善良なおっさん冒険者が石釜パンを食べる話

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中

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「最終手段ではあるが、仕方ない。おっさん、尻だせ」
「っは?」
「これを突っ込む」

 おもむろにゲルハルトが腰袋から取り出したものはアリハムには縁のないものだった。
 けれど産まれてから何度だって目にしてきたものによく似ていた。

 あくまで形はというだけで、あんな自分の腕ほどもある男根などお目にかかる機会はなかった。

 あれを尻に突っ込むというのか。
 思わずゲルハルトから距離を取ろうと残り少ない力で移動を試みる。けれどすぐに快楽に襲われ、一メートルだって離れることは叶わなかった。

 そんなアリハムをゲルハルトはますます哀れんで、肩にぽんと手を置いた。

「辛いだろうが出さなきゃ終わらねえんだ。安心しろ、防音結界は張ってある」

 耳元でささやかれる低い声に身体がカタカタと小さく震える。
 出せば終わるというのならもう終わりでいいのではなかろうか。

 そんなことを考えているアリハムの下履きを全て取り払ったゲルハルトは、服が擦れた感覚で震えるアリハムの尻を見つめた。

 精液と愛液が混ざり合ったその穴はひくひくと開閉を繰り返していた。
 手袋を外したゲルハルトが中の様子を確かめるべく親指と人差し指を使って広げれば、簡単に大きなお口を開いてくれる。

 すでに快楽に占拠されているこの身体が痛みを感じることはないと思っていたが、ゲルハルトの想像以上にアリハムのナカは蕩けていた。

 ここまでイってもなお薬の効果が抜けないとはよほど大量に入れられたか、よほど性欲が強いに違いない。

 アリハムの尻から指を退いたゲルハルトは、アリハムの穴めがけて特大サイズのディルドを押し込んだ。ぐぽぽっと卑猥な音を立てながら太く長いそれはナカへナカへと誘われていく。

「ぐっ……………………っぁ」

 苦しげな声を上げるアリハムではあるが、地面にぴったりとくっつく胸とは対照的に筋肉質な尻はねだるように突き上げられている。

 気持ちいいと感じていることは間違いなさそうだ。
 地面は新たに発せられた白濁で汚され、心なしかナカも滑りがよくなったように感じる。

 手応えを感じたゲルハルトは兵舎の風呂釜をブラシで擦る要領でディルドの出し入れを続けた。素早く細かい動きをしたかと思えば長いストロークでじらしてみせる。

 この手の趣味はないゲルハルトだったが、快楽に占拠されながらも細かい快楽を感じ取ろうとするアリハムを見ていればどこがイイかなんて簡単に見分けることが出来た。

「気持ちいいか?」
「ぁああっ」
「ここか?」
「ぅんっ」
「手前もいいんじゃねえか?」

 けれどゲルハルトはそれに応じてやることはしなかった。
 アリハムが震える姿を間近で見ていたゲルハルトの下履きはパンパンに膨れ上がっていた。

 仕事であることも忘れて、自分よりもガタイのいいおっさんにすっかり欲情していたのだ。

 それでもディルドを手放さなかっただけまだ理性が残っていたと言えるだろう。
 だがアリハムの耳に唇がかするほどの距離で囁く彼の目はすでに獲物を前にした獣のよう。少なくとも今の彼を見たら誰もが兵士だとは思わないだろう。

 あまりの光景に他の兵士が呼ばれてしまうかもしれない。

 だが幸か不幸か、ゲルハルトは防音結界と共に侵入阻害結界も張っていた。
 もちろんこんな行為に浸るためではなく、アリハムの尊厳を守るための物ではあったのだが、今となっては些細なこと。

 アリハムの薬が一向に切れず、邪魔をする人間が来ないのもいいことに、ゲルハルトはアリハムの尻をガンガン掘り進めていった。



 そしてその行為は、思考などとっくに手放していたアリハムが意識を手放した後も続いたのだった。



「悪かった!」
 目を覚ましたアリハムの視界に真っ先に入ったのは、綺麗な地面に頭を擦りつけるゲルハルトの姿だった。

「な、に……して」

 一晩中喘ぎ続けていたアリハムの声はすっかりかすれてしまっていた。たった一言でさえも途切れ途切れでやっと出せるほど。

 こんなの初めて酒を飲んだ時以来だろうか。
 だが辛いのは声がろくに出せないことだけではない。目の前の彼がどうにかしてくれたのか、アリハムの身体は酒場に行く時よりもずっと綺麗になってはいるものの、何かがのしかかっているかのように身体が重かった。

 だるいなんて軽いものではない。子どもが何人もまとわりついているような重さがあるのだ。

 壁に背中を預けているこの状態ですら起きているのが辛くて、目の前の男が何をしたかなんて思い出すだけの頭は働いてはくれなかった。

「昨日は無理矢理やっちゃって……。でも悪気はなかったんだ! ただ楽になってくれれば、と」

 ゲルハルトはその言葉通り、本当に悪気などなかったのだ。
 途中でちょっと性欲が暴発しそうになっただけ。

 ただそれだけのこと。
 けれど男にとって『それだけ』で済ませられるようなことではないことくらい、他でもないゲルハルトがよく知っていた。

 許されないと分かっていながらも地面に額を擦りつけ、何度も「悪かった」「申し訳ない」と謝罪の言葉を繰り返す。

 けれどいつまで経っても怒りを孕んだ言葉がゲルハルトの頭に向けて放たれることはなかった。

 アリハムの喉がかすれているから、というわけではない。
 単純に、アリハムはなぜゲルハルトが謝罪をしているのかが理解出来なかったからだ。

 いくら首をひねって記憶を辿っても、アリハムにとってのゲルハルトは恩人でしかない。
 それ以上になることはあっても、それ以下になることはないのである。

 例え彼が達しているアリハムの尻をペシペシと叩いたり、ツンと立った乳首をこね回していたとしてもそれはアリハムの性を吐き出すための補助であったはずなのだ。

 陽が昇り、冷静になってみれば目の前の男は大層顔かたちの整った男であった。
 兵士をしているだけあって鍛えられた身体には余計な脂肪などついていない。身なりだって、急いで整えたのだろうがちゃんとしたものである。

 仕事でさえなければこんなおっさんなんて目もくれないはずだ。

 まさかゲルハルトが『こんなおっさん』に欲情していたなんて、アリハムは考えもしない。
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