この白い世界を、二人で

泡沫

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邂逅

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 下を見ると、家や他の建物、そこから漏れるぼんやりとした光が街にちらほらとあるのに気がつく。普段住んでいるだけじゃ絶対に見ることの無い光景に唾を飲み込む。自分の住んでいる街を見るのはなんだか不思議な気分だった。
 強風が体を揺らす。こんな所にいたら落ちてしまうと心に不安が積まれていく。冷えた温もりで僕の左手首を掴んでいる少女を下から見上げる。その奥にある真っ暗な空のように黒く吸い込まれそうなその目は、この国で一番高い城の先を見ていた。
 僕たちは空を飛んでいた。魔法の指南の帰り、空から降りてきたこの少女に連れられて空を飛んだ。いきなりの出来事だったから頭が追いつかなかったが、随分冷えるこの場所だからか、いつしか頭は冷静になっていた。
 この少女が僕をここに連れてくる理由が分からなかった。ついこの前までただの奴隷だった僕に利用価値なんかない。それとも魔法の指南を受けていたから、まともな人間だと誤解させてしまったのか。それなら解いておかないと。僕なんか──。
 項垂れて下を見ると、ぼんやりとしていた光が赤く濃くなってこっちに飛んできている。いや違う。誰かがここまで炎を飛ばしているんだ。でも並大抵の魔法士じゃそんなことは出来ない。そして、僕が知っている中でそんなことが出来るのは一人しかいない。
「コーポン先生……」
 ぽそ、と呟く。すると、初めて僕を掴んでいる手に変化があった気がした。少しだけ力が入った気がする。
 少女もその状況で大人しくしている訳でもないようで、飛んでくる火の玉を弾いたり躱したりと、僕を守りながら器用に飛行を維持していた。しかし、攻撃はいつまで経っても収まる気配がないが、少女は反撃する素振りもない。相手の攻撃に応じて対応しているだけで、それ以上のことはしなかった。
 すると、上からでも分かる程の大きな炎魔法が構えられている。さすがにこれを防ぐ手段は無い、そう思うと少女は今までとは比にならない速度で空を飛んだ。今までの攻撃も、どうやって僕らを見つけたのか、どうやって的確に攻撃出来なのか分からないが、こうして距離を開ければ大丈夫──。
 しかし、高く伸びた炎柱がこちらへ一直線に向かってきた。一寸の誤差もなく真っ直ぐ僕らに向かって。どう躱しても的確に追ってくる。何故なのかは分からないけれど──。あ、もしかして。
「首、僕の首に探知魔法が込められているかも」
 声を張り上げて少女に伝える。一瞬僕をを見たあと、高度を下げて攻撃を躱し、少しの暇を作ったところで、少女は僕の首に杖を向ける。そして、青くも緑にも見える光を放ち、僕の意識は途切れた。
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