【完結】何故こうなったのでしょう？ きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者！！！

9 兄side

　俺には妹が二人いる。

　一人は美人な妹アイラと、アイラから比べたら見劣りするが何でも完璧にこなせる妹リイシャだ。

　アイラは母親の影響か、我儘で人を見下すような奴に育った。

　それとは真逆で、かわいくないと理由で別宅に押し込められ乳母に育ったリイシャだ。

　食べるものも乳母がいた時は良かったが、亡くなってからは一人で街に出てお金を稼いで、自立した生活を送っていたのだ。

　そんなお袋とアイラに嫌気がさし、騎士団に入団した。

　騎士団なら寮があり、希望者は皆は入れるからだ。

　お袋はぎゃんぎゃん言っていたが、そんな家にいるぐらいなら騎士団でもまれていた方がマシだ！！！！！

　そんな時、親父から信じられない話を聞かされた。

　リイシャが侍女として王宮に来ると言うのだ。

　俺的にはリイシャのことが心配だったので、近くに入れて気兼ねせずに話せるのは嬉しいが……あいつが一目惚れだと……信じられるか！！！！！

　リイシャを王宮に入れた理由が、アイラが王子に一目惚れしたからお近づきになるきっかけを作れと言うことらしいが、そんなの自分でやりやがれ！！！！！！

　あの時は親父が何故了承したのかわからなかったが、今ならこの選択に間違いはなかったと思っている。

　それにしても腹が立つのはアイラだ。

　自分では何も出来ないのに、リイシャを馬鹿にする態度、何様だと言ってしまいたいぐらいだ。

　王宮にきてよかったことがもう一つ、きちんとした食事を取れるようになったからか、ちょっとふっくらとしてきたような気がするのだ。

　リイシャはヒョロヒョロと背が高く、周りの女の子たちから比べたら頭一つ分大きいかった。

　背が高い上に痩せているから、見ているこっちが辛くなるぐらいだったが、ふっくらしてかわいくなっていく妹を見て、本当に嬉しかった。

　かわいくなっていくリイシャに、求婚者が殺到している現実を受け入れられないのか、アイラは物に当たり散らしていると聞いた。

　それにはお袋も困り果て親父に助けを求めたが、親父は無視している。

　親父はリイシャのことを乳母から聞いた時点でお袋を見捨てている。

　これ以上醜態をさらすようなら離縁も有りだよな、アイラも修道院に入れられるな。

　そうなれば一石二鳥だ。

　王妃様からも協力の打診が来ている。

　俺としてはすぐに飛びついたけどな、実妹とはいえ同じ実妹のリイシャから比べたら全然かわいくなく、不出来な妹だと思う。

　こんな妹ならいなくてもいいので、早く修道院に行ってくれることを願うよ。