一夜の過ちを犯した男が最愛になるまでの話

待井 月

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人を好きになったことがなかった。
仲の良い人はいる。
友達も多い方だと思う。
でも、恋愛とかそう言ったものが20歳になった今でもわからない。

彼女はいた。
いつも告白されるのは俺で、振られるのも俺だった。

「愛されてるかわからない」

そう言って女の子たちはみんな俺の前から去っていった。
大切にしていた。

それだけじゃ、ダメだったのかもしれない。


恋愛っていうのはこうも難しいものなのだろうか。
愛なんて一生かけても分からないだろう。

愛なんてどうしたらわかるのか。
誰も教えてはくれなかった。

俺はどこか欠落品なのかもしれない。



親は不仲でそれぞれ愛人がいた。
それでも、たまに見る2人は幸せそうに笑っている。
愛しているからだと言っていた。

仲が悪いのに愛しているのか。

ますます、愛ってのは分からなくなった。









そんな考えの俺を全て包み込んで愛してくれたこの人のことを愛してるのだと思う。
人とは違う愛かもしれないけど、俺は俺なりに愛していると思いたい。



友人の結婚式のあと、2人の幸せそうな顔を思い出して酒を飲んでいた。
自分には一生縁がないものだと改めて思ったから。

だって幸せなんて何処にでも転がっている。

例えば今ここで酒を飲んでいるのもある意味幸せだ。
その度合いが大きいか小さいかなんて比べるものではないだろう。

もう何杯煽ったかわからなくなった時

「やけ酒?」

そう言って俺に声をかけてきた男がいた。

綺麗な顔をしていたと思う。
笑いながら俺の隣に腰掛けて、酒を注文する。

それから2人で酒を飲んで、たくさん笑ったような気もするが記憶が定かではない。



なぜなら俺はベッドに裸で横たわっているこの状況を理解できないからだ。
体中アザだらけ。
腰はありえないほど痛いし重い。

何より一番ありえないのは尻から何かが漏れてることだ。


どうやら昨日会ったばかりの知らない男に抱かれたらしい。

ベッドの上に俺1人だったがドアの向こうではテレビの音と食器がぶつかる音、誰かの話し声が聞こえている。




あぁ、これ完全に詰んだ。
知らないあの人が善人であることを祈るばかりだった。
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