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第3話 嵐の来訪
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※本日2回目の更新です。
7時に幕間を更新しています。
広場に魔獣が出没した事件から早いもので二週間が経った。
翌日には自宅へと戻ったが、しばらくは外出しないようにとロナルドからお願いされ、食料品などもお店の人に届けてもらうようになった。
「これまで万が一、ロナルド様が在宅の時に配達してくれた人がうっかり魔力酔いなんて起こしたら双方大変だから断っていたけれど、届けてもらうのは楽でいいわぁ」
膝の悪いモニカは、そう言って喜んでいる。アランは時折、どうしてもという時は出かけているが、クラリスはモニカと同じく出かけることはない。
もともと出かけるという習慣もないので、これまでの生活と変わりもないので困ったこともない。
変わったことと言えば、ロナルドの使い魔のはずのシュティーが四六時中、クラリスのそばにいることくらいだった。
ただ屋根裏にあるクラリスの部屋には大きなシュティーは入れないので、シュティーは主であるロナルドの部屋で眠っている。
「することがないんだよ」
恒例になった夜の屋根の上での時間、屋根に寝そべるロナルドが言った。
忙しくなると眉を下げていたロナルドだったが、蓋を開けてみると師団長であるロナルドが動くほどの仕事はまだないらしい。
捕獲された魔物たちは、七頭とも無事に使い魔契約を終えていて、彼らから採取された例の魔石は第二師団と魔術師団が共同で解析中。町に魔獣を持ち込んだ犯人については、第一師団の管轄だそうで、ロナルドは報告を聞くのと、普段通りの討伐に出かけるだけだった。だが、珍しくこの二週間は平和で、ロナルドは毎晩、帰宅ができるほどだった。
「そういえば、ブラックレパード七頭は全頭、第二師団の方が契約をされたんですか?」
「うちで四頭。第一師団で二頭。魔術師団で一頭、契約主が見つかったよ。第一師団のグレイシー隊長は豹系獣人族の女性騎士なんだが、ずっと豹系魔物を使い魔にしたかったそうだから大喜びだった」
「豹系魔物を使い魔に……すごいですね。私は使い魔のことを知らなかったのもありますが、魔物は怖いものだと教わっていたので、考えたこともありませんでした」
「それが普通の認識だよ」
ロナルドが小さく笑った。
「でも、シュティーは怖くないですよ」
クラリスは背後でソファの仕事をしてくれているシュティーの頭を撫でた、ごろごろと喉を鳴らし、長くてもふもふの尻尾がクラリスのお腹辺りに巻き付いている。
シュティーはとても大人しく良い子だ。時折、シエルとクラリスを取り合って喧嘩しているが、クラリスの言うこともモニカの言うこともよく聞く。ロナルドとアランの言うことはあまり聞かないが。
シエルは夜の空を気持ちよさそうに小鳥の姿で飛び回っている。
「グレイシー隊長が、一度、ラヴィネレパードを見てみたいと言っているんだが、こいつ、全然、俺と一緒に出勤する気がないんだよなぁ」
ロナルドが手を伸ばして頭を撫でようとすると、ふいっとそれを避けた。
ロナルド(とアラン)には、常々この調子でいくら注意しても、その場限りでしか改善しないのである。
「あ、あの、大丈夫なんでしょうか? 使い魔契約はきちんと成立しているんですよね?」
「しているよ。大丈夫。……まあ、こいつの場合、君の歌のおかげで助かったのを理解しているのが大きいんだろうな。辛い時に助けてくれた人を理解しているんだ。魔物というのは、シエルもそうだけれど賢いからな。俺の使い魔になってくれたのも、君がいるからというのが最大の理由だろう」
「よほど辛かったのね、シュティー」
クラリスは慰めるようにシュティーを撫でる。シュティーはごろごろと喉を鳴らして、クラリスに身を寄せて来る。
「本来であれば、使い魔が言うことを聞かないのは問題だが、君の言うことは絶対に聞くし、いざとなれば俺のほうが強いから問題ない」
「がう」
シュティーが不満そうに鳴いたが、ロナルドは「事実だ」と肩をすくめた。
「シュティー、ロナルド様はとってもお強いのよ」
「にゃあ……」
クラリスがロナルドの味方をしているのが気に入らないようで、拗ねたようにそっぽを向いてしまった。
「ちゅぴ!」
思う存分、飛び回ったのかシエルがシュティーの頭の上に降り立つ。
「おかえり、シエル。楽しかった?」
「ちゅん!」
シエルは、ふーっと息でもつくかのようにシュティーの頭の上で羽を休める。
シエルとシュティーはクラリスを巡って喧嘩もするが、基本的には仲良しだ。使い魔としてはシエルが先輩だからなのか、力関係としてはシエルのほうが上のように見える。
「そういえば、魔石に魔力を貯めるやつの調子はどうだい?」
「一応、毎日やっていますが……自分ではよく分からなくて」
クラリスは首元にかけたそれを取り出し、袋の口を開けて中身を取り出してロナルドに渡す。
「ヴィム先生にいただいた袋の紐を換えて、首にかけられるようにしたんです。魔石は高価なのでなくさないようにと思って……ロナルド様?」
手のひらに魔石を乗せたまま何も言わないロナルドにクラリスは首を傾げる。
「……すごく、心地良い」
そう言ってロナルドはゆっくりと魔石を握りしめた。
「君の魔力そのものが、手のひらにあるみたいで、とても落ち着く」
「ちゃんと魔力が入っているということでしょうか? シュティーから出てきた魔石には色がついていたので、透明のままだったから心配だったんです」
「確かに……だが、きちんと魔力は入っているよ。清らかで美しいから、水のように透明なのかもな」
清らかで美しいなんて、なんだかクラリスにはもったいない言葉だ。クラリスは、ロナルドがそう言ってくれるほど、綺麗なんかじゃない。
「クラリス?」
「いえ、安心したんです。ちゃんと魔力が込められていたんだって」
「そうか。もっと詳しく説明をしておけばよかったな」
「皆さん、お忙しいのは分かっていますから」
本当は、がっかりされるのが怖くて、言い出せなかったのだ。
期待されるのは嬉しいのに、結果を残せる自信がないから、聞こうと思えば何度もその機会はあったのに、聞けなかった。
「ちゅん」
シュティーの上でくつろいでいたシエルがクラリスの肩に飛び乗る。小さな体を頬に寄せ、まるで慰めてくれているようだ。小さな小鳥を手のひらで抱き寄せた。
「……自信を持つって難しいよなぁ」
ぽつりとこぼされた言葉にクラリスは驚いて振り返る。心の中を見透かされてしまったかのような言葉にクラリスの体が勝手に強張った。
だが、ロナルドはそんなクラリスに気づいているのかいないのか、ぼんやりと夜空を見上げている。
「今まで病気のおかげでまともに人と関わってこなかった。剣をふるうしか生きて行く道がなくて、がむしゃらに突き進んできた結果、家柄もあって今の地位に就いた。でも、そう言ったら、アランに怒られた」
「アランさんに?」
「ああ。謙虚であることは必要だが、必要以上のそれは卑屈でしかない、と。今の地位があるのは俺の努力や、信頼を寄せてくれたコーディたちのおかげなんだ、と。卑下することは、それらを否定してしまうことだと……頭では分かってるんだ。アランの言葉の意味ぐらい。でも、それを心で理解するのは、なかなか難しいものだな」
「ロナルド様……」
紫色の眼差しが、わずかに細められた。
「元いらない子同士、自信を持つのは難しいな」
クラリスはその言葉に、こくん、と頷いた。
ロナルドのこういうただ寄り添ってくれる優しさが好きだ。アランとモニカの包むような優しさより、少しだけ距離のあるこの優しさがいつもクラリスの心を救ってくれる。
「……でも、ちょっとだけ自信が持てるようになったんです。歌うことだけは」
「君の歌は素晴らしいからな」
「ふふっ、ロナルド様やアランさんもモニカさんも、ヴィム先生やコーディ様もそう言ってくださるから」
「事実だからな。ヴィムとコーディも隙あらばついてきて、君の歌を聴こうとしている。疲れに効くらしい」
「本当ですか? 国一番の治癒医士のヴィム先生のお墨付きなら、王様の前でも歌えるかしら」
「よーし、なら陛下にぜひと勧めてみよう」
よいしょと起き上がったロナルドにクラリスは慌てて彼の腕を掴んだ。
「じょ、冗談です! 王様の前で何て……!」
「ははっ、分かっているよ。冗談だ」
ロナルドが声を上げて可笑しそうに笑った。クラリスが「もう」と頬を膨らませると、ロナルドが指でつついてくる。
それがくすぐったくて、クラリスはぷっと噴き出す。
「ふふっ、やめてくださいませ、くすぐったいです」
「ふわふわのパンのようだったからな。とても美味しそうだから、シュティーに食べられないようにな」
「もう、ロナルド様ったら」
冗談なのに妙に真剣な顔で言うものだから、クラリスはくすくすと笑ってしまう。するとロナルドもつられたように笑いだす。
二人分の笑い声が星の輝く夜空に溶けていく。柔らかく穏やかな夜はゆっくりと過ぎていくのだった。
7時に幕間を更新しています。
広場に魔獣が出没した事件から早いもので二週間が経った。
翌日には自宅へと戻ったが、しばらくは外出しないようにとロナルドからお願いされ、食料品などもお店の人に届けてもらうようになった。
「これまで万が一、ロナルド様が在宅の時に配達してくれた人がうっかり魔力酔いなんて起こしたら双方大変だから断っていたけれど、届けてもらうのは楽でいいわぁ」
膝の悪いモニカは、そう言って喜んでいる。アランは時折、どうしてもという時は出かけているが、クラリスはモニカと同じく出かけることはない。
もともと出かけるという習慣もないので、これまでの生活と変わりもないので困ったこともない。
変わったことと言えば、ロナルドの使い魔のはずのシュティーが四六時中、クラリスのそばにいることくらいだった。
ただ屋根裏にあるクラリスの部屋には大きなシュティーは入れないので、シュティーは主であるロナルドの部屋で眠っている。
「することがないんだよ」
恒例になった夜の屋根の上での時間、屋根に寝そべるロナルドが言った。
忙しくなると眉を下げていたロナルドだったが、蓋を開けてみると師団長であるロナルドが動くほどの仕事はまだないらしい。
捕獲された魔物たちは、七頭とも無事に使い魔契約を終えていて、彼らから採取された例の魔石は第二師団と魔術師団が共同で解析中。町に魔獣を持ち込んだ犯人については、第一師団の管轄だそうで、ロナルドは報告を聞くのと、普段通りの討伐に出かけるだけだった。だが、珍しくこの二週間は平和で、ロナルドは毎晩、帰宅ができるほどだった。
「そういえば、ブラックレパード七頭は全頭、第二師団の方が契約をされたんですか?」
「うちで四頭。第一師団で二頭。魔術師団で一頭、契約主が見つかったよ。第一師団のグレイシー隊長は豹系獣人族の女性騎士なんだが、ずっと豹系魔物を使い魔にしたかったそうだから大喜びだった」
「豹系魔物を使い魔に……すごいですね。私は使い魔のことを知らなかったのもありますが、魔物は怖いものだと教わっていたので、考えたこともありませんでした」
「それが普通の認識だよ」
ロナルドが小さく笑った。
「でも、シュティーは怖くないですよ」
クラリスは背後でソファの仕事をしてくれているシュティーの頭を撫でた、ごろごろと喉を鳴らし、長くてもふもふの尻尾がクラリスのお腹辺りに巻き付いている。
シュティーはとても大人しく良い子だ。時折、シエルとクラリスを取り合って喧嘩しているが、クラリスの言うこともモニカの言うこともよく聞く。ロナルドとアランの言うことはあまり聞かないが。
シエルは夜の空を気持ちよさそうに小鳥の姿で飛び回っている。
「グレイシー隊長が、一度、ラヴィネレパードを見てみたいと言っているんだが、こいつ、全然、俺と一緒に出勤する気がないんだよなぁ」
ロナルドが手を伸ばして頭を撫でようとすると、ふいっとそれを避けた。
ロナルド(とアラン)には、常々この調子でいくら注意しても、その場限りでしか改善しないのである。
「あ、あの、大丈夫なんでしょうか? 使い魔契約はきちんと成立しているんですよね?」
「しているよ。大丈夫。……まあ、こいつの場合、君の歌のおかげで助かったのを理解しているのが大きいんだろうな。辛い時に助けてくれた人を理解しているんだ。魔物というのは、シエルもそうだけれど賢いからな。俺の使い魔になってくれたのも、君がいるからというのが最大の理由だろう」
「よほど辛かったのね、シュティー」
クラリスは慰めるようにシュティーを撫でる。シュティーはごろごろと喉を鳴らして、クラリスに身を寄せて来る。
「本来であれば、使い魔が言うことを聞かないのは問題だが、君の言うことは絶対に聞くし、いざとなれば俺のほうが強いから問題ない」
「がう」
シュティーが不満そうに鳴いたが、ロナルドは「事実だ」と肩をすくめた。
「シュティー、ロナルド様はとってもお強いのよ」
「にゃあ……」
クラリスがロナルドの味方をしているのが気に入らないようで、拗ねたようにそっぽを向いてしまった。
「ちゅぴ!」
思う存分、飛び回ったのかシエルがシュティーの頭の上に降り立つ。
「おかえり、シエル。楽しかった?」
「ちゅん!」
シエルは、ふーっと息でもつくかのようにシュティーの頭の上で羽を休める。
シエルとシュティーはクラリスを巡って喧嘩もするが、基本的には仲良しだ。使い魔としてはシエルが先輩だからなのか、力関係としてはシエルのほうが上のように見える。
「そういえば、魔石に魔力を貯めるやつの調子はどうだい?」
「一応、毎日やっていますが……自分ではよく分からなくて」
クラリスは首元にかけたそれを取り出し、袋の口を開けて中身を取り出してロナルドに渡す。
「ヴィム先生にいただいた袋の紐を換えて、首にかけられるようにしたんです。魔石は高価なのでなくさないようにと思って……ロナルド様?」
手のひらに魔石を乗せたまま何も言わないロナルドにクラリスは首を傾げる。
「……すごく、心地良い」
そう言ってロナルドはゆっくりと魔石を握りしめた。
「君の魔力そのものが、手のひらにあるみたいで、とても落ち着く」
「ちゃんと魔力が入っているということでしょうか? シュティーから出てきた魔石には色がついていたので、透明のままだったから心配だったんです」
「確かに……だが、きちんと魔力は入っているよ。清らかで美しいから、水のように透明なのかもな」
清らかで美しいなんて、なんだかクラリスにはもったいない言葉だ。クラリスは、ロナルドがそう言ってくれるほど、綺麗なんかじゃない。
「クラリス?」
「いえ、安心したんです。ちゃんと魔力が込められていたんだって」
「そうか。もっと詳しく説明をしておけばよかったな」
「皆さん、お忙しいのは分かっていますから」
本当は、がっかりされるのが怖くて、言い出せなかったのだ。
期待されるのは嬉しいのに、結果を残せる自信がないから、聞こうと思えば何度もその機会はあったのに、聞けなかった。
「ちゅん」
シュティーの上でくつろいでいたシエルがクラリスの肩に飛び乗る。小さな体を頬に寄せ、まるで慰めてくれているようだ。小さな小鳥を手のひらで抱き寄せた。
「……自信を持つって難しいよなぁ」
ぽつりとこぼされた言葉にクラリスは驚いて振り返る。心の中を見透かされてしまったかのような言葉にクラリスの体が勝手に強張った。
だが、ロナルドはそんなクラリスに気づいているのかいないのか、ぼんやりと夜空を見上げている。
「今まで病気のおかげでまともに人と関わってこなかった。剣をふるうしか生きて行く道がなくて、がむしゃらに突き進んできた結果、家柄もあって今の地位に就いた。でも、そう言ったら、アランに怒られた」
「アランさんに?」
「ああ。謙虚であることは必要だが、必要以上のそれは卑屈でしかない、と。今の地位があるのは俺の努力や、信頼を寄せてくれたコーディたちのおかげなんだ、と。卑下することは、それらを否定してしまうことだと……頭では分かってるんだ。アランの言葉の意味ぐらい。でも、それを心で理解するのは、なかなか難しいものだな」
「ロナルド様……」
紫色の眼差しが、わずかに細められた。
「元いらない子同士、自信を持つのは難しいな」
クラリスはその言葉に、こくん、と頷いた。
ロナルドのこういうただ寄り添ってくれる優しさが好きだ。アランとモニカの包むような優しさより、少しだけ距離のあるこの優しさがいつもクラリスの心を救ってくれる。
「……でも、ちょっとだけ自信が持てるようになったんです。歌うことだけは」
「君の歌は素晴らしいからな」
「ふふっ、ロナルド様やアランさんもモニカさんも、ヴィム先生やコーディ様もそう言ってくださるから」
「事実だからな。ヴィムとコーディも隙あらばついてきて、君の歌を聴こうとしている。疲れに効くらしい」
「本当ですか? 国一番の治癒医士のヴィム先生のお墨付きなら、王様の前でも歌えるかしら」
「よーし、なら陛下にぜひと勧めてみよう」
よいしょと起き上がったロナルドにクラリスは慌てて彼の腕を掴んだ。
「じょ、冗談です! 王様の前で何て……!」
「ははっ、分かっているよ。冗談だ」
ロナルドが声を上げて可笑しそうに笑った。クラリスが「もう」と頬を膨らませると、ロナルドが指でつついてくる。
それがくすぐったくて、クラリスはぷっと噴き出す。
「ふふっ、やめてくださいませ、くすぐったいです」
「ふわふわのパンのようだったからな。とても美味しそうだから、シュティーに食べられないようにな」
「もう、ロナルド様ったら」
冗談なのに妙に真剣な顔で言うものだから、クラリスはくすくすと笑ってしまう。するとロナルドもつられたように笑いだす。
二人分の笑い声が星の輝く夜空に溶けていく。柔らかく穏やかな夜はゆっくりと過ぎていくのだった。
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