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本編
帰りを待ちます
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師匠と私は二人が消えた壁を暫く見詰めていたが、さっき渡された小袋の存在を思い出した。
「これ……何ですかね?」
師匠も首を傾げる中、袋を開けると小さな黒い粒が二つ入っていた。
「これは……もしかして、エルフの丸薬か?」
「普通の丸薬と違うのですか?」
師匠の説明ではエルフにしか扱えない薬草を使った、回復の万能薬と呼ばれる丸薬があるらしい。師匠も話でしか聞いた事が無いような珍しい物。へー凄い。これ飲んだら師匠も直ぐに元気になるかもね。でも、何で私まで飲むの?
「まー、さっさと飲んで二人の帰りを待つか」
「そうですね」
ベッドサイドに置いてある水で丸薬を飲み込む。飲んだ感想は無味無臭の粒。別に急な変化が有る訳でもなく、師匠に今朝の出来事を話ながら朝食の時間を待っている。急に壁から人が増えたら、使用人さん達が慌てそうだ。
「ランディーが戻るなら、飯を増やして貰う方が良いな」
「あー、そうですね。一応、無限収納には保存食ありますけど……足りないですよね」
「体力も魔力も使うから、相当、食うぞ」
そんな話をしていたら、ドアをノックする音と共に王様が来た事が知らされた。入ってきた王様は、私がいる事に驚いた様子もなくベッドの横に置かれている椅子に座った。
「部屋付きの者から他に二人来ているって聞いたのだけど何処に居るのかな?」
「兵器を破壊すると言って、転移魔法でマガユダに行ったぞ」
王様が方眉を上げて、師匠に続きを促す。
私の使っていた部屋に、今朝、転移魔法でランバートさんとエルフのオーウェンさんが一緒に来た事や、魔具に鱗を嵌めて貰って師匠に渡した事。そして、兵器の事を聞いたオーウェンさんが、ランバートさんを無理矢理連れて破壊しに行った事。
全てを聞いた王様が頭を抱えて呻き声を上げた。師匠も苦笑いしていた。
「まぁ……後処理頼む」
「兄上も手伝って頂きますよ」
王様に丸投げしようとしたけど、勿論、それは許さなかった。笑顔なのに目が笑って無い王様と、冷や汗をかいている師匠。師匠の困っている姿が面白くて内心、笑って見ていると師匠が私を見てニヤリと意地の悪い笑みを作った。
「……いや、リナに手伝って貰え。義理とはいえ身内だし、こいつは頭が良い」
「兄上、直系の王族でないと出来ない仕事がありますよ?」
グッと言葉に詰まる師匠に思わず笑ってしまう。仲の良い兄弟が、家族が羨ましい。必死に書類仕事から逃げようとする師匠が、急に片眼を手で覆いながら窓の外へ視線を向けると苦笑いしていた。
「どうやらエルフ殿は、魔法が得意の様だ。爆炎で兵器を丸ごと燃やす気だ」
師匠の言葉に目が点になった気がする。爆炎って、炎系魔法の最大火力を攻撃対象に当てて、爆発させる魔法だったはずですが?兵器に当てたら回りにいる人達は?
「……ランバートさんが巻き込まれませんか?」
「うーん……文句を言いながら逃げてるぞ」
魔眼を使い兵器の様子を確認する師匠は、ずっと苦笑いしている。もう魔眼の力を無理に抑える必要がないから、顔色が良くなった師匠が当たり前の様に力を使う。そんな姿を王様は穏やかな笑みを浮かべて見ている。
あぁ、師匠と王様は、こんな日がくることを待っていたんだ。
それにしてもオーウェンさんって、剣を作った人のはずじゃなかった?
……鍛冶屋さんと思ってだけど違うの?
「これ……何ですかね?」
師匠も首を傾げる中、袋を開けると小さな黒い粒が二つ入っていた。
「これは……もしかして、エルフの丸薬か?」
「普通の丸薬と違うのですか?」
師匠の説明ではエルフにしか扱えない薬草を使った、回復の万能薬と呼ばれる丸薬があるらしい。師匠も話でしか聞いた事が無いような珍しい物。へー凄い。これ飲んだら師匠も直ぐに元気になるかもね。でも、何で私まで飲むの?
「まー、さっさと飲んで二人の帰りを待つか」
「そうですね」
ベッドサイドに置いてある水で丸薬を飲み込む。飲んだ感想は無味無臭の粒。別に急な変化が有る訳でもなく、師匠に今朝の出来事を話ながら朝食の時間を待っている。急に壁から人が増えたら、使用人さん達が慌てそうだ。
「ランディーが戻るなら、飯を増やして貰う方が良いな」
「あー、そうですね。一応、無限収納には保存食ありますけど……足りないですよね」
「体力も魔力も使うから、相当、食うぞ」
そんな話をしていたら、ドアをノックする音と共に王様が来た事が知らされた。入ってきた王様は、私がいる事に驚いた様子もなくベッドの横に置かれている椅子に座った。
「部屋付きの者から他に二人来ているって聞いたのだけど何処に居るのかな?」
「兵器を破壊すると言って、転移魔法でマガユダに行ったぞ」
王様が方眉を上げて、師匠に続きを促す。
私の使っていた部屋に、今朝、転移魔法でランバートさんとエルフのオーウェンさんが一緒に来た事や、魔具に鱗を嵌めて貰って師匠に渡した事。そして、兵器の事を聞いたオーウェンさんが、ランバートさんを無理矢理連れて破壊しに行った事。
全てを聞いた王様が頭を抱えて呻き声を上げた。師匠も苦笑いしていた。
「まぁ……後処理頼む」
「兄上も手伝って頂きますよ」
王様に丸投げしようとしたけど、勿論、それは許さなかった。笑顔なのに目が笑って無い王様と、冷や汗をかいている師匠。師匠の困っている姿が面白くて内心、笑って見ていると師匠が私を見てニヤリと意地の悪い笑みを作った。
「……いや、リナに手伝って貰え。義理とはいえ身内だし、こいつは頭が良い」
「兄上、直系の王族でないと出来ない仕事がありますよ?」
グッと言葉に詰まる師匠に思わず笑ってしまう。仲の良い兄弟が、家族が羨ましい。必死に書類仕事から逃げようとする師匠が、急に片眼を手で覆いながら窓の外へ視線を向けると苦笑いしていた。
「どうやらエルフ殿は、魔法が得意の様だ。爆炎で兵器を丸ごと燃やす気だ」
師匠の言葉に目が点になった気がする。爆炎って、炎系魔法の最大火力を攻撃対象に当てて、爆発させる魔法だったはずですが?兵器に当てたら回りにいる人達は?
「……ランバートさんが巻き込まれませんか?」
「うーん……文句を言いながら逃げてるぞ」
魔眼を使い兵器の様子を確認する師匠は、ずっと苦笑いしている。もう魔眼の力を無理に抑える必要がないから、顔色が良くなった師匠が当たり前の様に力を使う。そんな姿を王様は穏やかな笑みを浮かべて見ている。
あぁ、師匠と王様は、こんな日がくることを待っていたんだ。
それにしてもオーウェンさんって、剣を作った人のはずじゃなかった?
……鍛冶屋さんと思ってだけど違うの?
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