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 休んだ分の仕事をすべてやり終えたのは復帰してから四日目のこと。

 五日目からは通常運行となった。

 その後、私に仕事を押し付けてきた子たちは二度としなくなり、その代わり私の代わりにジョシュア様の仕事を変わってもらうようになったのだ。

 そうすることで、少しはイライラが緩和されている、いる気がするだけかもしれないが……そうあってほしい。

 大体なんで私がそんなことまでしなきゃならないんだ!!!!!

 やはり、あれがいけなかったんだよな……

 思い起こすことあれはここに努め出して一週間目だった。

 執務室の掃除をしたくって入ったのが発端だった。

 あまりの汚さに書類の中身を確認しながら仕分けしたのがいけなかった。

 それ以来重宝がられているのだ。

 自分の仕事そっちのけでやらされている。

 トントン

 「今日の分の書類です」

 「ずいぶんと少ないな?」

 「ああ、それは……団長の所で止まっているんです。
 部屋中書類だらけで足の踏み場もないんですよ」

 笑いながらこちらをちらりちらりとみてくるのだ。

 「ジョシュア様こちらが急ぎの書類で、こちらが少し余裕がありますので、時間があるときにご確認ください」

 そういって私は通常業務に戻ろうとした。

 そのつもりだったのに!!!!!!!

 副団長に捕まったのだ。

 荷物を運ぶかのように担がれ、運ばれたのだ。

 ジョシュア様が何か言うよりも早く立ち去り、騎士団の執務室に向かっているのがわかった。

 騎士団と言ってもいくつにも分かれており、ここは第三騎士団だ。

 ちなみに家の父は騎士団を束ねる大元です。

 「副団長様、毎回いい加減にしてください!!!!」

 「悪いと思っているんだ、でも手に付けられないほど団長が変なんだ」

 「それ私に関係あります?」

 兄もそうだけど……なんで脳筋だらけなんだ!!!!

 「意味不明です。
 私が行ったところで団長様が書類整理してくれるとはわからないではないですか?」

 「それでもいてくれれば、少しは進むよ」

 そんな会話をしていると、あっという間に執務室についてしまった。

 「団長、進んでいますか?」

 副団長が中に入ると、そこには書類で埋め尽くされた部屋だった。

 「……なんでこんなに……」

 以前見兼ねて手伝ったことがあったが、その時以上にすごいのだ。

 「あの……今団長は恋煩いを起こしております」

 「恋煩いですか?」

 「そうなのです。
 その為書類に手が付けられず困っているのです」

 「? そうなんですね。
 それと私が何か関係があるのですか?」

 私は散らかっている書類を一枚一枚拾い上げ、整理していった。

 こんなところで油売っていたら、今日の仕事が終わらなくなっちゃう。

 ある程度終わらせると通常業務に戻っていった。

 それにしても何が言いたかったのでしょうか?

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