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陽だまりの下で丸まるイヌは重い腰をあげる
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樹を捨てた勇樹が、服部の斎がどうなろうと関係ないと思っていた大和であったが、深く関わるごとに斎に情を持ち始めた。
樹と完全に想いが通じたことによって余裕が生まれたためでもあるが、どうも樹と同じ顔をした斎に何かしてやりたいと思うのもまた事実。
それは樹も同じことで、何度か食事を重ねていくと、時折斎が影を見せることがあり、そんな時、樹は斎を気にかけるのだった。
彼の中に潜む闇はおそらく勇樹関係のことだと容易に見当がついた。
だがなぜ今更とも思う。
大和が久々に会った時にはすでに勇樹にとって樹と斎は別人だった。そして勇樹にとって斎はただのマネージャー以上に大きい存在となっていたのだ。
大和は今から自分が取ろうとしている行動が彼らには余計なお世話と思われることは重々承知の上で、とある決心を下した。
大和、樹、勇樹、斎の4人で会って食事をしようというのだ。
もちろん樹が勇樹の番であることはふせて。
道永はすでに金城の古き習慣から解放されているのだ。ならば服部である彼もそうなるべきなのではないのだろうか。
早速大和は樹に、勇樹と斎が好い仲であることを打ち明けた。そして斎が樹と勇樹の関係を気にしていることを。
それは樹が大和と樹里を大切に思ってくれていると確信があるからこそできたことであった。
「なら誤解、解かないと……ね」
「いっちゃん、ごめんね。俺のワガママに付き合わせて」
「ううん。これもきっと運命なんだよ。俺が勇樹と番になったことも、勇樹が全て忘れていることも、瓜二つな顔のいっくんと出会ったことも……。それに俺が大和と樹里と巡り会えたことも。大和……俺は今とっても幸せなんだ。だから傲慢な考えかもしれないけど、それをみんなに分けられたらって思うんだ」
「いっちゃん……」
「だから大和、俺に協力してくれないか」
「それがいっちゃんの望みというのならば」
大和は自らの妻の手を取って、恭しく口をつける。
樹は斎が幼い頃に離された片割れであることを知らない。
そして大和がそれを知っていることも。
今後も伝えるつもりはない。
樹が斎と友人になることを望んだから。
いつまでだって隠し通して、そして願わくば彼らと共にこれからも笑い合いたいと思うのだ。
昔の大和なら叶うはずのない夢物語だと切り捨てるだろう。
だが今の大和は自らその夢を現実に変えようと、暗闇にいるであろう彼らを同じ陽だまりの下に引き込むために、重い腰をあげるのだ。
樹と完全に想いが通じたことによって余裕が生まれたためでもあるが、どうも樹と同じ顔をした斎に何かしてやりたいと思うのもまた事実。
それは樹も同じことで、何度か食事を重ねていくと、時折斎が影を見せることがあり、そんな時、樹は斎を気にかけるのだった。
彼の中に潜む闇はおそらく勇樹関係のことだと容易に見当がついた。
だがなぜ今更とも思う。
大和が久々に会った時にはすでに勇樹にとって樹と斎は別人だった。そして勇樹にとって斎はただのマネージャー以上に大きい存在となっていたのだ。
大和は今から自分が取ろうとしている行動が彼らには余計なお世話と思われることは重々承知の上で、とある決心を下した。
大和、樹、勇樹、斎の4人で会って食事をしようというのだ。
もちろん樹が勇樹の番であることはふせて。
道永はすでに金城の古き習慣から解放されているのだ。ならば服部である彼もそうなるべきなのではないのだろうか。
早速大和は樹に、勇樹と斎が好い仲であることを打ち明けた。そして斎が樹と勇樹の関係を気にしていることを。
それは樹が大和と樹里を大切に思ってくれていると確信があるからこそできたことであった。
「なら誤解、解かないと……ね」
「いっちゃん、ごめんね。俺のワガママに付き合わせて」
「ううん。これもきっと運命なんだよ。俺が勇樹と番になったことも、勇樹が全て忘れていることも、瓜二つな顔のいっくんと出会ったことも……。それに俺が大和と樹里と巡り会えたことも。大和……俺は今とっても幸せなんだ。だから傲慢な考えかもしれないけど、それをみんなに分けられたらって思うんだ」
「いっちゃん……」
「だから大和、俺に協力してくれないか」
「それがいっちゃんの望みというのならば」
大和は自らの妻の手を取って、恭しく口をつける。
樹は斎が幼い頃に離された片割れであることを知らない。
そして大和がそれを知っていることも。
今後も伝えるつもりはない。
樹が斎と友人になることを望んだから。
いつまでだって隠し通して、そして願わくば彼らと共にこれからも笑い合いたいと思うのだ。
昔の大和なら叶うはずのない夢物語だと切り捨てるだろう。
だが今の大和は自らその夢を現実に変えようと、暗闇にいるであろう彼らを同じ陽だまりの下に引き込むために、重い腰をあげるのだ。
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