婚約破棄、、、ねぇ?

待井 月

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婚約破棄

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「アイリーン貴様との婚約は破棄する。」

婚約破棄を告げるのはこの国の王太子であるユリウスだ。
まっすぐこちらを見据え堂々たる態度でこの場を制した。
そのユリウスの後ろには美しい娘。
名を確か、リリーと言ったか。
それでも、平民でしかない娘だ。

「なぜ、とお聞きしても宜しいですか?」

そう言った瞬間空気が凍った。
この国は精霊の国である。
もちろん、魔法を使う。
有り余る魔力が感情によって零れるのも良くあることだ。

「貴様、しらばっくれるつもりか?」

しかし、王太子は変なことを言う。
しらばっくれる?
何を。
一体。

「人間風情でありながら、精霊国の民であるリリーを傷つけた。これがどういうことか、頭の良いお前には分かるだろ?」

人間は精霊には逆らえない。
人間が使う今となっては当たり前になった魔法は精霊の力をかりている。
逆に、精霊はあまり器用ではないため人間のように細々としたものを作れない。
そのため、精霊と人間が結婚し子を産むのはお互いの国のためでもある。
れっきとした政略結婚である。
しかし、人間は精霊を。
精霊は人間を傷つけてはいけない。
それが破られるとお互いの契約は破棄されこの先一生、同等の契約はされない。

つまり、今王太子が言ったことが本当なら。
私は大罪人である。

「知らないとでも思ったか。心優しきリリーが口を噤むとも?可笑しいと思ったのだ。日に日に窶れてくリリーを放っておくなど、するはずがないだろ!」

しかし、リリーとやらをいじめた記憶も傷つけた記憶もない。

「証拠はありますか。」

「うるさい!リリーの証言だ!」

あぁ、この王太子は馬鹿である。
証言しかないのだな。

「近衛、罪人アイリーンを捕らえろ。」

近衛がこちらに向かって剣を向けます。
私を傷つけるつもりでしょうか。

「もし、私が冤罪であれば。終わるのは私たちではなくて貴方ですよ?」

「リリーが嘘をつくとでも?、、、消え失せろ罪人。」

酷い言葉。

「いや、待てよ?ここで私が直々に手を下してやろう。」

ゲスもいいところですね。
男としてどうなのかと思いますわ。

近衛から剣を奪いこちらにやって来ます。
抵抗しない私を訝しむことなく、剣を振り、私の首をはねました。
周りの貴族もいい気味だと嗤っています。

王太子の後ろではリリーが叫びます。
しかし、もう遅いのです。







全て終わってしまいます。
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