姉の身代わりになりまして

斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中

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「ひっ……」
 徐々に近づいてくる人影はライトに揺らされてユラユラと揺らいでいる。ジャックはソファで横になったまま、床に映し出されたそれに恐怖を抱いては身を震わせる。けれど身体とソファが擦れるたびに、ドクンドクンと体内から湧き上がる熱と共に、体験したこともない感覚が身体中を駆け巡った。お茶に含まれた何かが血液と共に体内を循環しているのだろう。何故か下半身に集中しているような気がして、両方の股をすり合わせる。けれどそれで熱が逃げていくはずもなく、むしろ新たな摩擦によってジャックの快楽が増していく。

「ひっ……」ーーっと恐怖で漏れた言葉はやがて甘い喘ぎ声へと変わっていった。


「……っぃや」
 ジャックだって何が何だか分からない。けれど堪えることなんてできそうもない。ならばせめて声を漏らさないようにと口元を隠そうにも手を動かす度、何かに触れた場所から電流が流れていくのだ。ビリッビリと。その度に堪えては新たな刺激を与えられーーその繰り返しにジャックの思考は徐々に動きが鈍くなっていく。生理的な涙で潤んだ目で床を見下ろすと王子の影が相変わらず揺らいでいた。火が揺らぐということはどこかに空気の出入り口があるんだな、と見当違いなことを考えてしまうのはきっと思考がまともに働いていないから。けれどまだジャックは自我を失った訳ではない。幸運なのか、はたまた不運なのかは分からないが、醜態を晒しながらも、ジャックは未だなお快楽に抗おうと戦っているのだ。どんなに頭が白い何かに侵食されても、ジャックは口を塞ごうと、元の体勢に座りなおそうとすることを諦めなかった。

 ――ウィリアム王子がジャックの脚を撫でるまでは。
 足首辺りから着地し、ドレスの中を目がけてつつぅっと5本の指の先でいやらしく撫で上げたのだ。

「……………………っああああああ」

 ジャックは自分のものとは思えないほど高い悲鳴と共に、出してはいけないナニカが漏れるのを感じた。

 ジャックが先程から必死で堪えていた、ペニスから発する白濁と大量の水分。

 直接その場所に触っていなくとも、ずっと快楽によって重点的に攻められ続けていたその場所は我慢できずに決壊してしまったのだ。おかげでフランシスカのドレスはぐっちょりと濡れ、ドレスの生地だけでは吸いきれなかったものはソファに小さな水たまりを作った。するとジャックを中心にアンモニア独特のツンとした香りが部屋中に広がっていくのを感じた。


 トイレ以外のところで出してしまったのはいつぶりだろうか?


 少なくともこの歳になって『お漏らし』をしてしまうなんて恥以外の何者でもない。唇に歯を立てながらブルブルと震える。その振動によってか、まだ残っていたらしいものまで溢れ出てしまう。


「ううっ……」
 涙で顔を濡らしながら、それでも止んでくれない快楽によって身体は蝕まれていく。


 恥ずかしい。
 ツライ。
 逃げ出したい。
 穴に埋まってしまいたい。
 誰も知り合いのいない世界に旅立ちたい。


 マイナスなことばかりが頭に広がっていくジャックのドレスを、あろうことかウィリアム王子はめくりあげた。


「ひゃっ……」
 そして洗濯したばかりの物と同じくらいの水分を含んだ男物の下着をゆっくりと引き下げると、机の上にべちゃりと音を立てて置いた。空気に晒されたことで開放感を得られたジャックのペニスを、ウィリアム王子は遠慮がちにツンツンと突く。


「これがお漏らししちゃう、悪い子かな?  子どもみたいにちっちゃいから仕方ないのかな?」


 散々好き勝手に吐き出したのにも関わらず、ジャックの小指ほどしかないペニスはピンッと力強く天井を向いている。強引に仕向けられたにしてもこれがジャックの臨戦体勢だ。それを子どもみたいにちっちゃいなんて……。誰かと比べたことはないが、これこそジャックの立派な逸物なのだ。ツンツンと指先で丸みを帯びた先端部分を突かれたり、ましてや3本の指で全体をコロコロと擦るように弄ばれるようなものでもない。


 ここまで自尊心を踏みにじられてはジャックはもう、ろくに言葉を発することすら出来なかった。


「ああ、かわいい。かわいいよ、フランシスカ」

 耳元で囁かれる声にジャックの頬には涙が伝い落ちる。もうこれ以上はないだろう。そう願って、楽しげに微笑むウィリアム王子にその身全てを委ねたのだった。
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