上 下
13 / 71

第三話 二重人格のオッドアイ 4

しおりを挟む
 そこそこに済んで次は動画編集アプリか、サラサラとテロップや効果音を追加しながら、先程撮影したプレイ動画を編集する。

 銀髪にして片目が黄色のJKは片手作業もお手の物で、かなり手慣れていたのは流石だが、時折舌打ちしながら横目を向ける。

「ナニ? 気が散るんだけど……。」

(またですか……。 イヤイヤ、オレん家だから!)

 それはともかく、明らかに人格がスイッチしていて、また『陰キャ』から『陽キャ』に変化したら、やはり先の如く尖っている。

 色々と確認してみたい事があるも、あまり詮索されたくないパターンもあるから、まだまだ聞き出せそうにない。

 オレもそろそろ小説の続きを作成したいが、同時にまたしても奈津美さんに預けるのかと、頭の中がグルグしてくる。

 一旦個室に引き返して作戦会議だが、何故家主の俺が引き込まなければならないかは謎だが、不用意に地雷を踏んでも仕方ない。

 妖しげに魅せつける様な人でも、今まで雑に扱われたことはほとんど無かったから、またしてもLINE極秘垢にコメントを投稿。

 丁度昼頃と時間が良かったのか、直ぐに返信が来て少し落ち着いたのは良くても、トンガリコーンな銀髪JKを受け入れられるのか。

 そうしていると、個室のドアをノックして銀髪JKが入って、話しておきたいことがあると、少し沈黙を挟んできりだした。
 
「わたし、……二重人格なの……。」

 俺は非現実的な発言内容に「?」となったが、今このときまでに幾度も性格が変化していれば、納得しないほうが難しい。

 『陰キャ』と『陽キャ』のダブルツイストに、良くも悪くも翻弄されたものだが、まさか自分から話に来るとは少し意外だった。

 そもそも、オレもそうだが生活のほとんどが、他人との接点もない上に謎の疲労感もあるか、『陰キャ』だと精神的に辛いだろう。

 もしかしたら違うかもしれないし、ひとによって個人差もあるから、個人的にはそうしたバリアフリー的な環境も必要だろう。

 しかし、『陰キャ』の方は無言が多かったが、無理に圧迫することで別人格が覚醒したか、何にしても今後の要点となる。

 奈津美さんは対応力が高いほうでも、萌香とダブル実瑠と人数が増えれば、奈津美さんの負担がそれだけ増加する。

 現状で作業に差し支えなくなりそうだが、理由も萌香と同様に保護しながら、俺にも食事提供があるから全部を預かって貰うのか。

 いくらなんでも失敬でもありながら、一方で頭の硬い親の下に返したとしても、果たして救済は在ると謂えるのか。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R18】お飾り妻は諦める~旦那様、貴方を想うのはもうやめます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:459

【R18】後宮に咲く薔薇

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:2,949pt お気に入り:26

相手に望む3つの条件

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:331

【完結】契約妻の小さな復讐

恋愛 / 完結 24h.ポイント:844pt お気に入り:5,874

ヒヨクレンリ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:134pt お気に入り:884

離婚が決まった日に惚れ薬を飲んでしまった旦那様

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:18,681pt お気に入り:661

復讐します。楽しみにして下さい。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:223

処理中です...