62 / 107
本編
謎の丸薬
しおりを挟む
結果から言うと、私が触れているとランバートさ悪夢を視ない。眠ると魔力は確実に回復する。その二つだけはハッキリした。王様とお義父様に報告した時、私が視た映像の事も伝えある。
証拠もない状況だけど無闇に調べるよりはマシだろうと、私が視たモノを元に数人に絞った調査が始まった。
限界がきてたのに無理していたランバートさんは、今はベッドで休んでいる。最初、彼は殿下の鍛練をすると言っていたけど、お義父様の魔法で強制的に眠らされていて、私は目を覚ました時の見張り役。そして、私は回復魔法で丸薬を作ろうとしていた。
王太子殿下で何度か練習したけど、効果は全体回復だけど、効果は低めでムラがある。怪我や軽い風邪くらいなら治る程度だけど、今のランバートさんには少しでも回復の可能性があるなら試したいと思っている。
静かな部屋の中で私は、目を閉じて両手を合わせて魔力を集める。どうか彼が回復します様にと強く願いながら、丸薬を出来るだけハッキリと思い浮かべる。スーッと魔力が身体から抜けて手の中に集まり渦を巻くと、小さく小さく縮んで止まる。ゆっくり目を開けて手の中を見ると今までとは違う丸薬が出来ていた。
「……何この色……あれ?失敗したかな……」
殿下の回復用に作った時は白かった丸薬が、何故か虹色に輝いている。どう見ても、これは……うん、人間が口に入れるモノじゃないわ……やり直そう。
オーウェンさんが森から戻ってきたら鑑定して貰うと思ってポーチから手のひらに収まる程小さな入れ物を出すと、虹色の丸薬を入れて蓋を閉める。肩を回して気合いを入れると一からやり直す為に、再び目を閉じて手の中に魔力を集め始めた。
その後、何度か丸薬を作ったけど、何故か全て虹色。どうして虹色になるのか原因は分からないまま、虹色の丸薬が入れ物の中に貯まっていく。これ以上は止めて、魔具の修理しよう。
「……う……ん?イリーナ?」
掠れた声が聞こえて視線を向けると、ランバートさんが目を覚ましてベッドから身体を起こしていた。強制的とはいえ少し寝たから顔色は、昨日よりは良くなったみたい。
「水、飲みますか?」
頷いた彼に水の入ったコップを渡すと、一気に飲み干していた。
「……あぁ、師匠に久しぶりにヤられたな」
「久しぶりにって、前にも魔法で眠らされたんですか?」
ベッドから降りようとする彼を押し留めて、話を聞くと修行中はよく寝かされたらしい。休憩もせずに朝から剣や魔法の稽古をして、声を掛けても止めなかった時に後ろから魔法で眠らされていたとか……ちょっと、若い頃のランバートさんを見たかった。
「その箱は?」
彼の視線の先にはテーブに置かれた小さな入れ物。あ……失敗作、片付けてなかった。
「これ、回復魔法の練習していたんですが、どうも失敗したみたいで変なモノが出来ちゃいました」
笑って誤魔化してポーチに入れようとしてけど、見せて欲しいと言われて渋々渡した。入れ物の蓋を開けた彼が、中身を見て固まった。だから、失敗したって言ったでしょ!!その色は可笑しい!
どう見ても食べて良いモノじゃないのに、彼は無言で一粒摘まむと口の中に放り込んだ。
「えぇぇ!!吐いて!今すぐ吐き出して!!」
手を伸ばした時にはゴクンと飲み込む音が聞こえた。だから!何で飲んじゃうかなぁ!?やっぱり天然なの?絶対、そうよね!
「……旨い。お腹空いたから全部、食べて良いか?」
「そうじゃない!どう見ても可笑しな色でしょ!ダメですよ!!」
「平気、平気」
笑いながらそう言った彼は、水と一緒に虹色の奇妙な丸薬を全て飲んで満足したのか、もう少し寝ると言ってベッドに潜り込んだ。ウソでしょう……丸薬、十個あったのに……本当に全部、飲んじゃった……
「もう……気分が悪くなったら言って下さいね」
「あぁ、分かった」
「今日は、ずっと傍に居ますから」
ありがとうって言った彼の手を、私が握り締めると満面の笑みを浮かべた。
「具合が悪い時……誰かに手を握って貰うのは初めてだな……思ってた以上に嬉しいよ」
「……早く寝て下さい」
真っ直ぐに見詰められて恥ずかしくなった私は、頬を膨らまして顔を背けた。クスクスと小さな笑い声が聞こえた後、お休みと言った彼は直ぐに眠りに落ちていった。
証拠もない状況だけど無闇に調べるよりはマシだろうと、私が視たモノを元に数人に絞った調査が始まった。
限界がきてたのに無理していたランバートさんは、今はベッドで休んでいる。最初、彼は殿下の鍛練をすると言っていたけど、お義父様の魔法で強制的に眠らされていて、私は目を覚ました時の見張り役。そして、私は回復魔法で丸薬を作ろうとしていた。
王太子殿下で何度か練習したけど、効果は全体回復だけど、効果は低めでムラがある。怪我や軽い風邪くらいなら治る程度だけど、今のランバートさんには少しでも回復の可能性があるなら試したいと思っている。
静かな部屋の中で私は、目を閉じて両手を合わせて魔力を集める。どうか彼が回復します様にと強く願いながら、丸薬を出来るだけハッキリと思い浮かべる。スーッと魔力が身体から抜けて手の中に集まり渦を巻くと、小さく小さく縮んで止まる。ゆっくり目を開けて手の中を見ると今までとは違う丸薬が出来ていた。
「……何この色……あれ?失敗したかな……」
殿下の回復用に作った時は白かった丸薬が、何故か虹色に輝いている。どう見ても、これは……うん、人間が口に入れるモノじゃないわ……やり直そう。
オーウェンさんが森から戻ってきたら鑑定して貰うと思ってポーチから手のひらに収まる程小さな入れ物を出すと、虹色の丸薬を入れて蓋を閉める。肩を回して気合いを入れると一からやり直す為に、再び目を閉じて手の中に魔力を集め始めた。
その後、何度か丸薬を作ったけど、何故か全て虹色。どうして虹色になるのか原因は分からないまま、虹色の丸薬が入れ物の中に貯まっていく。これ以上は止めて、魔具の修理しよう。
「……う……ん?イリーナ?」
掠れた声が聞こえて視線を向けると、ランバートさんが目を覚ましてベッドから身体を起こしていた。強制的とはいえ少し寝たから顔色は、昨日よりは良くなったみたい。
「水、飲みますか?」
頷いた彼に水の入ったコップを渡すと、一気に飲み干していた。
「……あぁ、師匠に久しぶりにヤられたな」
「久しぶりにって、前にも魔法で眠らされたんですか?」
ベッドから降りようとする彼を押し留めて、話を聞くと修行中はよく寝かされたらしい。休憩もせずに朝から剣や魔法の稽古をして、声を掛けても止めなかった時に後ろから魔法で眠らされていたとか……ちょっと、若い頃のランバートさんを見たかった。
「その箱は?」
彼の視線の先にはテーブに置かれた小さな入れ物。あ……失敗作、片付けてなかった。
「これ、回復魔法の練習していたんですが、どうも失敗したみたいで変なモノが出来ちゃいました」
笑って誤魔化してポーチに入れようとしてけど、見せて欲しいと言われて渋々渡した。入れ物の蓋を開けた彼が、中身を見て固まった。だから、失敗したって言ったでしょ!!その色は可笑しい!
どう見ても食べて良いモノじゃないのに、彼は無言で一粒摘まむと口の中に放り込んだ。
「えぇぇ!!吐いて!今すぐ吐き出して!!」
手を伸ばした時にはゴクンと飲み込む音が聞こえた。だから!何で飲んじゃうかなぁ!?やっぱり天然なの?絶対、そうよね!
「……旨い。お腹空いたから全部、食べて良いか?」
「そうじゃない!どう見ても可笑しな色でしょ!ダメですよ!!」
「平気、平気」
笑いながらそう言った彼は、水と一緒に虹色の奇妙な丸薬を全て飲んで満足したのか、もう少し寝ると言ってベッドに潜り込んだ。ウソでしょう……丸薬、十個あったのに……本当に全部、飲んじゃった……
「もう……気分が悪くなったら言って下さいね」
「あぁ、分かった」
「今日は、ずっと傍に居ますから」
ありがとうって言った彼の手を、私が握り締めると満面の笑みを浮かべた。
「具合が悪い時……誰かに手を握って貰うのは初めてだな……思ってた以上に嬉しいよ」
「……早く寝て下さい」
真っ直ぐに見詰められて恥ずかしくなった私は、頬を膨らまして顔を背けた。クスクスと小さな笑い声が聞こえた後、お休みと言った彼は直ぐに眠りに落ちていった。
25
あなたにおすすめの小説
殿下、毒殺はお断りいたします
石里 唯
恋愛
公爵令嬢エリザベスは、王太子エドワードから幼いころから熱烈に求婚され続けているが、頑なに断り続けている。
彼女には、前世、心から愛した相手と結ばれ、毒殺された記憶があり、今生の目標は、ただ穏やかな結婚と人生を全うすることなのだ。
容姿端麗、文武両道、加えて王太子という立場で国中の令嬢たちの憧れであるエドワードと結婚するなどとんでもない選択なのだ。
彼女の拒絶を全く意に介しない王太子、彼女を溺愛し生涯手元に置くと公言する兄を振り切って彼女は人生の目標を達成できるのだろうか。
「小説家になろう」サイトで完結済みです。大まかな流れに変更はありません。
「小説家になろう」サイトで番外編を投稿しています。
元王太子妃候補、現王宮の番犬(仮)
モンドール
恋愛
伯爵令嬢ルイーザは、幼い頃から王太子妃を目指し血の滲む努力をしてきた。勉学に励み、作法を学び、社交での人脈も作った。しかし、肝心の王太子の心は射止められず。
そんな中、何者かの手によって大型犬に姿を変えられてしまったルイーザは、暫く王宮で飼われる番犬の振りをすることになり──!?
「わん!」(なんでよ!)
(『小説家になろう』にも同一名義で投稿しています。)
皇子の婚約者になりたくないので天の声に従いました
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
幼い頃から天の声が聞こえるシラク公爵の娘であるミレーヌ。
この天の声にはいろいろと助けられていた。父親の命を救ってくれたのもこの天の声。
そして、進学に向けて騎士科か魔導科を選択しなければならなくなったとき、助言をしてくれたのも天の声。
ミレーヌはこの天の声に従い、騎士科を選ぶことにした。
なぜなら、魔導科を選ぶと、皇子の婚約者という立派な役割がもれなくついてきてしまうからだ。
※完結しました。新年早々、クスっとしていただけたら幸いです。軽くお読みください。
若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
長岡更紗
恋愛
侯爵令嬢だったユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
仲睦まじく過ごしていたある日、父親の死をきっかけにどん底まで落ちたユリアーナは婚約破棄されてしまう。
愛し合う二人は、離れ離れとなってしまったのだった。
ディートフリートを待ち続けるユリアーナ。
ユリアーナを迎えに行こうと奮闘するディートフリート。
二人に巻き込まれてしまった、男装の王弟。
時に笑い、時に泣き、諦めそうになり、奮闘し……
全ては、愛する人と幸せになるために。
他サイトと重複投稿しています。
全面改稿して投稿中です。
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
妹と人生を入れ替えました〜皇太子さまは溺愛する相手をお間違えのようです〜
鈴宮(すずみや)
恋愛
「俺の妃になって欲しいんだ」
従兄弟として育ってきた憂炎(ゆうえん)からそんなことを打診された名家の令嬢である凛風(りんふぁ)。
実は憂炎は、嫉妬深い皇后の手から逃れるため、後宮から密かに連れ出された現皇帝の実子だった。
自由を愛する凛風にとって、堅苦しい後宮暮らしは到底受け入れられるものではない。けれど憂炎は「妃は凛風に」と頑なで、考えを曲げる様子はなかった。
そんな中、凛風は双子の妹である華凛と入れ替わることを思い付く。華凛はこの提案を快諾し、『凛風』として入内をすることに。
しかし、それから数日後、今度は『華凛(凛風)』に対して、憂炎の補佐として出仕するようお達しが。断りきれず、渋々出仕した華凛(凛風)。すると、憂炎は華凛(凛風)のことを溺愛し、籠妃のように扱い始める。
釈然としない想いを抱えつつ、自分の代わりに入内した華凛の元を訪れる凛風。そこで凛風は、憂炎が入内以降一度も、凛風(華凛)の元に一度も通っていないことを知る。
『だったら最初から『凛風』じゃなくて『華凛』を妃にすれば良かったのに』
憤る凛風に対し、華凛が「三日間だけ元の自分戻りたい」と訴える。妃の任を押し付けた負い目もあって、躊躇いつつも華凛の願いを聞き入れる凛風。しかし、そんな凛風のもとに憂炎が現れて――――。
公爵令嬢は嫁き遅れていらっしゃる
夏菜しの
恋愛
十七歳の時、生涯初めての恋をした。
燃え上がるような想いに胸を焦がされ、彼だけを見つめて、彼だけを追った。
しかし意中の相手は、別の女を選びわたしに振り向く事は無かった。
あれから六回目の夜会シーズンが始まろうとしている。
気になる男性も居ないまま、気づけば、崖っぷち。
コンコン。
今日もお父様がお見合い写真を手にやってくる。
さてと、どうしようかしら?
※姉妹作品の『攻略対象ですがルートに入ってきませんでした』の別の話になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる