21 / 54
二人の夢
1
しおりを挟む
「姉様!!またお菓子を御神体に供えてたわね!」
巫女服を着た、妹のシェリスが怒ってきた。
「ええ、ミコトに供えてたの。喜んでたわよ?」
「またミコト様~?
もう!ここではミコト様が見えるのは姉様だけだけど、みんな怪しんでるよ?変な奴だって!
こんな小さな集落で、異分子にされたらまともな扱いされなくてなるよ?」
「ふふっごめんなさい。ミコトは本当に見えるのだけど、そうね…みんな見えないものね……気をつけるわ。じゃあもうお勤めの時間だから行くわね。」
私は神殿の中と、外の聖域と言われる場所しか知らない。
とても小さな世界しか知らないと思う。
一族は意図して、見聞を広めないようにしている。私達を外に出さないために、いずれ近い親族と婚姻を結ばせるはず。それがこの一族の決まり……
私はそれが決められた定めだと諦めている。だからなにも自分の意思なんてものは持つだけ無駄だと思っている。
私はただ浄化をするだけだ…
「こんにちはミコト。今日もよろしくお願いします。」
御神体の前で私はミコト挨拶をする。
するとミコトは姿を現してくれた。
成人女性くらいで、さすが神様。これが神々しいと言うものだろう。
「こんにちはサニア。昨日の菓子はなかなか美味しかったわ。
お前が供えてくれるおかげで、色々な発見があるの。不思議ね私はお前より長く存在するのにまだまだ知ることがあるなんて。」
「お気に召したのなら良かったです。
では、今日の浄化を始めますね。
今日のご希望はありますか?」
ミコトとの会話は日課だった。私がお勤めをするときは誰もそばにいない。
ミコトと話しているのを周りからすれば、誰もいないところに話をしてるものだから気味が悪いらしい。
私以外ミコトは見えていないが、力がその分強いらしい。一族では貴重な血として、それなりに自由にさせてくれる。お供えもその一つだ。それもこの神殿内での話だけど。
「では…始めます。」
私は浄化を始める。私が歌うと周りに光の玉が浮かび上がる。
それはいつ見ても幻想的で私は自分が作り出すその現象にいつか自分もこの中に溶け込みたいと思いをはせる。
それは、ただこの現象が美しいと酔っているのか。それとも、この狭い世界から抜け出たいと思う心なのか……私はそれ以上は考えないようにしているけれど。
そんなある日聖域の森の泉でぼーっとしてると声をかけられた。
「ねぇ、君大丈夫かい?」
「?」
後ろを振り向くと、質の良い服を着た青年が立っていた。なかなかに好青年だと思う。普段一族の人間しか知らないから妹が言うカッコイイ?とかはよくわからないけれど。
「はい?大丈夫です。私は巫女のサニアと申します。ここは聖域ですが、迷われたのですか?」
「俺はカイン。ちょっと散策してたら君を見かけたら、なんか元気なさそうと言うか…つい声をかけてしまったんだよ。」
「私は至って体調は普通ですが…心配してくれたのですね。ありがとうございます。
しかし、ここは結構森の奥です。一般の方がそうそう入り込めるところではないはずですが……」
「そうだね。俺は領主一族で、一応ここは入っても咎められることはないんだ。」
「そうでしたか。失礼いたしました。」
私は深々と頭を下げる。
「そんな、律儀に頭下げなくていいよ。君もここで休んでたんだろ?」
「休む…そうですね。今は特になにもすることがなかったので、ここで時間が過ぎるのを待っていました。」
「そう……ねぇサニアさん。巫女ってことは君は土地神様の浄化をする人なの?」
「はい。毎日お勤めさせていただいております。」
カーンカーンカーン
神殿の鐘の音が聞こえてきました。どうやら戻る時間のようです。
「カイン様。私は戻る時間ですので、これで失礼します。」
私はまた深くお辞儀をして去ろうとした。
すると片腕を掴まれた。
「カイン様?」
「あの……また君に会えることは出来るだろうか?」
巫女服を着た、妹のシェリスが怒ってきた。
「ええ、ミコトに供えてたの。喜んでたわよ?」
「またミコト様~?
もう!ここではミコト様が見えるのは姉様だけだけど、みんな怪しんでるよ?変な奴だって!
こんな小さな集落で、異分子にされたらまともな扱いされなくてなるよ?」
「ふふっごめんなさい。ミコトは本当に見えるのだけど、そうね…みんな見えないものね……気をつけるわ。じゃあもうお勤めの時間だから行くわね。」
私は神殿の中と、外の聖域と言われる場所しか知らない。
とても小さな世界しか知らないと思う。
一族は意図して、見聞を広めないようにしている。私達を外に出さないために、いずれ近い親族と婚姻を結ばせるはず。それがこの一族の決まり……
私はそれが決められた定めだと諦めている。だからなにも自分の意思なんてものは持つだけ無駄だと思っている。
私はただ浄化をするだけだ…
「こんにちはミコト。今日もよろしくお願いします。」
御神体の前で私はミコト挨拶をする。
するとミコトは姿を現してくれた。
成人女性くらいで、さすが神様。これが神々しいと言うものだろう。
「こんにちはサニア。昨日の菓子はなかなか美味しかったわ。
お前が供えてくれるおかげで、色々な発見があるの。不思議ね私はお前より長く存在するのにまだまだ知ることがあるなんて。」
「お気に召したのなら良かったです。
では、今日の浄化を始めますね。
今日のご希望はありますか?」
ミコトとの会話は日課だった。私がお勤めをするときは誰もそばにいない。
ミコトと話しているのを周りからすれば、誰もいないところに話をしてるものだから気味が悪いらしい。
私以外ミコトは見えていないが、力がその分強いらしい。一族では貴重な血として、それなりに自由にさせてくれる。お供えもその一つだ。それもこの神殿内での話だけど。
「では…始めます。」
私は浄化を始める。私が歌うと周りに光の玉が浮かび上がる。
それはいつ見ても幻想的で私は自分が作り出すその現象にいつか自分もこの中に溶け込みたいと思いをはせる。
それは、ただこの現象が美しいと酔っているのか。それとも、この狭い世界から抜け出たいと思う心なのか……私はそれ以上は考えないようにしているけれど。
そんなある日聖域の森の泉でぼーっとしてると声をかけられた。
「ねぇ、君大丈夫かい?」
「?」
後ろを振り向くと、質の良い服を着た青年が立っていた。なかなかに好青年だと思う。普段一族の人間しか知らないから妹が言うカッコイイ?とかはよくわからないけれど。
「はい?大丈夫です。私は巫女のサニアと申します。ここは聖域ですが、迷われたのですか?」
「俺はカイン。ちょっと散策してたら君を見かけたら、なんか元気なさそうと言うか…つい声をかけてしまったんだよ。」
「私は至って体調は普通ですが…心配してくれたのですね。ありがとうございます。
しかし、ここは結構森の奥です。一般の方がそうそう入り込めるところではないはずですが……」
「そうだね。俺は領主一族で、一応ここは入っても咎められることはないんだ。」
「そうでしたか。失礼いたしました。」
私は深々と頭を下げる。
「そんな、律儀に頭下げなくていいよ。君もここで休んでたんだろ?」
「休む…そうですね。今は特になにもすることがなかったので、ここで時間が過ぎるのを待っていました。」
「そう……ねぇサニアさん。巫女ってことは君は土地神様の浄化をする人なの?」
「はい。毎日お勤めさせていただいております。」
カーンカーンカーン
神殿の鐘の音が聞こえてきました。どうやら戻る時間のようです。
「カイン様。私は戻る時間ですので、これで失礼します。」
私はまた深くお辞儀をして去ろうとした。
すると片腕を掴まれた。
「カイン様?」
「あの……また君に会えることは出来るだろうか?」
0
あなたにおすすめの小説
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~
ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。
彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。
――死んだはずの彼女が、生きている?
同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。
「今さら、逃げ道があると思うなよ」
瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。
秘された皇子と、選び直した愛。
三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?
* * *
後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
真実の愛は水晶の中に
立木
恋愛
学園の卒業を祝うパーティーの最中、レイシア・マレーニ侯爵令嬢は第三王子とピンク髪の女、その取り巻きたちによって断罪されようとしていた。
しかし断罪劇は思わぬ方向へ進んでいく。
※「なろう」にも重複投稿しています。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる