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★デビュタント〜デビュー編〜★
初対面①〜アルベールside〜
しおりを挟む「アルベール・デュラン公爵令息!!あなたと婚約破棄致しますわ!!」
この国唯一の王女であり、自身の婚約者でもあるベアトリス王女から発された一言に会場中の視線が集まった。
会場の者たちはもちろんアルベール自身、ベアトリス王女が何を言っているのか瞬時に理解できずに凍りついた。
“は・・・??この王女は何を言っているんだ??
こんな公の場で一方的に婚約破棄だと・・・??“
そんなアルベールの様子はおかまいなしと言わんばかりに、次々と信じられない言葉が発せられた。
「アルベール・デュラン公爵令息、あなたは私と仲の良いシャルル・ブランシェ男爵令息に嫉妬をし、周囲にバレないよう酷い嫌がらせを行っていたそうね!!」
どうやら婚約破棄の理由はベアトリス王女の隣にいるシャルル・ブランシェ男爵令息に対し、自身が嫉妬をし嫌がらせを行ったため・・・ということらしい。
“王女とブランシェ男爵令息の仲に嫉妬して嫌がらせ??
そんな面倒なことなぜ私がしなければならないんだ!?
そもそも、私とベアトリス王女の婚約は王命による政略結婚。
そんな私が好きでもないベアトリス王女に対しそんな行動起こすわけないだろう!!”
そう、ベアトリス王女とアルベール・デュラン公爵令息の婚約は王女の実父である国王からの王命による政略結婚だった。
そのため、アルベールはベアトリス王女のことを恋愛対象に見たことはなかった。
いや、むしろ、わがままで頭の中がお花畑状態であり、着飾ることしか脳のないような王女をアルベールはあまり好ましく思っていなかった。
そんなアルベールがさも自分を好いて嫉妬からブランシェ男爵令息に嫌がらせをしたと婚約破棄を告げる姿を見て、アルベールはある仮説を立てた。
”この王女・・・まさか本当に私が自分のことを好いていると思い込んでいるのか!?
は・・・!?だとしたら、頭の中お花畑すぎるだろ!?
まさか・・・さすがにそんなことないよな!?違うと言ってくれ!!
怖すぎるんですけど!?“
しかし、そんなアルベールの願いはベアトリス王女の言動で虚しく砕け散ったのであった。
”え、どうする!?
私はこのまま婚約破棄でも構わない。いや・・・むしろ、婚約破棄してほしい!!
が、このままだとでっちあげたよく分からない罪でデュラン公爵家にも責任が問われるかもしれない!!“
そんな葛藤をしながらも導き出したアルベールの答えは・・・
「・・・なっ!?ベアトリス王女、私は誓ってブランシェ男爵令息に嫌がらせなど行っておりません!!きっと何かの間違いかと!!」
婚約破棄の撤回は求めないが、濡れ衣は否定するというものだった。
しかし、そんなアルベールの声に王女は耳を貸すことなく、しまいには王女と男爵令息のイチャつきまで見せられる結果となった。
しかも、この場で過ちを認め、誠心誠意謝罪をしなければ婚約破棄だと言うではないか。
”いや、やってないものは認められないし・・・むしろ、認めなければ婚約破棄できるの!?
え、なら認めたくないんだけど!?“
そんな心の声に従い、アルベールは
「そんな・・・私は本当に何もしておりません!!」
認めなかった。
そんなアルベールに対し、ベアトリス王女は自身に対する不敬と友人に対する不敬だと、なんともよく分からない理由で牢に入れるよう近衛に指示をした。
申し訳なさそうにアルベールを拘束しようと近づいてくる近衛。
その様子を見て、アルベールは絶望したかのように地面に蹲った。
ように見えた。
が、実際は絶望して蹲ったのではなく・・・
”え、このお花畑王女と婚約破棄できるの!?
解放されるの!?
やっっっっっったーーーーー!!
嬉しすぎる!!
ありがとう!!ブランシェ男爵令息!!“
と喜びのあまり、蹲っただけであった。
ーそんなアルベールの様子に気がついたものはこの会場で誰1人いなかったー
ーそして、周囲から見れば王女の横暴に振り回され断罪されて絶望に落ちているアルベールであったが、その実は、婚約破棄に喜び胸中大荒れであったのは誰も知る由はなかったのであるー
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