前世を思い出した巫女は神のもとに行きたい

だるま

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二人の夢

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自室に戻ってからわ自分の顔が熱いことに気づいた。

あの後カイン様に抱きしめられたからだ。
彼は一言「ありがとう。」と言った。
それだけで今自分はすごくふわふわしている。
どうしたのだろう。何か病気なのかな……
シェリスに聞いた方がいいのかな。最近あの子も忙しそうだし……
そうだ!ミコト!ミコトに聞いてみよう。







翌日、いつものお勤めが終わり私はミコトに聞いてみることにした。

「ミコト聞きたいことがあるのだけど。」

「あの男のことか?」

「えっ知ってるの⁈」

「定期的に会ってるのは知っていたよ。なかなかいい雰囲気じゃないか。」

顔が熱くなるのを感じる。
「……あの、昨日告白?されたの。」

「ああ、そうだな。」
ずっと見られてたのか。にやにやしてるし意地が悪い……

「なぜ告白に?がつくのだ?」

「えっと…それがよくわからなくて……懺悔でもなく、ただ好きだと言ってくれたのだけど、なんだか人として好ましい……とは違うような気がするのだけど、それがよくわからないの。」

「ふむ。もう一歩と言ったところか。」

近いとこまで来てるのかな?

「サニアお前にとってあの男はどういう奴だ?」

「カイン様は……とても物知りで親切にしてくれる。話しててとても楽しいです。」

「では、その男が誰かと婚姻するとしよう。そう聞いてお前はどう思う?時間をかけてもいい、想像して考えてみるといい。」

「答えは今聞かないの?」

「私に答えるものではないよ。それはお前自身が答えを出すことが必要なのだ。
それに答えを出してやるのは私ではないだろう?」

「答えはカイン様にしないといけないものね。」
それはわかる。普段自分の思いなんかを考えることをやめていた。諦めていたのもあるからかな。でも、これはちゃんと考えたいと思う自分がいる。

「ありがとうミコト。私考えてみる。」
ミコトは私の頭を撫でてくれた。優しく微笑んでくれている。まるで姉のように。








部屋でカイン様から借りた本を見ていた。「本には色々なことが書いている。」そう聞いて、彼のお勧めとやらを借りては感想を言うということをしていた。

神殿には記録として残しているものは閲覧することはできるけど、最低限の学習するくらいの本しかない。嗜好品としての物は置いていないのだ。

今読んでいるのは冒険譚。冒険者が旅をして様々な土地に行き時にダンジョンにはいって財宝を見つけるという物語だ。それにのめり込むように読んでいた。物語にドキドキハラハラさせられた。読み終えた後、これをカイン様に感想を言いたい。早く次に会える日が来ないかと思っていたら自分の課題を思い出した。

ー会いたい…けど、気まづいなぁ……

ミコトが言ってたー
もし、カイン様が誰かと婚姻してしまうとして自分はどう感じるのか……

もう会えなくなるだろうな…
また一人になるだけだ。
そう考えると胸がツキンと痛む。またこれだ。

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