22 / 54
二人の夢
2
しおりを挟む
「?指名してもらえれば神殿で会えますよ?」
「いや、その…二人で…そう!ここで!ここでまた会おう!」
カイン様が顔を赤くしている。
「私とまた会いたいということなのでしょうが、神殿ではまずいのですか?」
「他の人もいるから…」
ごにょごにょ…
何やら事情があるのでしょうか?
相手は領主さまのご子息。無下な扱いもできませんね。
「わかりました。それではここでいつお待ちしていればいいですか?」
カイン様の顔は相変わらず赤いけれど、私が了承したことで喜んでくれているようだ。
「じゃあ今度は来週!ここで!いつもこの時間にいるのか?」
「ええ。勤めが終われば基本自由なので。夕刻の鐘がなるまではここにおります。」
そして私達は、この場所でたわいない話をしては過ごすようになった。
会うようになって2年が過ぎたころ、カイン様は成人し立派な男性になっていった。
きっと素敵な女性と婚姻の話がでるでしょうね。
なんでしょう?そんなことを考えると胸がツキンと痛い……
私は病気なのでしょうか?
「やぁサニア。」
今日はカイン様の方が先に待っていてくれた。
私は彼と過ごす時間は気に入っている。時間はあっという間に過ぎてしまう。いつまで続けられるのかわからないけど。それまでは大切にしたい。
話してる間、カイン様の顔を凝視していたようだ。
「どうしたの?俺の顔に何かついてる?」
「いえ、大人になったなと思いまして。」
「もう、かれこれ2年かぁ。
君も女性らしくなったね。」
「女性らしく?それは身体の成長のことでしょうか?」
私は自分の身体を見てみる。
「ぶっっ相変わらず素直にとるなぁサニアは。」
「?」
「いや。それもサニアらしいところだよ。」
「褒められているのでしょうか?ありがとうございます。」
「はははっ真面目!その顔わかってないし。」
「からかっているのですね。」
「はぁ…サニアといると退屈しないよ。」
「それはどうも?普段神殿ではこんな会話しないので私にはわかりませんけど。」
「本当に神殿の話は窮屈そうだね。外に興味はないの?」
「妹などは外とも交流することはあるようですね。
私は、神殿か、この聖域しかおりませんので外の人間とは会ったことはありませんね。」
「外に出たいとは思わないの?」
それは何度目かのカイン様からの質問だ。
この2年カイン様は、外の話をしてくれる。時には目新しいものを持ってきて見せてくれることもある。
それを見るたび、私は違う世界のことだと割り切るようにしていた。
そんな反応をみてカイン様はいつもそう質問してくるのだ。
「外の世界は私には縁がないものです。カイン様が持ってきてくれるものは勉強になりますが…」
「そう…」
残念そうにするカイン様。
私は彼の求めている答えがわからない。いや、考えていないだけなのだろう。
「サニアの世界は本当にここだけなんだね。」
「今更です。私はここでしか生きていけません。ここからは出ていけません。出て行くときは死んだとき、魂が神のもとに行く時だけですよ。」
「巫女の鏡のようだね。
でも、俺は寂しいなか。」
「寂しいですか?」
「ああ。君にはもっと色んなものを見てほしい。感じてほしいと思っている。そんな狭い世界ではなく。」
「私には許されないことです。」
「そうだね。神殿の掟が厳しいのはわかるよ。」
「掟…そうですね。私はその掟に従って生きているだけなので、いつかは近い血縁者と婚姻することになると思いますし。」
「えっそんな話が出ているか!」
私の両肩を掴んで焦ったように聞いてきた。
「いえ、いつかはと言ったでしょう?まだそんな話は出てませんよ。」
「そうか…よかった…」
「?」
何がよかったのでしょうか。彼が安堵した様子がわからない。
ぎゅっ
私の両肩を掴んでいるカイン様の手に力が入る。
「?」
「サニア。あの……
俺はサニアが好きなんだ。」
「ありがとうございます。どうしたんですか突然。」
「意味わかってないな。
人が告白してるのに。」
「告白とは、懺悔ですか?」
「誰に対して謝ってるんだよ。
知らないか?俺がしてるのは愛の告白だよ。」
「愛の告白……」
愛?私に?カイン様は私が好きだと……好きとは?
「私には……わかりません。」
「すまない。急に…困惑させただけだった。」
沈黙の中神殿の鐘が鳴る。
「もう、戻らないと…
カイン様の言ってくれたことわからなくてごめんなさい。
でも、一つあなたに言いたいことがあります。」
カイン様が私を見つめている。私もカイン様の目を見て、今できる最上の笑顔を見せる。
「私はカイン様と過ごすこの時間がとても大切です。離れたくないほどに。」
「いや、その…二人で…そう!ここで!ここでまた会おう!」
カイン様が顔を赤くしている。
「私とまた会いたいということなのでしょうが、神殿ではまずいのですか?」
「他の人もいるから…」
ごにょごにょ…
何やら事情があるのでしょうか?
相手は領主さまのご子息。無下な扱いもできませんね。
「わかりました。それではここでいつお待ちしていればいいですか?」
カイン様の顔は相変わらず赤いけれど、私が了承したことで喜んでくれているようだ。
「じゃあ今度は来週!ここで!いつもこの時間にいるのか?」
「ええ。勤めが終われば基本自由なので。夕刻の鐘がなるまではここにおります。」
そして私達は、この場所でたわいない話をしては過ごすようになった。
会うようになって2年が過ぎたころ、カイン様は成人し立派な男性になっていった。
きっと素敵な女性と婚姻の話がでるでしょうね。
なんでしょう?そんなことを考えると胸がツキンと痛い……
私は病気なのでしょうか?
「やぁサニア。」
今日はカイン様の方が先に待っていてくれた。
私は彼と過ごす時間は気に入っている。時間はあっという間に過ぎてしまう。いつまで続けられるのかわからないけど。それまでは大切にしたい。
話してる間、カイン様の顔を凝視していたようだ。
「どうしたの?俺の顔に何かついてる?」
「いえ、大人になったなと思いまして。」
「もう、かれこれ2年かぁ。
君も女性らしくなったね。」
「女性らしく?それは身体の成長のことでしょうか?」
私は自分の身体を見てみる。
「ぶっっ相変わらず素直にとるなぁサニアは。」
「?」
「いや。それもサニアらしいところだよ。」
「褒められているのでしょうか?ありがとうございます。」
「はははっ真面目!その顔わかってないし。」
「からかっているのですね。」
「はぁ…サニアといると退屈しないよ。」
「それはどうも?普段神殿ではこんな会話しないので私にはわかりませんけど。」
「本当に神殿の話は窮屈そうだね。外に興味はないの?」
「妹などは外とも交流することはあるようですね。
私は、神殿か、この聖域しかおりませんので外の人間とは会ったことはありませんね。」
「外に出たいとは思わないの?」
それは何度目かのカイン様からの質問だ。
この2年カイン様は、外の話をしてくれる。時には目新しいものを持ってきて見せてくれることもある。
それを見るたび、私は違う世界のことだと割り切るようにしていた。
そんな反応をみてカイン様はいつもそう質問してくるのだ。
「外の世界は私には縁がないものです。カイン様が持ってきてくれるものは勉強になりますが…」
「そう…」
残念そうにするカイン様。
私は彼の求めている答えがわからない。いや、考えていないだけなのだろう。
「サニアの世界は本当にここだけなんだね。」
「今更です。私はここでしか生きていけません。ここからは出ていけません。出て行くときは死んだとき、魂が神のもとに行く時だけですよ。」
「巫女の鏡のようだね。
でも、俺は寂しいなか。」
「寂しいですか?」
「ああ。君にはもっと色んなものを見てほしい。感じてほしいと思っている。そんな狭い世界ではなく。」
「私には許されないことです。」
「そうだね。神殿の掟が厳しいのはわかるよ。」
「掟…そうですね。私はその掟に従って生きているだけなので、いつかは近い血縁者と婚姻することになると思いますし。」
「えっそんな話が出ているか!」
私の両肩を掴んで焦ったように聞いてきた。
「いえ、いつかはと言ったでしょう?まだそんな話は出てませんよ。」
「そうか…よかった…」
「?」
何がよかったのでしょうか。彼が安堵した様子がわからない。
ぎゅっ
私の両肩を掴んでいるカイン様の手に力が入る。
「?」
「サニア。あの……
俺はサニアが好きなんだ。」
「ありがとうございます。どうしたんですか突然。」
「意味わかってないな。
人が告白してるのに。」
「告白とは、懺悔ですか?」
「誰に対して謝ってるんだよ。
知らないか?俺がしてるのは愛の告白だよ。」
「愛の告白……」
愛?私に?カイン様は私が好きだと……好きとは?
「私には……わかりません。」
「すまない。急に…困惑させただけだった。」
沈黙の中神殿の鐘が鳴る。
「もう、戻らないと…
カイン様の言ってくれたことわからなくてごめんなさい。
でも、一つあなたに言いたいことがあります。」
カイン様が私を見つめている。私もカイン様の目を見て、今できる最上の笑顔を見せる。
「私はカイン様と過ごすこの時間がとても大切です。離れたくないほどに。」
0
あなたにおすすめの小説
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
身を引いたのに、皇帝からの溺愛が止まりません ~秘された珠の還る場所~
ささゆき細雪
恋愛
五年前、内乱の混乱のなかで姿を消した最愛の妃・白瑤華(はくようか)。
彼女を失った皇帝・景玄耀(けいげんよう)は、その後ただ一人を想い続けながら執務に追われていた。そんなある日、書類に彼女の名前を発見し、居ても立っても居られなくなる。
――死んだはずの彼女が、生きている?
同姓同名かもしれないが確かめずにいられなくなった彼は地方巡察を決行。そこで、彼によく似た幼子とともに彼女と再会、地方官吏として働く瑤華と、珠児(しゅじ)を見て、皇帝は決意する――もう二度と、逃がさないと。
「今さら、逃げ道があると思うなよ」
瑤華を玄耀は責めずに、待ちの姿勢で包み込み、囲い込んでいく。
秘された皇子と、選び直した愛。
三人で食卓を囲む幸福が、国をも動かすことになるなんて――?
* * *
後宮から逃げ出して身を引いたのに、皇帝の溺愛は止まらない――これはそんな、中華風異世界ロマンス。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
真実の愛は水晶の中に
立木
恋愛
学園の卒業を祝うパーティーの最中、レイシア・マレーニ侯爵令嬢は第三王子とピンク髪の女、その取り巻きたちによって断罪されようとしていた。
しかし断罪劇は思わぬ方向へ進んでいく。
※「なろう」にも重複投稿しています。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる