔を上げると、笑いながら受け取って欲しいと言われて困惑した。
「どうせ私が持っていても宝の持ち腐れだからルーが使って。さぁ、彼を助けるんだろう?」
マーフィー君に促されリュカ様の側に行くと、彼の手を取り魔石を握らせ自分の両手で包む。どうか上手くいきますように……
「発動」
私の言葉に反応して魔石がゆっくりと光だす。指の隙間から漏れる光りがユラユラと揺らめきながらリュカ様の身体を包むと、静かに消えていった。光が消えると苦し気な表情が消えて呼吸も落ちつき始めた。
「成功したようだね」
ソフィア様のその一言で肩に入っていた力が抜けた時、開いた手の中で魔石がボロボロと崩れだした。
「魔力を使いきったみたいです」
サリーナ先生と作った魔石も幾つかは、目の前ですぐに崩れて消えた事を伝えるとソフィア様は黙って頷く。魔石の話をしながらリュカ様の様子を伺っていると、ゆっくり目を開けた彼は、意識がハッキリしていないのかわボンヤリと視線を彷徨わせている。まだ魔力が残っているのかしら?
「リュカ様、大丈夫ですか?聞こえますか?」
少し心配になって声を掛けると、ゆっくりと顔を動かし視線を向けた彼は嬉しそうに微笑みを浮かべた。
「ルナ嬢」
「は、はい……良かった」
名前を呼ばれて涙が滲むのを瞬きで誤魔化していると、私の後ろから様子を見ていたソフィア様から声を掛けている。
「まったく人騒がせな孫だね。ルナに感謝しな」
「……婆さんか……他に誰がいるんだ?」
「今から説明するから待ちな」
少し驚いた様子のリュカ様が身体を起こそうとしてケビン団長に止められている。その横でソフィア様は眉間にシワを寄せて、少し考え事をしている様に見えた。渋々ベッドに戻ったリュカ様だったけど、ソフィア様が説明している間に再び寝てしまっていた。
「リュカ様?」
「寝たのかい」
声を掛けてもピクリとも動かないリュカ様に、ソフィア様が無言で側に移動すると彼の体調を調べたあと深いため息を吐き出した。
「魔力の使いすぎだね……回復するまで目は見えないよ」
「大魔法使い殿、それは何故ですか?」
カイトお兄ちゃんがソフィア様に理由を尋ねると、壁に掛けてあったリュカ様の上着のポケットから眼鏡を取り出した。
「リュカが魔法使いになれなかった原因さ。目に魔力が集中しているんだ」
ソフィア様の話はケビン団長以外、知らなかったらしい。皆が驚いた表情になる中、ソフィア様は淡々と話を続けた。
「リュカは元々、解析の魔力に特化していてねぇ。目で見た物全てを無意識に解析してしまうんだよ」
その言葉を聞いて学園に来た時、掛けていた眼鏡を外した事を思い出した。あれは魔力でエリザベスの居場所を確認する為に?
「魔力が無ければ解析出来ない。解析が出来なければ見ることが出来ない。だから普段はドラゴンの鱗で魔力を抑えているんなだよ」
リュカ様のメガネは翁さんの鱗で作った特別製で、魔力の量を調整して解析力だけを抑えてくれるらしい。魔力がないと見ることが出来ないなんて……そんな事があるの?
「魔力と視力が直結しているというのですか」
カイトお兄ちゃんの呟きの様な質問に、ソフィア様は大きく頷いた。驚いたのは私だけじゃなかったみたい。部屋から全ての音が消えてしまった様な錯覚すら感じた。
「そうさ。魔力が半分ほど回復するまで見えないね」
ハッキリと断言するソフィア様の話し方はまるで以前にも同じ様な事があった様に聞こえる。そう思ったのは私だけじゃなくて、ラクちゃんが手を挙げてから質問していた。
「そこまで断言出来るということは、以前にも同じ様な事があっての事と認識で宜しいですか?」
「あぁ、幼い頃に何度か魔力の使いすぎで見えなくなったよ。一晩で済む事もあれば一週間程、時間が掛かった事もある」
重苦しい空気が部屋に広がる中、取り敢えず一晩様子を見る事になり一階の応接室に移動した。
「やぁ、ルー。久しぶりだな」
「マーフィー君も元気そうだね」
「その魔石……ラクルが?」
マーフィー君の問い掛けに黙って頷くと、苦笑いしながら革袋を差し出した。
「必要かもと思ったが要らなかったな」
袋の中を覗くと色とりどりの魔石が詰まっていて驚いて顔を上げると、笑いながら受け取って欲しいと言われて困惑した。
「どうせ私が持っていても宝の持ち腐れだからルーが使って。さぁ、彼を助けるんだろう?」
マーフィー君に促されリュカ様の側に行くと、彼の手を取り魔石を握らせ自分の両手で包む。どうか上手くいきますように……
「発動」
私の言葉に反応して魔石がゆっくりと光だす。指の隙間から漏れる光りがユラユラと揺らめきながらリュカ様の身体を包むと、静かに消えていった。光が消えると苦し気な表情が消えて呼吸も落ちつき始めた。
「成功したようだね」
ソフィア様のその一言で肩に入っていた力が抜けた時、開いた手の中で魔石がボロボロと崩れだした。
「魔力を使いきったみたいです」
サリーナ先生と作った魔石も幾つかは、目の前ですぐに崩れて消えた事を伝えるとソフィア様は黙って頷く。魔石の話をしながらリュカ様の様子を伺っていると、ゆっくり目を開けた彼は、意識がハッキリしていないのかわボンヤリと視線を彷徨わせている。まだ魔力が残っているのかしら?
「リュカ様、大丈夫ですか?聞こえますか?」
少し心配になって声を掛けると、ゆっくりと顔を動かし視線を向けた彼は嬉しそうに微笑みを浮かべた。
「ルナ嬢」
「は、はい……良かった」
名前を呼ばれて涙が滲むのを瞬きで誤魔化していると、私の後ろから様子を見ていたソフィア様から声を掛けている。
「まったく人騒がせな孫だね。ルナに感謝しな」
「……婆さんか……他に誰がいるんだ?」
「今から説明するから待ちな」
少し驚いた様子のリュカ様が身体を起こそうとしてケビン団長に止められている。その横でソフィア様は眉間にシワを寄せて、少し考え事をしている様に見えた。渋々ベッドに戻ったリュカ様だったけど、ソフィア様が説明している間に再び寝てしまっていた。
「リュカ様?」
「寝たのかい」
声を掛けてもピクリとも動かないリュカ様に、ソフィア様が無言で側に移動すると彼の体調を調べたあと深いため息を吐き出した。
「魔力の使いすぎだね……回復するまで目は見えないよ」
「大魔法使い殿、それは何故ですか?」
カイトお兄ちゃんがソフィア様に理由を尋ねると、壁に掛けてあったリュカ様の上着のポケットから眼鏡を取り出した。
「リュカが魔法使いになれなかった原因さ。目に魔力が集中しているんだ」
ソフィア様の話はケビン団長以外、知らなかったらしい。皆が驚いた表情になる中、ソフィア様は淡々と話を続けた。
「リュカは元々、解析の魔力に特化していてねぇ。目で見た物全てを無意識に解析してしまうんだよ」
その言葉を聞いて学園に来た時、掛けていた眼鏡を外した事を思い出した。あれは魔力でエリザベスの居場所を確認する為に?
「魔力が無ければ解析出来ない。解析が出来なければ見ることが出来ない。だから普段はドラゴンの鱗で魔力を抑えているんなだよ」
リュカ様のメガネは翁さんの鱗で作った特別製で、魔力の量を調整して解析力だけを抑えてくれるらしい。魔力がないと見ることが出来ないなんて……そんな事があるの?
「魔力と視力が直結しているというのですか」
カイトお兄ちゃんの呟きの様な質問に、ソフィア様は大きく頷いた。驚いたのは私だけじゃなかったみたい。部屋から全ての音が消えてしまった様な錯覚すら感じた。
「そうさ。魔力が半分ほど回復するまで見えないね」
ハッキリと断言するソフィア様の話し方はまるで以前にも同じ様な事があった様に聞こえる。そう思ったのは私だけじゃなくて、ラクちゃんが手を挙げてから質問していた。
「そこまで断言出来るということは、以前にも同じ様な事があっての事と認識で宜しいですか?」
「あぁ、幼い頃に何度か魔力の使いすぎで見えなくなったよ。一晩で済む事もあれば一週間程、時間が掛かった事もある」
重苦しい空気が部屋に広がる中、取り敢えず一晩様子を見る事になり一階の応接室に移動した。
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