見えない明日に揺れる僕たちは

多田莉都

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第4章

夏休みに、横浜で(DAY 1) 2

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 2時間ほどであっという間に東京に着いた。降りたのは21番線だった。ひとつの駅に少なくとも21個の線路があるということだ。東京はすごい。
 東京駅は人がごった返していて、新幹線の改札口を出るだけでも辺りを見回す必要があった。
 東京には何度か来たことがあるのだけど、一人で来たのは二回目だし、そうそう慣れるものでもない。

「佑」

 声に振り向くと彩夏がいた。

「駅出るとこまでは一緒だよね。道、わかるの?」
「いやあんまり」

 呆れたように彩夏はため息をついた。
 
「こっち」

 さすがは都会の子なだけあって、彩夏は人込みをすり抜けるように抜けて新幹線の改札口を出た。ここからJRは乗り換えできるらしい。

「佑が行く塾はどこにあるの?」
「代々木」
「じゃ山手線だね。私、京浜東北線だから。同じようなとこにあるし案内するよ」

 何が同じようなところなのかよくわからないが僕はついていくことにした。
 郷に入っては郷に従え、知ったかぶるよりは彩夏に従うほうがよいに決まっている。ただ――、

「塾自体は明日からだからさ、今日は時間あるんだ」

 と僕が言うと彩夏はピタッと止まった。そして、ゆっくりと振り返る。

「余裕もってきた感じだ?」
「うん。それでさ」
「うん?」
「横浜までついていってもいいかな?」

 彩夏は何も言わず、僕の顔を見ていた。
 彩夏がどんな街でどんな風に過ごしていたのかちょっと知りたいというのが、この急な東京行きの目的でもあった。横浜と東京は電車ですぐ行けると調べてわかったというのもあるが。

「佑が横浜に? なんで?」
「二学期にオレが復活するためのきっかけを探すために」
「抽象的だな……」
「そりゃあ、まだ何も見つかってないから」

 本当に、何も見つかってない。
 行動に移さないと何も見つからない、それだけが僕が動く理由だ。

 彩夏は何やら「うーん」と唸っていたが、やがて何かがひらめいたらしく目を見開いた。
 
「OK。何を考えてるのかよくわかんないけど……場合によってはなんか手伝ってもらうかもだよ?」
「……そこはなんなりと」
 
 そう応えると彩夏は微笑んだ。

「じゃ、こっち。ついてきて」

 彩夏が指さす方向に水色の線が書かれたホームが見えた。
 こうして僕たちは京浜東北線のホームへと向かうことになった。
 
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