トラウマ持ち青年の変な日常

保冷剤コーヒー

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初めての負け

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 はぁ、昨日は大変だった。昨日の事が知りたければ前の見てきてくれ。

 今日はテストの結果が分かる。順位と点数。俺と蓬莱はある賭けをしていた。

 俺が蓬莱に点数で勝ったら蓬莱が一週間ご奉仕。蓬莱が俺に点数で勝ったら俺と付き合う。

 正直、勝っても負けても俺にしか得はない。だが、蓬莱が言うには「私も得しかないわね」とか言う始末。

 いつも通り本を読み朝のHRが始まるまで待つ。


「はいよー席についてくれー……お?ちっちゃいの生きてたんだな良かった良かった。」

 この人は高橋先生。俺らの良き担任だ。授業は数学を教えてくれる。

「ちっちゃいのと呼ばないで下さい。と言うか、生きてますよ。失礼ですね。」

 このちっちゃいのもとい、蓮池 礼南。昨日、蓬莱に後ろ回し蹴りをされて一時息をしてなかった。

 朝のHRは順調に進み先生が順位と点数が書かれた紙を黒板に張る。・・・少し目線を感じる、気のせいで

ありたい。

「ほい。おおおーー今回の一位は不知火 聖だ!おめでとう!」

 止めて!言わないで!ほら、クラスから不知火 聖って誰?ってちらほら聞こえてくる!

「あ、あの先生。一つ質問を。」

「ん?いいぞ蓬来。なんだ。」

「私と不知火君は同じ点数です。なのに何故、同率一位にならないのですか?」

 確かに。100点を俺と蓬莱は全部取っている。普通は同率とかだと。

「この高校は解く時間も順位に関わってくるんだぞ。蓬莱お前は平均35分で解き終わっていたが、不知火は

平均22分で解き終わっている。」

 成る程ね。面白いな。

「う、そ…………」

 ご奉仕嫌だったか。勝つつもりで嘘を言ったんだろう。

「初めて……負けた………」

 後でなぐさ----は?

 初めて負けて残念だったの?

「と言うか凄いな。最初の中間テストで100点を取るなんてカンニングでもしたか?」

 ニヤニヤしながら言うな。カンニング何て出来るわけねーだろ。


 授業も全部終わり、寮に帰った。朝のHRからずっと項垂れてる。かける言葉も出てこない。

「不知火君………」

 静かな声で俺の名前を呼ぶ。このあと何をされるか分からない。だが、覚悟を決めよう。

「は、い……」

「ありがとう。」

 ………は? 意外な言葉だった。罵倒でもされると思ってたからなぁ。まさか感謝されるとは。

「人に負けたのが……人生で初めてだったの。負けるってこんなに悔しいのね……」

「ぇ……いや………そうか………」

 皆に問う。俺は何て言えば正解?

「ふぅ。あーあ負けちゃった。聖君って頭良かったんだね。それに平均22分で解くなんて。凄いなぁ。」

 昔からゲームとアニメと勉強しか友達居なかったからな。

 だが、養母からゲームとアニメは一週間15分だけしか時間を取らせて貰えなかった。養母は昔大学の教師

だったから一日数十時間以上勉強をしたよ。いつの間にか養母より頭が良くなってなぁ。

「さて、一週間ご奉仕楽しみにしててね!」

 こいつの笑顔は罪深いぜ。

 そして何より、一週間どんな事がされるんだろうと言う楽しみを抱いていた。
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