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 父さまはすぐに帰ってきた。

 「大丈夫かい!」

 勢いよく入ってきて俺を気遣ってくれた。

 「セディから知らせが来たんだが、会議が長引いてしまって動けなかった」

 「二人……お仕置き……」

 「二人をお仕置きしたのかい?」

 言いたいことをくみ取ってくれ俺は嬉しかった。

 大きくうなづくと父さまの顔が少し怖かった。

 「あいつら……手を出すなと言っておいたのに……」

 「ダメ……だった?」

 「お仕置きはいいんだよ。
 だた、二人は父さまとの約束を破ったからね。
 それなりの父さまからのお仕置きも考えておかないとね」

 父さまの顔は黒かった。

 かっこいいから余計に怖く見える。

 「ローズはどんなお仕置きしたの?」

 「触手……いき地獄……」

 「それは何とも面白いことしたね」

 父さまが食いついた。

 「他には植物で何ができるんだい」

 「巨大化して……捕縛する」

 「なるほど……それは戦地でも有効かい?」

 「大丈夫」

 「今、隣国は内戦問題で大変なんだ」

 「だから王子避難した」

 「そうだね、だいぶ声が流暢に出るようになったね」

 「うん、でも暗殺者が後を絶たない」

 「そうなんだよ」

 「おとといも一緒にいて暗殺者が何人か襲ってきただから返り討ちにした」

 「できれば捕縛してくれるとありがたいんだけど」

 「大丈夫です、皆牢屋にいれてカギかけてあるよ」

 「ありがとう、頼みたいのは隣国に行き制圧してきて欲しいんだ」

 「いいけど、その後はどうするの?」

 「大丈夫だよ、それは考えてあるからね」

 父さまはほくそ笑むと俺を抱き上げ部屋を出た。

 行先は王城の王子たちの所なのは何となくわかったが、なぜ父さまは俺を抱き上げて嬉しそうなのかは理解できないでいた。

 だた恥ずかしいのは確かだった。

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