称号は神を土下座させた男。

春志乃

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本編 2

第三十一話 護衛騎士たちの朝

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「じゃあ、行って来るね」

 そう告げて、イチロが最後に馬車に乗り込み、ドアの鍵をかけた。

「ポチ、頼みましたよ」

 リックがそう声をかけると「ギャウ」と鳴いて頷いた黒いドラゴンは、みるまに大きくなって馬車を大事そうに抱えた。
 馬車の中には、イチロとティナ、カイトとエドワードにジークフリートと二人の護衛騎士とアゼルとクイリーンが乗っている。他に各々の馬たちとロボ親子も一緒だ。
アゼルは、シケット村のことでは頼りになるし、料理もできるし何より気が利くのでイチロが連れて行きたいと言ったのだ。ちなみにティナは、ギルマスのアンナに「あらぁじゃあ、ついでにエルフ族の里周辺の冒険者ギルドのあれこれお願いねぇ」と仕事を任されつつ、今回の旅に同行する。まあ、任されなくてもイチロが周囲を言いくるめて連れて行ったと思うが。
クイリーンは、冒険者ギルドの仕事量が多かったので受付嬢の先輩としてティナと仕事をこなすためと、久々に実家に顔を見せに行こー!という軽いあれで着いて来た。最後に会ったのが五十年前にご両親がブランレトゥに来た時以来で、実に百年ぶりの里への帰省だそうだ。

「ぎゃうぎゃーう」

 軽やかに鳴いて、真っ黒なドラゴンが翼を広げて、まだ朝焼けの広がる空へと旅立って行った。
 大きな翼で力強く風を捉えたポチはあっという間に見えなくなった。

「さあ、皆さんも中へ戻りましょう」

 ポーチにいたジョシュアとプリシラ、それにウィルフレッドとレベリオ、そしてアマーリアと侍女のリリー、二人の護衛騎士に声をかける。
 
「アマーリア様、戻りましょう?」

 プリシラが、しょんぼりと落ち込むアマーリアに声をかける。

「……ええ、そうですね……」

 ジークフリートと彼女も三週間ぶりの再会を果たしたわけだが、リックの主と違ってヘタレ疑惑のあるジークフリートは、心配して気遣う妻に「もうしばらくここで過ごせ」としか言わなかった。「大丈夫か」とか、「すまない」とか、「帰って来たら話し合おう」とか何かしらもっと他の言葉があったのでは、とリックですら思った。
短気なマヒロがここにいたらジークフリートは蹴り飛ばされて、強制土下座だったかもしれない。彼がベッドの上で本当に良かった。

「大丈夫よ、領主様はお忙しいだけに違いないわ」

 プリシラに励まされながらアマーリアが屋敷へ戻って行く。侍女と護衛騎士たちに非難の目を向けられた弟のウィルフレッドと乳兄弟のレベリオが申し訳なさそうな顔をしている。

「領主様にも困ったものだな」

 ジョシュアが女性陣が屋敷の中に入った後、眉を下げる。

「あちらで、マヒロさんにあれこれ相談したかったようですが、何分、あの怪我だったので」

「兄上もなぁ、本当になぁ……はぁ」

 ウィルフレッドがため息を零す。レベリオは自分も揉めている真っ最中なので、バツの悪そうな顔をしている。

「まあ、兄上のことは後々考えるとして、マヒロの容態は?」

「怪我が怪我ですから、熱が上がったり、下がったりしていますが、もう吐血や心停止などの重篤な状態に陥ることはないだろうとナルキーサス殿が。ただ、相手が伝説種の魔獣なので、これからどのよう影響があるかはまだ分からなないと……とはいえ、奥様が傍につきっきりでいて下さるので、マヒロさん本人はご機嫌でお元気ですが」

「そうか。心停止にまで陥ったと聞いた時は、肝が冷えたよ」

「あの時ばかりは私も……。ですがエディが『団長から聞いたんです』と信ぴょう性のありそうなことを前置きして、『ミアとレオンハルト様が婚約する運びになってました』と言ったら、エディの頭を左手でカチ割ろうとしながら起きたんですよ」

「嘘だろ」

 ウィルフレッドとジョシュアが、驚愕の表情を浮かべている。
 だが、ジョシュアはすぐにけらけらと笑いだす。

「でも、マヒロらしいっちゃ、マヒロらしいか!」

「え……まってくれ、それ……俺と兄上の首は大丈夫か?」

 対照的に蒼い顔になってしまったウィルフレッドに「大丈夫ですよ」とリックは慌てて頷く。

「ナルキーサス殿が、嘘だと言ってくれたそうですし……あの時のマヒロさんが、冷静に物事を受けとめていたとは思えませんから」

 リックはマヒロをこの世に繋ぎとめるためとはいえ「ミアの嫁入りを防ぐには領主交代が最善の策」と自分が言ったことは黙っていようと思った。不要なことを言わないのも騎士の美徳だ。

「そうだ。団長、ミソシィルを召し上がっていきませんか?」

 こういう時は話題を変えるに限る。

「ミソシィル? ……ああ、サヴィラが言ってた夫人が本物かどうか確かめる時に出て来た言葉だな。食べ物なのか?」

「ええ。スープです。なんでもマヒロさんたちの故郷の代表的な料理だそうで、奥様が作って下さるんです。私も昨日の朝、初めて頂いたのですがそれがすごく美味しくて、ほっとする味なんですよ。何より胃に優しいので、サヴィラが団長さんに飲ませてあげたいと」

 ウィルフレッドが両手で顔を覆った。感動に打ち震えるその背をレベリオが撫でている。

「こ、この間の夜も、サヴィラは私の胃と心を気遣って、ココアを淹れてくれたんだ……っ。ぐすっ、世界一やさしい味がした……っ」

 ウィルフレッドが逞しい肩を震わせている。彼の胃痛と心労の主な原因がマヒロなので、リックは何も言えない。それでなくとも規格外なのにドラゴンを従魔にして帰って来たことが、申し訳なく思えてきたが、リックには止められなかったし、止めたところで、マヒロが言うことを聞いてくれるわけもなかった。

「さあ、ウィルフレッド。サヴィラくんの優しさを受け取って、それから団に帰って仕事をしましょう」

 レベリオに促されてウィルフレッドが屋敷の中に入っていく。

「規格外の神父が規格外のことばっかりするし、兄夫婦も事務官夫婦も離婚危機だし、辺境伯家の掃除は忙しいし……なんか、可哀想だな」

 ジョシュアがしみじみ呟いたひとことにもリックはやっぱり何も言えなかった。
 ジョシュアが先に屋敷へ入り、リックもそれに続く。まだ夜が明けたばかりで、屋敷の中は静かだ。ジョシュアは、妻たちを手伝いに行く、と厨房のほうへ歩いて行き、リックは主の様子を見るために階段へ足を向けた。
 なんとなく自分の脚に目を向ける。寝ている間に全てが終わってしまっていたので、リックは今一つ自分の脚が折れていたという事実は、実感しにくかった。

「あ、リック。おはよう」

「おはよ! リックくん!」

 顔を上げればサヴィラとジョンが治療室から出て来た。治療室の前で寝ていたテディが「ぐー」と鳴きながら顔を上げる。

「おはよう、サヴィラ、ジョン。もう起きたの?」

 サヴィラたちは、アルトゥロに頼まれた通り(あの後、ナルキーサスにも同じことを頼まれた)、マヒロのベッドの横にベッドを置いてそこで寝起きしているのだ。ジョンとリースも監視は多ければ多いほどいい、と動員されている。

「ドラゴン、大きくなるところ見たくて、ジョンと起きたんだ。窓から見てたけど、すごいね。本当に大きくなった」

「ばって! ばって翼が動いたよ!」

 少し興奮した様子でサヴィラとジョンがキラキラと目を輝かせていた。
 なるほど、とリックは笑う。彼らの年代なら、ドラゴンに憧れるのも頷ける。リックだって子どものころは、小説の中でしか登場しないポチのようなドラゴンに憧れていたものだ。それに戦闘時はそれどころじゃなかったが、こうして落ち着けば、やっぱり格好いいなと思う。

「本来の姿は、この屋敷くらいあるからね。魔法攻撃が全然効かないし、剣は刃こぼれ……そうだ、刃こぼれ……ジルコン殿のところにもっていかないとな」

 忙しくて行く予定が立たないが、リックが持っている中で一番良い剣はジルコンのお店で買ったものだ。まだジルコン作のものは実力的にも経済的にも持てないが、彼の弟子の中でも優秀な人が打ってくれたものだった。三級騎士に昇格した際、盗賊討伐の褒賞を多めにもらったので、それでエドワードと共に奮発した、大事な剣だった。

「刃こぼれしちゃったの?」

「ああ。ポチの鱗、すごく固いんだよ。……ジルコン殿作のマヒロさんの刀も刃こぼれしてるし、イチロさんの弓は折れちゃったんだよ、ばっきりと」

 サヴィラが「嘘、本当に?」と目を見開き、ジョンまで「うそー」と目を丸くしている。子どもでも知っているくらい、ジルコンの作る武器というのは、精度も高く頑丈で素晴らしいものなのだ。

「でも今は忙しくて、お店に行く時間が……とりあえず当面は予備の剣で頑張るよ」

「ねえ、大事な剣だろうからリックが嫌じゃなければだけど、俺がジルコンのところに持っていこうか?」

 思わぬ提案にリックは首をかしげる。

「助かるけど、いいのかい?」

「うん。父様の面倒は母様が見てくれるし、ミアも父様にべったりだしね。それに俺も一度、ジルコンの武器屋、行ってみたいんだ」

 サヴィラが表情を明るくする。ウィルフレッドではないが、サヴィラが良い子で泣きたくなってくる。マヒロの息子だなんて思えないくらい、良識と常識のあるいい子だ。

「ね、僕も一緒に行って良い? 僕行ったことあるから案内するよ! ジルじいちゃんとは仲良しだし!」

「じゃあ、二人にお願いできるかな? 実は、エディのも預かってるんだ。ついでに出しといてくれって。あいつの分も頼むよ」

 リックはアイテムボックスから取り出した剣を二本、サヴィラに渡す。
 サヴィラは一本、一本丁寧に受け取って、自分のアイテムボックスにしまった。

「これってお金は先払い? 後払い?」

「私は騎士で身元がしっかりしているから、全額後払いで大丈夫だよ。冒険者とかは見積もってもらって、四割先払いだけどね。……はぁ、いくらかかるかなぁ」

 二級に上がって護衛騎士にもなって、給料が格段に上がったとはいえ、やはり剣の修繕はとてもお金がかかるのだ。しかも今回はかなりボロボロなので、相当の費用がかかるだろう。

「あんまりかからないといいね。でもさ、騎士の身分を騙って料金を踏み倒す奴とかいないの?」

 サヴィラが首をかしげる。

「もちろんいるよ。だから身分証である騎士カードを提示して、店側が騎士団に問い合わせる必要があるんだ。問い合わせれば一発でバレるからね。とはいえジルコン殿とは顔見知りだし、同じく顔見知りのサヴィラが届けに行ってくれるから大丈夫」

「ならいいけど。悪いことを考える奴はどこにでもいるね。……じゃあ、朝ごはん食べたら行って来るよ」

「ああ。頼むよ。でも必ずマヒロさんに行先は告げてから出かけるように。あの体で探しにいかれたら、困るから。ジョンもご両親にちゃんと言うんだよ?」

「はーい!」

「分かってる。じゃあ、俺たち、朝ご飯の仕度の伝いに行って来るね。あ、父様、もう起きてるよ。母様が朝ご飯の仕度に行っちゃったから」

 そう言ってサヴィラとジョンが手を振り去っていく。
 テディがのしのしとその後に着いて行くのも見送って、リックは一声かけて中に入る。

「失礼します」

「ああ、おはよう」

 マヒロはベッドの上でクッションを背に座り、本を読んでいた。

「まだ読書の許可は下りていないはずですが?」

 リックはさっさとその本を没収する。
 マヒロが不満げに顔をしかめた。

「……いいじゃないか、子どもたちも寝てるし、本を読むくらい。人生でこんなに暇したことはないぞ」

「自業自得です」

 リックはきっぱりと言い切った。マヒロが眉を寄せるが駄目なもの駄目なのである。
 双子の片割れとミアがまだ隣のベッドで寝ていて、双子のもう一人はマヒロの傍で丸くなって眠っていた。正直、リックには目を瞑られると、どっちがどっちかは分からない。
 だが、その幼い目元が赤くはれているのに気づいた。

「……真咲だ。怖い夢をみたらしい」

 リックの視線に気づいたマヒロはそう言いながら、弟の髪を優しく、あやすように撫でた。
 前からマヒロが実の両親とうまくいっていなかったのは聞いている。マヒロがいなくなった後、弟たちが父親――マコトというらしい――となにかあったということだけはなんとなく察したが、詳しいことは知らない。
 だが、マヒロに縋って泣いていた姿は彼らの心に付けられた大きな傷が、まだ痛みを訴えているのだとリックにすら伝わって来た。

「リック、可能なら報告書の作成を手伝ってくれ。魔法を使っても怒られるし、手を動かしても怒られそうだから、代筆を頼む」

「ですが」

「俺はベッドから起きる許可が出次第、グラウに療養へ行く」
 
 思いがけない言葉に目を瞬かせる。

「温泉が湧いているのだろう? 今の俺にはぴったりだと思わんか。キースにも話してあるし、同行してくれるそうだ」

「それはそうですが……」

 また団長の胃が被害を受けそうだな、と思うも、今のマヒロには確かに完璧に職務を離れて、療養する時間が必要なのは間違いなかった。

「報告書の作成は、一応、ナルキーサス殿に話しを通してからにしましょう。さもなくばベッドに縛り付けられますよ」

「……ああ」

 さすがに反対はしなかったところをみるに、ナルキーサスの怒りをこれ以上買うのは得策ではないと、ようやく学習してくれたようだった。
 帰って来たばかりで、大方の治療は終えているが、魔獣につけられた魔法傷は治りにくい。相変わらず包帯まみれで、顔半分も覆われている。だが、半分だけ見える顔は、あの時に比べれば血色もよく、彼が生きているのを実感できる。

「……マヒロさん。私、もっと強くなります」

 突然の宣言にマサキの髪を撫でていたマヒロが僅かに顔を上げた。

「貴方に、これほどの怪我をさせてしまったことは、護衛騎士として非常に恥ずべきことです。ですから、もっと……もっと強くなって貴方を護ります」

 イチロの光の矢がドラゴンを貫いた瞬間で、リックの記憶は途切れている。
マヒロによれば、正常に戻るも、怒り狂ったポチの尻尾による攻撃でエドワードもろとも吹っ飛んだらしいが、その辺の記憶はリックにはない。次に目覚めた時には、救護所の中で、すぐ近くでナルキーサスが指示を飛ばし、マヒロを治療する声が耳に飛び込んできた。先にイチロが目覚めていたので、リックは怪我をしていたという記憶さえもない。
 結局、その後も丸二日も眠りこけて、リックは怪我に苦しむマヒロを見ていることしかできなかった。
 この怪我は、彼の護衛騎士であるリックが盾となり引き受けるべき怪我だったはずだ。それをマヒロが請け負い、心肺停止まで追い込んでしまった。
アゼルとレベリオが必死に彼の心臓を再起させようとしていた、あの時、魔力切れを起こしたイチロを支えていたが、そうしていなければリックは立っていられなかった。あの時、リックの心を占めていたものは暗闇の中で感じる絶望にそっくりだった。

「……だったら、そうだな。園田にまずは勝てるようにならんとな」

 マヒロがふっと目を伏せた。

「ソノダ……?」

「充だ。うちの執事だ。園田は……ニックネームみたいなものだな。俺はそうとしか呼ばないと決めているんでな」

「はぁ……でも彼はただの執事では? いえ、気配を消すのがお上手ですし、なんとなく強いのは分かりますが」

「こう見えて、私、雪乃様と双子様の護衛を仰せつかっておりまして」

 突如、背後を取られて叫びそうになった口をなんとか両手で塞いで勢いよく振り返る。
 にこにこと笑うミツルが、すでにきっちりとした執事姿で立っていた。彼の隣にはワゴンが控えている。

「おはようございます、真尋様、リック様」

「くくっ、おはよう」

 マヒロは気づいていたのだろう。喉を鳴らして笑いながら、ミツルが差し出した湯気が立つ濡れタオルを受け取り、顔を拭き始めた。ミツルは、てきぱきと今のマヒロができる最低限の身支度を整えるのを手伝っている。
 リックは、またも背後を取られたことに唇を噛む。彼は執事だと言うのに、騎士である自分がなんという体たらくだろうか。

「まあ、そう自分を責めるな。これは俺が面倒を見て六年は経つ。俺が傍に居られない時、雪乃たちを護れるようにと指導したから今はまだお前より実力が上なのは当たり前だ」

 頬にかかる髪を耳に掛けながらマヒロが言った。

「だが、リックなら必ずこれより強くなれる」

「そう、でしょうか……」

「俺が言うんだから間違いないだろう。なあ、園田」

「はい。真尋様の人を見る目は確かでございますから」

 そう言ってミツルは頷いた。
 悔しい。それは間違いない。彼はマヒロから、間違いなく全幅の信頼を寄せられている。この屋敷の管理を任されたこと、そして何よりも大切なユキノの護衛を任されていることもその証拠だ。
 だが、確かにマヒロの言う通り、リックはまだ出会って半年も経ってない。六年以上の付き合いだという彼とは、基礎からして違うのはきちんと理解して、受け止めなければならない。

「でしたら、あの、ミツルさん……私にご指導いただけますでしょうか?」

 リックは思い切ってミツルに請うた。
 ミツルは、たれ目をぱちりと丸くして、主人を振り返った。マヒロは、白湯を飲みながら「お前の好きにしていいぞ」と言った。
その答えに、ミツルはうーんと唸った後、ゆっくりと口を開いた。

「私はまだこちらに来たばかりですし、当家の使用人は私しかおりませんので仕事が山積みでして」

「そ、そうですよね。申し訳ない、ミツルさんの都合を考えず」

「いえ、鍛錬は必要なことだと私も思っております。聞けば、毎朝、お庭で鍛錬をされていたとか」

「はい。休日と雨の日以外は。今はまだ私もナルキーサス殿から許可が出ていないのでお休みですが」

「でしたら、そこで週に一度か二度ほど、お相手をして頂いてもよろしいですか?」

 おっとりとミツルが微笑んだ。思いがけない提案にリックは顔を上げる。

「い、いいんですか?」

「はい。もちろんでございます。実はカロリーナ小隊長様に月に一度、本部での第二小隊の訓練に参加するようにと頼まれまして、真尋様にご相談しようと思っていたのです」

「そうなのか?」

 初耳だったのだろう。真尋が執事を見上げる。

「ええ。真尋様が不在の折、身の潔白を証明するために手の内を晒せとカロリーナ小隊長様にカイト様とともに鍛錬に誘われまして、小隊長殿やレイ殿とも勝負をさせていただきました。やはり雪乃様と双子様、そして、ミアお嬢様とサヴィラ坊ちゃまを護るには、日々の鍛錬は欠かせませんので、ご相談をと」

 あの戦闘狂の上司のことだから、もっともらしい理由をつけて、ただただミツルやカイトと戦いたかっただけに違いなかった。

「無理をしない程度で好きにすればいい」

「ありがとうございます。でしたら月に一度は本部で、それ以外はリック様、週に一度か二度、お庭で、ということでよろしいでしょうか?」

「は、はい! もちろんです。ありがとうございます」

「では、そのように。……雪乃様が呼んでいるので、私はこれで失礼いたします」

犬耳をぴくぴくと動かすとミツルはワゴンを押しながら颯爽と去っていく。
こうして改めて観察すると足の運びやそのしぐさを見れば、彼の強さがうかがえる。ただワゴンを押して去るだけなのに、隙がないのだ。後ろから切りかかっても、呆気なくいなされてしまうだろう。
一般家庭でも財布に余裕があれば、メイドを雇うことはある。料理をしたり、掃除をしたり家事をこなしてくれるのだ。町の女性の主な仕事の一つとも言える。
だが、執事というのは元々数が少なく、担う役目がメイドとは異なって来るため、上級使用人に分類される。
執事は とても貴重な人材だ。執事に必要なのは、知性、品格、そして、整った容姿だそうだ。主人にとって彼らはその身に身に着ける最高級品として分類される。とくに優秀な男性の上級使用人は、それに見合った給金を払える上流階級の人間しか雇えない。
だからこそ、ミツルのような見目もよく、使用人として気も利いて、仕事ぶりも素晴らしく、その上、護衛までできるような執事がいるなんて、マヒロの謎がますます深まるばかりだ。
商業ギルドもその人材の発掘に忙しいが、大概、こういう人間は貴族の屋敷で代々執事として仕えている家系の者がほとんどで、その発掘は非常に困難だと聞いたことがあった。

「ミツルさんは……商業ギルドからのご紹介ですか? それとも代々、マヒロさんの家にお仕えしている家系、とか……」

「いや、あれは俺が拾った」

「え? 拾った?」

 思わぬ返答にリックは目を丸くする。

「行き付けの店の奥さんにどうかと聞かれて様子を見れば、なかなか良さそうだったので、拾った。丁度その時、家に使用人が、とくに将来的なことを考えて執事が欲しくてな。それでまあ、あれこれ手を加えたら思いのほか育ったというわけだな」

「は、はぁ」

 なんとも間抜けな返事になってしまったが、そんなお貴族様みたいな思考はリックにはないので、許してほしい。
 
「……やっぱりマヒロさん、貴族なのでは……」

「どうだかな」

「え」

「くくっ、冗談だ」

「マヒロさん!」

 小声で怒るリックにマヒロは、可笑しそうに笑った。
 からかわれたことに腹を立てるも、こうして何気ないやりとりと再び交わせていることが、なんだかとても嬉しくて目頭が熱くなる。

「も、もう、私も仕度の手伝いに行きますから、大人しくしていてくださいね!」

 リックは怒ったようにそう告げて、マヒロに背を向けて歩き出す。
 ドアに手を掛けたところで「リック」と呼ばれて足を止めた。

「俺は、死なんさ。雪乃や子どもたち……お前を泣かすわけにもいかんからな」

「……でしたら、治癒術師の言うことはきちんと聞いて下さい。失礼します」

 ぶっきらぼうに告げてリックは部屋を出る。そのままの勢いで、隣の空き部屋に飛び込んだ。
 ずるずるとその場に座りこみ、ぐしゃぐしゃと髪を掻く。両目から勝手に流れ出るそれが、鬱陶しくも止められず、唇を噛む。

「……よかった……っ。ほんとうに……いきてる、よかった……っ」

 マヒロが生きていて、また軽口を交わせたことが、こんなにも喜ばしいなんて、こんなにも安心するなんて思いもしなかった。
 なんとか涙を止めようとリックは袖で涙をぬぐった。だが、憎たらしいことになかなか止まらない。

「目はこすらんほうがいいぞ。傷付くと厄介だからな。ほれ、ハンカチだ」

「す、すみま……せ? ん!?」

 差し出されたハンカチを受け取り、リックは勢いよく顔を上げた。
 そこにはまだ寝間着姿のナルキーサスが立っていて、そういえば隣の空き部屋は今は彼女が寝泊まりしているんだと、今更気づいて慌てて立ち上がる。

「も、もも、もうしわけありませんっ! じょ、じょせいのしんしつに……!!」

「今起きたところだし、別に構わん。今日のマヒロは元気そうか」

「は、はい、元気でした! ……本当に申し訳ありませんっ! あの、すぐ、すぐに出て……!」

「まあ、待て。いいものをやろう」

 そう言ってナルキーサスは、リックの手の中にあったハンカチに手を翳し、呪文を唱えた。するとたちまちハンカチは濡れて、ひんやりと冷たくなる。

「目元を冷やしておくといい」

「あり、ありがとうございます……」

 ふっと笑ったナルキーサスは、欠伸を零しぐっと伸びをした。そして、ぽんぽんと子どもにするようにリックの頭を撫でた。いや、百歳以上年上の彼女からすれば二十年ぽっちしか生きていないリックは子どもみたいなものかもしれないが。

「大事な人が生きている喜びは、いつだって最上級の贅沢だ。大事にするといい」

 治癒術師である彼女の言葉は、重く美しくリックに響いた。
 冷えたハンカチを目元に充てる。

「……はい」

「素直でよろしい。ところでリック」

「はい」

 ふっと改まったナルキーサスに顔を上げる。

「この部屋は、誰か使っているのか?」

「いえ、誰も」

「今後、子どもたちが使う予定は?」

「ミアもサヴィも自分の部屋は別にありますし、マサキくんとマチくんはサヴィラの隣の部屋をもらうと言っていましたので……奥様はマヒロさんと同じく主寝室を使うかと」

「ふむ。そうか……マヒロの状態からしてしばらく借りることになりそうだからな。ありがとう。さて、私は朝風呂でももらうかな」

 その言葉にリックは、慌てて深々と頭を下げる。

「本当に、本当に申し訳ありませんでした! 失礼いたします!」

「ははっ、転ぶなよ」

 ナルキーサスの軽やかな笑い声に送り出されるようにして、リックは部屋を飛び出した。
 なんという失態だ、とハンカチで目元を冷やしながらため息を吐く。少し自分の部屋で休んでから、朝食の手伝いに行こう。誰にも会いませんようにと願いながら、リックは自分の部屋へと急ぐのだった。











「一路が、冷たい……っ、ぐすんっ」

 リビングのソファで長い脚を抱えて嘆くカイトに、エドワードは言葉を探すが、実際に珍しくイチロが冷たいので何と言っていいか分からなかった。
 朝食を食べ終えた後、イチロはティナとともにさっさと部屋に行ってしまい、ついていくも締め出されたカイトはここでこうして膝を抱えているのである。
 ジークフリートと護衛騎士のオーランドとホレスは部屋で持参した領主の仕事をしているし、クイリーンは朝早かったから寝る、と言って寝た。アゼルはドラゴンがちゃんと目的地に向かっているかの確認を別室でしているので、ここにはエドワードとカイトしかいなかった。誰よりも年上なのでクイリーンの自由さを咎める者は、この馬車にはいない。
 イチロの兄だというカイトは、見た目は全く持って似ていない。まずデカイ。イチロはあんなに小さくて童顔なのに、カイトはエドワードたちと同い年の青年に見える。
 だが、なんとなくふとした時の仕草や表情はよく似ている。

「えーっと、お茶でも飲むか?」

「……うん」

 しょぼくれた返事が返って来たので、エドワードはキッチンで紅茶の仕度をする。イチロに教わっているおかげで、格段に腕は上がったが、まだまだイチロの淹れる紅茶には遠く及ばない。
 紅茶の仕度をして、カイトの下に戻る。お茶菓子はイチロの管理下に全てあるので、エドワードでは用意できないので、本当に紅茶だけである。

「どうぞ」

「ありがと」

 律儀にお礼を言って、カイトが抱えていた脚をおろして、カップを手に取った。優雅に口に運ぶ姿も似ているかもしれない。
 なんというかマヒロとイチロもそうだが、この規格外の人たちは、皆、育ちがいいのを見ているとひしひしと感じるのだ。毎日元気よく野山を駆けまわり、父や兄とともに畑を手伝い、兄たち相手に剣術や魔法の訓練をして育ったエドワードと違い、品のいい上流家庭で育ったのだろうと思わせる所作なのだ。なんで貴族じゃないんだろうと常々疑問だ。

「イチロはティナ、ティナ、ティナでティナばっかりだ……ティナはとても可愛いけど!」

「恋人になってからはずっとあんなんだよ」

「生き別れのお兄ちゃんに会えたってのに……っ!」

 カップを置いて、カイトが頭を抱える。
 そう言われても、エドワードだって予想外だったのだ。
 イチロは基本的には温厚だ。彼の大事な人(特にティナ)に害でもない限り、マヒロとロビン以外に怒っている姿だって見たことがない。
 それがなんだかずっと、つんけんしているのである。もう二十歳になる兄弟だから、そこまでべたべたすることはないだろうが、なんだかイチロがカイトに対して冷たいのだ。

「ま、俺のイチロは優しいから、仕方ないんだけどね」

 けろっと表情を変えて、カイトはどこからともなくスティック状のおやつを取り出した。
 それはボヴィーニの肉を棒状に加工した干し肉のようなものだが、白い包み紙に赤いラインが三本も入っていることに気付いて、エドワードは頬を引き攣らせる。

「お、おい、それ……フリーク・ペッパー肉店の激辛サラミ……」

「ああ、これ? 辛くて美味しいよね。俺が辛い物が好きだって言ったら孤児院にいた冒険者のクリフくんが教えてくれて、お遣いを頼んだんだよ。辛過ぎて大人しか買えないんだってね。あ、普通のとかチーズ入りのやつは、子どもたちが喜んでたよ」

 もぐもぐとカイトは甘いお菓子でも食べるかのように、平然と食べているがそれは辛すぎて一時、問題になった食べ物だ。
 フリーク・ペッパー肉店は市場通りの端っこにある、おもにハムやソーセージといった加工品を取り扱う肉の店で、どれもこれも美味しいと有名なお店だ。そこのサラミは酒の肴にうってつけで、エドワードも何度も食べたことがあるし、そこのソーセージはよく朝食の席にも登場する。
 だが、包装紙に赤い線が三本はいった、この激辛サラミだけは別だ。
 エドワードのアホな同僚は、あれにチャレンジした結果、三日、トイレとお友だちだったし、尻と胃を痛めて治療院の世話になっていた。仕事に支障を来たしたため「そんな馬鹿なものを食うな!!」とカロリーナ小隊長にも怒られていた。
 結果、そのアホな同僚みたいなやつらが若者を中心に町で大勢出たため、治療院から危険だとして販売中止が申し立てられた。だが一部の熱狂的な支持者により販売中止だけはと懇願され、商業ギルドから条件を出されて販売されている代物だった。
 それをカイトは平然と食べている。大事なことなので二度言う。

「そんな辛いの食べて胃腸は平気なのか?」

「? そうだね、今まで、辛いものでお腹を壊したことはないかな……?」

 その強さ、ウィルフレッドにわけてあげてほしい、と万年胃痛と戦っている上司を思い浮かべてエドワードは思ってしまった。
 カイトはもぐもぐと美味しそうに食べていたが、食べるかと聞いて来たので丁重にお断りした。

「イチロ、カイトの話も色々してくれていたから、もっと喜ぶかと思ってたんだがなぁ……」

 ぽつりとエドワードが零した言葉に、二本目の包み紙を破っていたカイトが顔を上げた。

「だから、言ったでしょ。一路は優しいから仕方ないんだって」

 苦笑を零して、カイトは止まっていた手を動かす。

「真尋の家とか雪乃の家とかと違って、うちは普通に仲良し親子だったしさ。俺が父さんと母さんを置いてきちゃったことが、あの子は許せないんだよ」

「マヒロさんちはともかく、奥様の家も仲悪いのか?」

「んー、悪くはないよ。ご両親は雪乃のことをちゃんと愛していたしね。ただ、雪乃は体が弱かったから、生まれた時から命の期限を治癒術師にずっと決められてたんだ。一歳まで、三歳まで、五歳まで、大人にはなれませんみたいなね」

「そんなに、悪かったのか?」

 エドワードは出立の準備に忙しかったので、少し挨拶をしただけだったが、そこまで具合が悪そうには見えなかった。

「今はもう大丈夫だよ。彼女の体に合ったお薬に出会えて、なんとかね。でもなんというか、雪乃の両親は――とくにお母さんは、雪乃をずっと諦めてたんだよね。長生きできない、普通に生きられない、可哀想な子って。でもそうすることで、なんとか自分の心を護って、雪乃を愛していたのかも。まあ、雪乃はああ見えて強い人だから両親が何を想っていようと関係なく、根性据えて生きてたけど……でもあっちを発つにあたって、両親が自分を諦めていることを前提で生きてきた雪乃に、両親への未練はなかったよ」

「なるほど、なんだかそれも寂しいな」

 エドワードの言葉にカイトは苦く笑って、紅茶を飲んだ。
 これはエドワードの想像でしかないが、ユキノの母や父は娘を愛していたんだろう。でも、愛していたからこそ、いつか喪う悲しみを受けとめるために、娘が先に死んでしまうだろう事実を受け入れるために、諦めたのかもしれない。そうしないと壊れてしまうものが、あったのかもしれない。

「まあね。なんていうか、親子って難しいなって思うわけ。俺たち兄弟は、普通に親の愛情に恵まれて育ったからね。だから一路は俺に、自分の代わりに両親の傍に居て欲しかったんだと思う。優しい子だから、両親を悲しませてしまったことが、彼も悲しいんだよ」

「それで、カイトに冷たいのか?」

「本当はいつも通り甘えたい部分もあるみたいだけどね。元が甘えん坊だからさ。……きっとね、俺に酷い言葉を言ってしまいそうだから、距離を置いて我慢してんの。いくらでも言えばいいのに、それができないんだよね。それで、今、一生懸命自分の中で整理しようとしてるんだろうね。故郷を、家族や友人を捨てて来るって、結構な覚悟のいることだって自分が一番知ってるからさ」

 そう言って、カイトは脚を組みなおして静かに微笑んだ。
 綺麗な金色の髪が白い肌に落ちている。イチロも小奇麗な顔をしているが、カイトも負けず劣らず綺麗な顔をしている。イチロが前に身内が皆、綺麗な顔過ぎて、感覚が麻痺してたと嘆いていたが、確かに勢ぞろいするとそれも分かる。
 ユキノなんて、前にマヒロが見せてくれた姿絵の数倍は儚くて、美しい人だった。あの美麗なマヒロの隣にいて、より一層美しいと感じるような人で、エドワードがこれまで出会った女性の誰よりも美人だった。男性の一位はマヒロである。

「Good things come to those who wait.」

 アーテル語ではない、だが、時折、イチロが零す言葉に似た発音だった。
 カイトは、ソーサーに置いてあった二本目の激辛棒を食べながら、にこやかに笑った。

「待つ者には良いことがやってくる。俺たちの母親の故郷の詩人の言葉さ。俺は一路の心が落ち着くのを、こうしてのんびり待つよ」

「……そっか」

 穏やかに告げるカイトにエドワードもちいさく笑みを返す。
 八つ当たりをせず、言葉が尖るのを、なんとか抑えようとしているらしい主は、確かにエドワードの温厚な主らしいと思えた。

「ところでエディ」

「ん?」

「俺は君にお願いがあるんだよ。こちらへ来てからの一路のこと、君が一番詳しいと聞いたよ。是非、あの子の可愛いお話の一つ、二つ聞かせて欲しいな」

「か、かわいい。え、かわいい?」

 確かに可愛い顔はしているが、エドワードはそれほどイチロを可愛いと思ったことはない。どちらかというと、温厚だが躾に厳しいし、怒ると怖いことは身をもって知っている。

「は? 俺の一路が可愛くなっていうのかい?」

「いえ、すごく可愛いです」

 目がマジになったカイトにエドワードは慌てて首を横に振った。
 なにがどう可愛いかは分からないが、きっと可愛いに分類されるだろう話を必死に探す。

「あれは、夏の終わりころの話なんだけど、イチロがティナとちょっとすれ違ってたことがあって」

「うんうん、それで?」

 とりあえず興味は持ってもらえた、とほっとしながらエドワードはイチロとティナのキスに関するすったもんだの話をして、最終的にイチロがティナの付きまとい野郎を気絶させた件まで話していた。

「それで手っ取り早く、神父に関する法律を利用して、鉱山にぶち込んでたぜ」

「なんて……なんて可愛いんだ! 俺の一路! さすが一路!」

 こてん、と首をかしげただけで大の男を気絶させた弟の何が可愛いのかはエドワードには分からないが、カイトにとっては可愛いらしいので、まあいいかとすっかり冷めた紅茶を飲む。

「でも俺は、その後のマヒロさんの『そもそも存在をなかったことにする』の発言が怖かったけどな」

「ああ、真尋はやるったらやるよ。本当に何人か、やってたし」

 三本目をもぐもぐしながらカイトが言った言葉にエドワードは勢いよく顔を上げた。

「雪乃の扱いには気を付けなよ? 真尋にとって雪乃以上に大事なものなんてないんだから……領主様にもちゃんと言っとくんだよ」

「待ってくれ、消したのか? 何人か消したのか? え……? 殺し」

 No wayまさか! 殺してはいないよ、国内から消しただけ。運が良ければ生きてるんじゃないかなぁ? まあ、雪乃のことに関して真尋の怒りに触れたあいつらが悪いから、知らないけど。……どうしよう、食べ出すと止まんないな、これ。もっと買っとけばよかった」

 エドワードは一路の「嫌でしょ? 完全犯罪の片棒担ぐの」という言葉を思い出していた。あれ、誇張じゃなかったんだ。マジだったんだ、と開いた口がふさがらなくなる。
 カイトが「エルフ族の里に辛い物あるかなぁ」と暢気に呟くのを聞き流しながら(こういうところは兄弟でそっくりだ)、ブランレトゥに残り、マヒロの一番近くにいる相棒の無事を切に願うのだった。



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