トラウマ持ち青年の変な日常

保冷剤コーヒー

文字の大きさ
11 / 30

やっぱり高校でも駄目なのか?

しおりを挟む
 おはようございます。不知火 聖と言う者です。これ三度目か、いや気のせいか。

 今、登校中なんだが腕から蓬莱さんが引っ付いて離れてくれない。

 こう今までこんなことが無かったしこれまでもこんなのが無いと思ってたから嬉しいんだが、恥ずかしい。

 寮から学校までは約800m強。こいつは誰もが目を引く美少女だ。土曜日のデパートだって周りの目は常に

蓬莱 沙夜に向けられていた。・・・何かちょっとムカついたけどな。

 ん?日曜日はどうしたかって? まぁ、普通だったよ。蓬莱は一緒に居れるだけで嬉しいとか言ってたし。

ーーーーー
ーーー
ーー


「・・・ん?」

 目が覚めたらそこは自分の寮だった。何か結構大変なことがあったと思うんだが。

「あ!漸く目が覚めたのね。昨日は凄く心配したんだからね。」

 昨日……今は朝だから土曜日のことか。あれ?

「お前は大丈夫、だったか?」

「えぇ。聖君のお陰で大丈夫だったわ。」

「俺のお陰で……?」

 要は代わりに俺が殴られてお前は無事だったのか?でも、殴られた特有の痛みはないな。

 ………慣れって怖いな。

「そんな訳ないでしょ。第一殴られた特有の痛みって何なのよ。悲しすぎるわよ。」

「さらっと心読むの、止めて。」

 こいつホントになんだよ。サードアイでも付いてるの? あ、これ分かった人同士な。

 てか、そんな訳ないってどうゆうこと?俺があの擬似キン肉マンを返り討ちにしたの?

「えぇ。今思ってる通りよ。その細い手足でよくやったわね。正直好感度が999から1800まで上昇したわ。」

 そんなステータス要らないな。てか、上限いくらだよ。

「上限は100よ。」

「限界突破する、な」

「まぁ、それは置いといて貴方何か習ってるの?」

 習ってるって言うよりかは習ってたの方が正しいな。

「へぇ意外ね。見た感じ柔道と合気道だったわね。」

「まぁ、そんな所だ。」

 はぇ~よく分かったな。でも、やってたのを思い出したのは一昨日、昨日辺りだったな。

「と、言うと?」

「今から5,6年前に事故が遭ったんだが、その衝撃で忘れてた。それで夢で、、思い出し、た。」

「……事故。悪いこと聞いちゃった?」

「別に大丈夫、だ。その事故で死人は出なかったし。何ならそのことを思い出してくれたのは、お前のお

陰でもある。」

 そう、俺はこいつに出会ってあの夢を見た。いつもは嫌な夢だったがこいつ出会ったお陰であの出来事を思

い出せた。これは感謝すべきことだ。人は何かの経験があると自分に多少でも自信がつくのだ。

 数年前のことだが、何かを習ってたと言う事実は変わらない。しかも、段は結構上、柔道では高成績も取れ

たほどだ。今まで欠点しか無いと思っていたがこれで長所にもなり得ることが思い出せた。

「だから、ありがとう。」

 俺は礼を言う。養母以外に言ったことがない礼を、言えた。

 うん、心が軽い。こりゃあ良いな。

 ん?顔真っ赤だな。照れてるのか嬉しいのか分からないな。

「コ、コーヒー淹れてくるわね!」

 あぁ、台所に行った。・・・面白いな。

 あ………本買うの忘れた…………

ーーーーー
ーーー
ーー


 とまぁ、こんなことがありましたとさ。その後はコーヒーを飲んで雑談し本を買って読んで過ごした。

 おぉ、いつの間にか学校についてた。

「おい、そろそろ離れて。靴が脱ぎづらい……」

「あ、あぁそうねごめんなさい。」

 物分かりが良いのが嬉しいな。

 靴を履き替えて教室に向かう。緊張するな……

「大丈夫よ。私がついてるわ。」

 余計緊張するっての。

 あーー気持ちの整理がついてない。なのに、着くの速すぎだよぉ。

 俺は人生で一番ドキドキしてるかもしれない。緊張って人を駄目にするんだな。もう嫌だな。

 さて、運命のドアを開ける。

 さっきまではドアの前まで響いてた話声が俺がドアを開けたことによって静寂とかす。

「え、えーっと誰かな?」

 ヤバイ。自分倒れて良いっすか?

「さ、席につきましょう?不知火君。」

 お、おう。俺の考えが分かる蓬莱は唯一の味方だ。

 てか、席どこ?

 そんな事を考え見回していると前のドアが開かれ先生が入ってくる。

「席についてくれー。HRと金曜日出来なかった自己紹介をしてもらうからな。」

 席が分かんないって言ってるだ………今自己紹介って言った?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?

さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。 しかしあっさりと玉砕。 クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。 しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。 そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが…… 病み上がりなんで、こんなのです。 プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...