2 / 14
1
しおりを挟む
僕は一体何を見せつけられているのだろう?
同じ顔で男か女かの違いで僕と妹の立場は逆転していた。
毎回僕は思うのだ、どうして生まれてきたのだろう。
シミジミこの家族を見て思ってしまった。
そんなこと思ったところで何も変わらないのは分かっていても思わずにはいられなかったのだ。
僕の隣では家族団欒で楽しそうに話す兄や妹の姿があり、それを楽しそうに頷きながら朗らかに笑う両親がいる。
でもその中に僕は含まれていない。
僕だってこの家の次男に生まれたのにと何度でも声を大にして言いたかったが、言えば鞭で打たれるのはまだいい方で、もっと酷い時はサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を加えられてきた。
骨にひびが入ったり折れたことは数知れず、そのたびに使用人の中に治癒魔法が使える子がいてその子が治してくれたのだ。
毎回治してもらうのは忍びないし逆らう気力もなくなってしまった。
黙々と食べ終わった食器を片付けていると妹のマリーが楽しそうに明日から通う学園の話をし始めたのだ。
「お父様、後一週間で殿下と同じ学校に通えるのが今から楽しみなんですのよ」
「マリーはかわいいからすぐに人気者なり、求婚者が殺到するな」
「お父様ったら、でもわたくしの本当に振り向いてもらいたい相手は既に婚約者がいるんですの、だからわたくしとてもつらいんです」
嘘泣きだとわかるのに両親や兄はそんなマリーに寄り添いあり得ないことを言っているのだ。
「ならその婚約者から奪ってしまえばいいんじゃ」
「まーそれはいい考えね!」
「ならさっそく私がそいつにマリーを売り込むか」
はっきり言ってこいつら屑だ。
婚約者がいると言うことは家同士のつながりを強固の物にするために本人たちの気持ちは関係なくおこなうものなのに、そんなのがばれたら罰則金を払わされるのはこっちだ。
そんなことを思いながらも、バカみたいな芝居はまだまだ続くのだ。
はっきり言ってアホらしいとしか言いようがない。
使用人たちも毎度のことでそのくらいでは驚かないし、皆スルーしている。うちの使用人は完璧だ。
僕はテーブルの上を片付け汚れ物をキッチンに持っていき洗う。
それが僕の日常で、毎日食事の時間になると僕に給仕のまね事をさせるののだ。
僕のことを無教養と思っている人たちだから僕に家族団欒を見せつけ更なる絶望を与えているつもりなのかもしれないと家庭教師の先生は言っていた。
僕は無教養ではない、勉強もマナーもすべて兄妹の所に来た家庭教師が休憩中に教えてもらったり、執事や使用人たちに教わった。
剣術の稽古も執事によってそこそこのレベルまで達しているのでこの家を追い出されても冒険者としてやっていけるだけの知識はある。
僕は家族には恵まれなかったけど周りの人間関係には本当に恵まれたと思っているので今は悲観に思ったりはしなかった。
でも僕の考えも及ばないことがこの後起こったのだ。
絶対あり得ないし、そんなことあってはいけないとさえ思う。
同じ顔で男か女かの違いで僕と妹の立場は逆転していた。
毎回僕は思うのだ、どうして生まれてきたのだろう。
シミジミこの家族を見て思ってしまった。
そんなこと思ったところで何も変わらないのは分かっていても思わずにはいられなかったのだ。
僕の隣では家族団欒で楽しそうに話す兄や妹の姿があり、それを楽しそうに頷きながら朗らかに笑う両親がいる。
でもその中に僕は含まれていない。
僕だってこの家の次男に生まれたのにと何度でも声を大にして言いたかったが、言えば鞭で打たれるのはまだいい方で、もっと酷い時はサンドバッグのように殴る蹴るの暴行を加えられてきた。
骨にひびが入ったり折れたことは数知れず、そのたびに使用人の中に治癒魔法が使える子がいてその子が治してくれたのだ。
毎回治してもらうのは忍びないし逆らう気力もなくなってしまった。
黙々と食べ終わった食器を片付けていると妹のマリーが楽しそうに明日から通う学園の話をし始めたのだ。
「お父様、後一週間で殿下と同じ学校に通えるのが今から楽しみなんですのよ」
「マリーはかわいいからすぐに人気者なり、求婚者が殺到するな」
「お父様ったら、でもわたくしの本当に振り向いてもらいたい相手は既に婚約者がいるんですの、だからわたくしとてもつらいんです」
嘘泣きだとわかるのに両親や兄はそんなマリーに寄り添いあり得ないことを言っているのだ。
「ならその婚約者から奪ってしまえばいいんじゃ」
「まーそれはいい考えね!」
「ならさっそく私がそいつにマリーを売り込むか」
はっきり言ってこいつら屑だ。
婚約者がいると言うことは家同士のつながりを強固の物にするために本人たちの気持ちは関係なくおこなうものなのに、そんなのがばれたら罰則金を払わされるのはこっちだ。
そんなことを思いながらも、バカみたいな芝居はまだまだ続くのだ。
はっきり言ってアホらしいとしか言いようがない。
使用人たちも毎度のことでそのくらいでは驚かないし、皆スルーしている。うちの使用人は完璧だ。
僕はテーブルの上を片付け汚れ物をキッチンに持っていき洗う。
それが僕の日常で、毎日食事の時間になると僕に給仕のまね事をさせるののだ。
僕のことを無教養と思っている人たちだから僕に家族団欒を見せつけ更なる絶望を与えているつもりなのかもしれないと家庭教師の先生は言っていた。
僕は無教養ではない、勉強もマナーもすべて兄妹の所に来た家庭教師が休憩中に教えてもらったり、執事や使用人たちに教わった。
剣術の稽古も執事によってそこそこのレベルまで達しているのでこの家を追い出されても冒険者としてやっていけるだけの知識はある。
僕は家族には恵まれなかったけど周りの人間関係には本当に恵まれたと思っているので今は悲観に思ったりはしなかった。
でも僕の考えも及ばないことがこの後起こったのだ。
絶対あり得ないし、そんなことあってはいけないとさえ思う。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
457
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる