63 / 83
第十三話 春風まとう萌桜 2
しおりを挟む
いよいよ特急列車自由席で移動となって、車内で大人と未成年に分かれて隣接席に陣取ると、それぞれ自由に過ごし始める。
未成年の実瑠と優花は動画配信とゲームで徹夜、余計に作業量が増えた事や、宿題にすら追われて一睡もしていなかったのか。
そしてプラスワンの萌香は何時ものニャンニャンがいなくてソワソワしながら、代わりにスマホでニャンニャンズを観ていた。
一方の大人勢はそれぞれ俺を観たまま静かに、妖しくも甘い顔でずっと観たまま、外の景色は完全に視界から消えているのか。
通路側の俺に対して正面に脚を組んで構える奈津美さんは、二十代中盤にして中間管理職だけに、自信と妖し気な風格がある。
その隣にはいつ新調したのか分からないが、流石にメイドインリアルでは悪目立ちするか、シックにも甘い献身に馴染んでいる。
俺はそんな二人の甘い顔と艶のある視線や、向かいの席から爽やかな寝息のする三人、それに惑いながら俺は窓の外を観た。
ゆっくりと流れる田畑や快晴の青い空は、花見に最適な日和な陽世利が映えて、黄や緑にチラホラと桜の樹に見送られる。
途中の駅で長時間停車してアナウンスが入ると、奈津美さんは素早く人数分の駅弁を買ってきて、隣接三人を起こして配る。
フタを開けてみたら有名店のモノか、油や具がしみていないキレイな駅弁で、作り置いたモノでも品質は佳く華奢にも量はある。
先ずは米だがどうやったのかやたらフワフワで、艶もある割に型崩れもなければ、ピカピカに白い白米に糖質の甘味が利いている。
メンチカツも弁当用に小柄でありながら、食感も佳く肉と衣の旨香が冷めていても観えて、サッパリしながらも旨味アリ。
ポテトサラダもマヨネーズが僅かに載っていたが、ジャガイモの存在感や微かな旨味が広がる中に、グリーンピースとコーン。
マヨネーズの濃さに消えそうな野菜やコーンは、水分を適度に閉じ込めながら、独特な甘味も調和してマヨが程良いアクセント。
更に口直しの香物も少量ながら、数枚の桜色に染まった沢庵は厚みがあって、卵焼きも淡い黄色でいてやや半熟に固まっていた。
どれも食材のオーガニックな旨味が利いた、下味や仕込みも充実した駅売弁当、この奥行きある素材の旨味がわかるだろうか。
そして峰輿共用LINEアカウントに、『やっと講義が終わったからこれから現地に行きます!』と、真胡都も別便で後から合流か。
未成年の実瑠と優花は動画配信とゲームで徹夜、余計に作業量が増えた事や、宿題にすら追われて一睡もしていなかったのか。
そしてプラスワンの萌香は何時ものニャンニャンがいなくてソワソワしながら、代わりにスマホでニャンニャンズを観ていた。
一方の大人勢はそれぞれ俺を観たまま静かに、妖しくも甘い顔でずっと観たまま、外の景色は完全に視界から消えているのか。
通路側の俺に対して正面に脚を組んで構える奈津美さんは、二十代中盤にして中間管理職だけに、自信と妖し気な風格がある。
その隣にはいつ新調したのか分からないが、流石にメイドインリアルでは悪目立ちするか、シックにも甘い献身に馴染んでいる。
俺はそんな二人の甘い顔と艶のある視線や、向かいの席から爽やかな寝息のする三人、それに惑いながら俺は窓の外を観た。
ゆっくりと流れる田畑や快晴の青い空は、花見に最適な日和な陽世利が映えて、黄や緑にチラホラと桜の樹に見送られる。
途中の駅で長時間停車してアナウンスが入ると、奈津美さんは素早く人数分の駅弁を買ってきて、隣接三人を起こして配る。
フタを開けてみたら有名店のモノか、油や具がしみていないキレイな駅弁で、作り置いたモノでも品質は佳く華奢にも量はある。
先ずは米だがどうやったのかやたらフワフワで、艶もある割に型崩れもなければ、ピカピカに白い白米に糖質の甘味が利いている。
メンチカツも弁当用に小柄でありながら、食感も佳く肉と衣の旨香が冷めていても観えて、サッパリしながらも旨味アリ。
ポテトサラダもマヨネーズが僅かに載っていたが、ジャガイモの存在感や微かな旨味が広がる中に、グリーンピースとコーン。
マヨネーズの濃さに消えそうな野菜やコーンは、水分を適度に閉じ込めながら、独特な甘味も調和してマヨが程良いアクセント。
更に口直しの香物も少量ながら、数枚の桜色に染まった沢庵は厚みがあって、卵焼きも淡い黄色でいてやや半熟に固まっていた。
どれも食材のオーガニックな旨味が利いた、下味や仕込みも充実した駅売弁当、この奥行きある素材の旨味がわかるだろうか。
そして峰輿共用LINEアカウントに、『やっと講義が終わったからこれから現地に行きます!』と、真胡都も別便で後から合流か。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる