事態は更にややこしくなりました

のぎく

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うらばなしおわり。

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 それからの二日間、彼が社交場に足を運ぶことはなかった。以前からの約束があったので昨日は外出をしたが、それ以外は部屋に籠り完全にベッドの住人と化していた。シャンタルとの邂逅により思わぬ有益な情報を得たためでもあるが、なによりもそれによって溜まった疲労感によるところが大きい。要はシャンタルのせい。

 しばらくぶりのゆったりとした時間を過ごし迎えた見合い当日。少々寝過ぎたのか体のだるさは残るものの、体調はばっちりだ。
 この縁談にあたって両親から『お互いを知る期間を設けるからその間に気に入れば結婚、気に入らなければ破談にしてよい』と言われていた。元々縁談とは結婚前提ーー結婚が決まった上での見合いの意味合いで使われる言葉であり、そう思っていたからこそシャルルもこれを拒否したのだ。
 しかし、その前提がなくなったなら拒否する理由はない。

 これが普通の子だったら別だけど。

 シャルルはそう心中で呟きベッドから這い出た。

 彼の朝は遅い。日がすっかり高くなったころに起き上がり、ようやく動き出す。
 これは夜更かししているからなどではなく、単にシャルルが朝が弱いことにある。どちらかというと夜型人間の彼の朝は体がしんどく、目覚めるのさえ一苦労なのだ。
 今日もいつも通り目が覚めて、しばらく夢と現を彷徨った末だるさが軽減してくるきっかり半刻後にのそりと起き上がった。

 身支度を整え、ズボンにシャツといういつも通りの簡素な格好に着替える。起きる時間帯が遅いためにここ数年朝食をとった記憶がない。

 朝食兼昼食をとると心なしかウキウキとした母とそわそわ落ち着かない父に「ちゃんともてなせよ?逃げるなよ?逃すんじゃないぞ?」と再三しつこく言われて、若干辟易しながらはいはいと受け流す。それでも止まらないしつこさから最終的には逃げるように部屋へと引っ込んだ。

 刻一刻と見合いの時間が近づくなか彼はソファに身を沈め、ぼんやりとアタリーについて思考を巡らせていた。

 おそらく、というかかなりの確率で彼女は見合いを嫌がっている。

 あの日あの場にいたのだから彼女は言葉通り逃げてきたのだろう。そこでシャルルと鉢合わせしていたとは思ってもいまい。

 ここまで徹底的に避けられるなど自分の何が気にくわないのか。
 はたまた自分は彼女に何をしでかしたのか。

 女性から想いの丈を告げられ本気の交際を申し込まれたことはこれまで数えきれないほどにある。しかしそのどれも彼女たちを傷つけないよう細心の注意を払いお断りしていて、彼に恨まれる理由はない。彼女と付き合いのある者たちから好意を寄せられはしても明確に言葉で伝えられたことはないからそれで逆恨みされる謂れもないはずだ。
 前にも思ったように自分は彼女のような人に嫌われる人種とは理解していたが、それだけでここまで徹底的に避けるとは到底思えないし、些かの執念を感じる回避力の理由がそれだけとは思えない。

 まずい。シャルルは目頭を揉んだ。
 アタリーに避けられる理由が全く分からない。せめてそこだけでも見合い前に分かれば、と思うものの考えどついぞ答えは出てこなかった。
 あの日きちんと理由を問いただしておけばと後悔しても後の祭り。

 だが、分からないことは多いが一つだけ腑に落ちた点はある。私同様彼女もあの日これが世間一般の縁談とはまた違うということを聞いていなかったということだ。だからこそ逃げるという行動で拒否の形を示した。

 けれど、無理やり結婚させられないとしたらどうだろうか。

 互いを知る期間、つまり時間はあるのだ。その間は催促をされることもなければ結婚を強要されることもない。この縁談を躱すより一旦受けて、やはりこの人とは合いませんでしたとでも言えば今破談に持ち込むよりももっと穏便になかったことにできる。互いを知ろうとするか、延長時間で他に相手を見つけるかはそれこそ彼ら次第。
 そこで仮にシャルルがアタリーとの結婚を望んだとしてもアタリーが嫌だと言ってしまえばそれまで。縁談を無理に進めた親側からすればそこまでの無理強いはできまい。

 それにしても、とシャルルは笑う。
 なんともまあ奇妙な偶然もあったものだ。よもや両家どちらも同じ大切な部分の説明が不足していたとは。

 いつのまにか時間は経ち、侍従から準備の催促をされた。手櫛で整えた髪を背中でゆるく結び、上着を羽織った彼は応接間へと向かう。

 彼女はあの突破な行動のおかげで不足していた事情を公爵から聞かされているだろう。頭が回るらしい彼女ならシャルルと同じ――つまり一度話を受けることが自分に有利になると気がつくはずだ。
 たとえ相手が気に入らなかろうと。

 とはいえ初めからこんな消極的だと周りにバレるのは頂けない。
 手始めに待機していた侍女たちをシャルルは部屋から追い出した。自分でお茶や菓子の用意ができる彼に給仕は必要ないし、万が一のことがあるわけでもないから見張りもいらない。というか込み入った話をするなら一人としていないほうがいい。
 部屋から追い出す際盛大で大変な勘違いをされていることは勘付いていたが、敢えて正すことなく扉を閉めた。

 ――そろそろか。
 席を立ち、窓辺に用意されていた盆上で茶器を温める。茶葉を蒸らし、砂時計の砂があと少しまでになったころ、扉越しに人の気配を感じた。人が入って来る。そこでようやく彼は振り向いた。

「やあいらっしゃい。座るといいよ」

 そこには驚いた表情でアタリーが一人立っていた。

 アタリーは今日はその黒く長い髪を背に流している。服装は夜会用の胸元の開いた露出の激しいドレスではなく黒を基調とし背中でリボンを結んだ足首上まであるスカートと、腰丈までの上着といういで立ちだ。派手な格好ではなく落ち着いた色合いとその衣装がアタリーによく似合っている。

 口を半開きにした間抜けな顔で突っ立つ彼女を手招く。紅茶の入った茶器と菓子を用意すれば机上は一気に華やかになる。

 戸惑いからか目を泳がせるアタリーに「改めて」と冗談まじりの自己紹介をし、「よろしくね」と含みを込めて言えばようやく彼女は笑い、この間と同じくシャルルをお兄さん、と呼んだ。
 どうやらシャルルが含みを持たせた言葉に気がつかなかったらしい。しかし彼がそれを指摘することはなかった。ほんの少しの違和感が芽生えたからだ。

 シャンタルはよほどのことがなければ猫をとることすらないと評したが、互いのことを何も知らない状態で身分や猫など関係なく関りを持ったことが功をなし、アタリーは初めから彼に好意的で親しげだった。
 シャルルはそれにホッとする。
 ないとは思いつつ初めから悪意全開でこられたらどうしようかと心配していたのだが、杞憂に終わったようでなによりだ。

「……社交界では女性なら誰とでも親しいの?」

 唐突に思ってもない質問を投げかけられ、シャルルは目を瞬く。そしてその言葉に含まれた意味に気がつき、

「親しいというか、誘われたら応じるだけだよ。こちらから誘ってるわけではないし、君の前で言うのもなんだけど流石に肉体関係は持たないしね。というか害がないなら断る理由もないだろう?」

 と言った。彼にしてみれば当たり前のことを言っただけだがアタリーはそうではなかったようで、唖然としていた。シャルルは内心首を傾げる。
 またも違和感が首をもたげ、彼が声をかけようとしたとき、何かを思い至ったのか、彼女の表情が変わった。

「見合いが嫌だった?」
「え?」
「だってあの日お兄さんはあそこにいたでしょう?なんでなのかなって……」

 違和感が強くなる。
 なんだ?なぜ今そんな話を持ち出す?
 そろそろ世間話を切り上げ本題に入ろうとしていたのにアタリーの予想外の切り返しに内心動揺する。
 疑問を悟られぬようシャルルは「まだ『お兄さん』呼びかあ」と苦笑すると、

「うん、嫌だったね。だから君と同じで逃げたんだ」

 その言葉にアタリーは喜色を露わにする。

「じゃあ!お兄さんに話したよね?私も嫌で逃げたって!思わず家を飛び出したって嘘をついたのはごめんなさい。でも嫌だから逃げてきたっていうのは本当なの!お兄さんも私と同じ気持ちなんでしょう?」

 シャルルはここでなんとなく違和感の答えを得た。おかしい。これはもしかするとーー

「ならこの話は――」
「なかったことには出来ないかな」
「…………へ」
「最初に言ったろう、『これからよろしくね』って。聞いていたかいアタリー?」
「……え……だって、お兄さん嫌だったからって」

 ああ、やっぱり。
 彼女がこんな単純なことに気づかないわけない。なのにこうして考えが、言葉が噛み合わないのなら、理由は一つ。

と言っただろう。――君に相手と向き合うよう言っておいてすまなくは思ってるけどね」

 アタリーが耳を塞ごうとする。しかし、伸ばした彼の手がそれを防いだ。自然と二人の距離が近づく。
 彼は最後の鎌をかけた。

「今の私はこの縁談を断らないよ」

 シャルルはアタリーの隣へと移動した。彼女の表情が凍る。なにを言われたか分かりたくない、そう書いてあった。

 アタリーはあの話を教えられてない。

 そうシャルルは確信した。

 彼女のことだから私について出来る限り調べたはずだ。加えて昨日も女の子と会っていたし、なんならこの一週間で新たに会う約束をした子も何人かいる。私が危険を犯すほどの馬鹿と思われていない限り、他の女と約束を取り付けてるのに身を固める決意をしたとはまず思わないだろう。それならば破談はもう確定事項と考えていても仕方のないこと。彼女は縁談を受けることで互いを知る期間が設けられるーーすなわち結婚相手を探す上での延長時間があることを知らないのだから。だから、こんなに動揺する。

 それを伝えようとした。
 しかし、寸前で思い直す。

 ーーそれでは面白くない。

 せっかく勘違いしてくれているのだ、このまま行かせてもらおう。

 シャルルは性格が悪い。何食わぬ顔で嘘八百を並べ立てられる男である。それはある意味当然のこと。だって彼には嘘をついている後悔も罪悪感も、全くないのだから。

「う、うそだ……」
「残念だけど私は君に一度たりとも嘘をついた覚えはないよ。これからはどうか分からないけど」
「…………」
「どうしてって顔してるね。そうだな、私も君じゃなければ断っていただろうね。強いて言うなら気に入ったってことだよ」

 アタリーの顔が青ざめるのに比例して、シャルルの笑顔は輝いていく。

 もう一度いう。

 この男、大変よろしくない性格をしている。

 そこで怯えるばかりでは面白味がないとシャルルはふっと笑顔を消し、ため息を吐く。

「知ってると思うけど、大抵の子たちはこの顔に寄ってくるんだ。けど君はそうじゃないだろう?別段気にしてる素振りはない。私に気に入られようともしていない。ーーそれなら楽だろうな、と思ってね」

 挑発するようにいえばアタリーは眉をしかめた。
 本音半分だが、シャルルがこれを破談にしたくないのには無理矢理結婚させられないからという切実とした理由があった。破談にしないことでもちろんアタリーにも得はある。
 実のところ、この縁談はいいことづくめなのだ。

 ーーそれ以外にも理由はあるんだけど。

 心の中でそう付け足す。

 楽しみながら話を誘導していけばあっという間に時間は経ち、事態はシャルル好みに面白おかしく仕上がっていく。

「二週間。その間に私に一泡吹かせることができたなら諦めてあげる。この縁談が破談になるような私に不利のある噂を流すもよし、賭け事を持ち込むもよし。まあ賭け事を持ち込むなら君が勝たないと意味はないけど、手段は問わないよ。言った通り汚い手を使ってくれても構わない。どうだい、それならいいだろう?その間はこの話が進まないよう協力してあげる」

 その提案にアタリーはすぐさま飛びついた。この好機を逃すまいと言わんばかりに。

「せいぜい後悔すればいいわ、私にこれを持ちかけたことをね」

 強気に言って見送りを拒絶したアタリーを無理矢理見届け、両親への報告もそこそこに部屋へ引っ込み、懐からシャンタルからもらった封筒を取り出す。中身はこれまたどこから入手したのか分からない「アタリーの代わりに次期当主となるための養子がとられた」というまだ出回ってすらいない情報。

 まさかこんな形で役に立つとは思わなかった。

 ――借り一つ、だな。

 封筒を机に置き、上着を椅子の背にかける。

 窓辺に立ったシャルルはすでに遠くなった馬車をぼんやりと目で追った。

 ここまで面白くなるとは思わず、これから彼女がなにをしでかしてくれるのか、期待に胸が膨らむ。

 いや、それだけではないか。

 もちろん勝負も楽しみではあるけれどもーー。

 知らず、シャルルの口元には柔らかい笑みが浮かんだ。
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