前世を思い出した巫女は神のもとに行きたい

だるま

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帰りたいんですけど

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わたしは気が重いながら神殿にやってきた。

この世界では神殿に祀られてる神はとても大事にされてる。
神に守られてるところは土地も豊かで平和そのもの
神に守られていないところは荒野も同然だ。あまつさえ穢れが侵食していて人が住めたものではない。

この土地も豊かだ。ちゃんと神に守られてると思う。
そこはわたしでも感謝してる。





早く帰りたいと必死に現実逃避しながら神殿にある窓口に、手紙の件を伝えた。部屋まで案内してくれるそうだ。本当にわたしに何の用なんだろうか…


案内人の後ろを歩いていると、前の柱から子供が出て来た。
巫女かな?巫女っぽい格好してるし、白銀の腰あたりまであるふわっとした髪。目は金。可愛いな…

すると子供はとてとてとわたしのそばまで来て手を繋いできた。

???手離さないな…
わたしと一緒についてくるようだ
案内人も見向きもしないので別にいいのだろうか。

子供に目を合わせるとにこりと微笑んでいる。・・・可愛いな!
わたしはこのチビ巫女(命名)と一緒に束の間のほんわかした気持ちを堪能していた。



案内された部屋には他にも10人くらい若い女性がいた。
すると、入るなりギロリと睨まれた…殺気がすごい。

一瞥して、女性たちは睨むことはやめてくれた?いや睨むから嘲笑うみたいな…わたし何かしたか?いやしてないよね?入ってきただけだもん。

みんな綺麗どころばかりだ。身なりもいい人もいてるし貴族も呼ばれてるみたいだ。


この部屋で待ってるように言われてたので、私は目立たないように隅の席に座ることにした。隣にはチビ巫女が一緒に座っている。

手を繋いだまま…離さないんなこの子…このチビ巫女も呼び出しされたのかな?こんな殺気だった中じゃあチビ巫女も居づらいだろうよ。



しばらくして、老齢の女性が入って来た。凛とした姿勢は威厳を醸し出してる。この人は巫女ではなく貴族のようだ、着ているドレスも高そう。この人はセレブなマダムだな。


お付きの人が人数分の石を丁重に持ってきた。用意ができたのだろうマダムは集められた女性達に目を向け
「今から貴方には巫女の適正試験を受けていただきます。この神殿の敷地内にある祠を見つけてください。そしてその祠で祈りを捧げ、この玉を清めたのち、この部屋に持ってきてください。時間は夕刻まで。始めてください。」

そう言ってマダムは手をぱんと叩き、それが開始の合図となった。集められた女性たちは我先にと石を取り部屋から出て行った。

残されたのはついていけなかった私とチビ巫女。

マダムは残ったわたしたちに気付き、「どうしたのです?試験は始まってますよ?」

「いや~、あのわたしがなぜここに呼ばれたのかわからないんですが、これなんですか?」

「あなた、名前は?」

「ユエです」

「ユエさんこれは巫女候補を見つけるための試験が行われてます。素質がある方に招集をかけております。おふれは回ってたと思うのですが?」

「・・・・・」
(あーあったなぁそういうの)

2年前、領主様が変わってから、神殿の神官や巫女の横領などの汚職が発覚。領主様もこれに厳しい判断を下した。汚職に携わってる人間をすべて追い出したのだ。

神殿の中が一掃され人員が補充されたと聞いていたが巫女足りてなかったんだ…

「すいません。世間のことに疎くって…」

まるっきり関係ないものだから忘れてたとは言えず、わたしはあいまに返事するしかなかった。

そうだよねこの土地に関わることだし、巫女は重要な役割だし何より敬われる存在だ。そら受験者マジだわ。
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