ChatGPTさんの短編小説 2025年5月

草薙銀之介

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37件目 このキスに、名前をつけるなら

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 ここは、海の近くにある一軒のシェアハウス。

 住人は全員女子高生――そして俺、神谷タクミただひとり。

 

 朝のリビングは、戦場だった。

 

「おっはよ~、タクミくん! 今日もキラキラしてるねっ!」

 玄関から飛び込んできたのは、ラブリー天使な長身美少女・姫野リリィ。

 

 彼女の笑顔はまぶしくて、なぜか俺にだけやたら距離が近い。

 

「ちょっと! 朝からベタベタしないでよ!」

 それを見て怒鳴ったのは、低身長の逆上美少女・火野あかね。

 

 彼女は常に怒っているが、それは不器用な優しさの裏返し。

 

「…………」

 隅の椅子で読書しているのは、低身長の陰キャ美少女・月城ことは。

 

 無言で俺をチラチラ見るたび、なんだかドキッとする。

 

「おはよう、タクミさん。お茶、いかが?」

 紅茶を差し出してくるのは、優雅な令嬢・綾小路セリナ。

 

 毎朝、必ず“お紅茶の儀”を忘れない律儀な人だ。

 

「……騒がしい朝ね。ふふ、嫌いじゃないわ」

 ソファに優雅に腰掛けたのは、妖しげな先輩美少女・白雪レイカ。

 

 なぜか俺にだけ、ぞくっとするような視線を送ってくる。

 

「よっ、タクミ。朝メシ、食った?」

 台所でエプロンをつけていたのは、長身黒ギャル美女先輩・黒川ナツ。

 

 ギャルなのに手料理がプロ級という、ギャップが恐ろしい。

 

「おはようございます。タクミ、心拍数がいつもより高めです」

 身長180cmのAIアンドロイド女子高生・アメリアが近づいてきた。

 

 無表情なのに、なぜか可愛く感じてしまうのは、たぶん錯覚じゃない。

 

 そんな個性的な彼女たちと暮らすこのシェアハウス。

 そして、もう一人――

 

「タクミ、おはよう。今日は隣、空いてる?」

 俺の幼馴染、桜井ミユがいつものように微笑む。

 

 誰よりも長く、そばにいてくれる存在。
 けれど最近、彼女の表情が少しだけ怖い。

 

「なぁ……昨日の“キスゲーム”って、またやるのか?」

 思い切って聞くと、全員の動きが止まった。

 

「えっ、やるに決まってるじゃん! 今日は“朝一番キスチャンピオン戦”だよ!」

 リリィがにっこりと宣言する。

 

「こ、こんなの、タクミが迷惑って言ってるじゃん!」

 あかねが怒る。

 

「……でも、ルールには従う」

 ことはがそっと手を上げる。

 

「タクミに選ばれるのは、当然私ですわ」

 セリナが微笑む。

 

「フフ……さあ、誰が一番官能的か、確かめてごらんなさい」

 レイカ先輩の言葉に、空気が妙に熱を帯びた。

 

「よーし、順番な! 私は最後でいいよ」

 ナツ先輩がニヤニヤしながら指を鳴らす。

 

「キスの意義とは……実験の価値が高そうです」

 アメリアはメモを取り始めた。

 

「ねぇ、タクミ。私とキスした時、一番ドキドキしてくれたよね?」

 ミユが俺の耳元でささやく。

 

「うわっ、ちょっ、待て……! みんな落ち着けって!」

 

 俺の抗議など聞こえていないかのように、彼女たちは一斉に近づいてくる。

 

 そして――

 

「じゃあいくよ! “みんなでキス”ターイム!」

 リリィの号令と共に、キスの雨が降り注いだ。

 

 ほっぺ、額、鼻先――あちこちに小さな唇の感触が残る。

 

「はいっ、今日の勝者は――タクミの心拍数を最も上げたミユちゃんです!」

 アメリアが機械音声で宣言した。

 

「やった……やっぱり、私が一番だよね、タクミ?」

 ミユが俺の胸元に顔をうずめた。

 

「……はあ……俺の青春、どうしてこうなった」

 

 だけど、不思議と嫌じゃなかった。

 

 このシェアハウスで、俺はきっと、
世界で一番幸せな“恋”の渦中にいる。

 

 ――それだけは、間違いなかった。


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