7 / 9
異世界突入編
お前がいてくれて良かった
しおりを挟む
さて、はれてジョブについのだが、ヒロとシンはどうしたんだろうか?
あいつらの事だから先にジョブを決めて戦闘訓練等始めているかもしれないなんて思っていたら、予想通り先に手続きを終わらせていた2人が、興味深々な様子で聞いてきた。
「リョウ。何にしたん?」
「俺は結局僧侶にしたで。お前らどうせ回復なんて考えて無かったんじゃろ?」
「おお、さすがリョウさん。ワシだって回復の事考えて無かったわけじゃないんじゃ。ただ、お前ならそっちを選択してくれるんじゃないかと信じとったんよ。」
「そりゃそりゃどうも。お前らはどうしたんよ?」
「ワシか?ワシも迷うたんじゃが最終的に魔装士にしたわ。戦闘士じゃあ、つまらんじゃろ?使えるもんなら魔法使いたいし。ただやっぱり戦闘系のジョブがええかなぁ思うてな。早う特訓したいわ。」
「まあ、予想通りじゃな。シンはどうしたん?」
「俺は結構迷わんかったで。召喚士じゃ。召喚する相手の召喚従は大体3体ぐらいにしぼってするのがベターらしいけぇ、さっきからどんなんにしようかずっと考えようるんよ。」
「へぇ~、なんで3体なん?いっぱい召喚しまくりゃあ最強じゃないん。」
「それが、召喚Levelを召喚従数で割ったのが召喚従のLevelになるらしいんじゃ。じゃけぇ、アホ程召喚してしもうたら、一体ずつはクソ弱い事になるんよ。しかも、たまにしか召喚せんような奴はいっつも召喚しとる奴と比べると繋がりが弱いけぇ、これまた弱くなるらしい。それで決めとる3体を繰り返し召喚訓練する事で効率良く強くする事が出来るらしい。」
「なるほどのぅ。やっぱりちょっと複雑そうじゃなぁ。ワシにはむいとらんが、シンなら上手くやれるじゃろう。とにかく、全員無事ジョブについたんじゃ。早うフィールド行こうで。」
「そうじゃのう。俺は大体は決めとるんじゃが、召喚従をもうちょい考えるけぇ、戦闘はせん。近くにおるけぇ、お前ら2人でやりょうてくれ。」
「分かった。それじゃあ、行くで。」
「おう。」
と、いう事で早速昨日散々モンスターを倒したポイントに向かった。
シンのが話ではジョブに付いた時点のLevelに応じて覚えられるスキルもあるが、そのほとんどが実際の戦闘中などに思いつき、それを繰り返し使う事でスキルLevelを上げていく感じらしい。
まずは戦闘を行いながら自分達に何が出来るか考える必要があった。
シンの『分析』のおかげで、ヒロは『魔装』、シンは『召喚』、俺は『ヒール』と『キュア』を修得している事が分かっといた。
「早速見つけた。【バズ】の群れじゃ。魔装するでぇ。」
そう言うとヒロの両刃斧の周りがゆらゆらとゆらめき始め、刃先が真っ赤になった。
「ははっ!すげぇ、めっちゃ熱を発しとる、これなら当てただけで大ダメージ与えれそうじゃ。燃える斧の完成じゃな。」
成る程、魔装は自分の装備品に魔法の力を合わせる事が出来るらしい。
俺も戦闘中、実験の為、自分の腕を一度噛ませてから1匹ずつ捕まえていった。
思ったより痛かったが『ヒール』『キュア』を試すには絶好の相手なのでしょうがない。
いちいち捕まえているのはヒロから頼まれからだ。どうやら【バズ】の毒素を効率良く摂取する為の研究に使いたいらしい。最初はかなり気持ち悪いと思ったし、抵抗も有ったが強くなりたいと考えるヒロの言動は出会った頃から一貫しており、この世界でもそれを貫くのであれば理解できるし、あいつにとっては当然の行動なのだろう。
「中々ええのぅ。でも今までは斧が良かったが、槍的なもんが欲しいわ。【スケルトンリーダー】が鉄槍ドロップしたらワシにくれぇ。」
「もう全部片付けたんか?こっちは3匹しか捕まえれんかったで。」
「おう。そうか、悪りぃな。3匹おりゃあ充分じゃろ。早速解剖するけぇ、お前1人で経験値稼ぎしょうてくれ。」
「分かった。俺も今くらったダメージを回復じゃ。」
ゲームの世界の毒はHPが徐々に減るのが普通だが、ここでは少し違う。シンに確認してもらったところ、確かにHPも減るが倦怠感や節々の痛み等、様々な症状が複合的に襲ってくる。【バズ】程度のモンスターの毒でそんな感じなのだから毒に特化したモンスターに遭遇した場合は油断出来ない。毒消し薬は市場に普通に出ているが無限に常備されている訳も無く、売切れや生産が追いつかない等の場合に在庫切れが生じる可能性がある。ヒロのとった、異人戦の戦法が逆に使われない様に毒消し薬は多めに常備していたが、『キュア』のLevelが上がればそれが無くとも安心していられるはずだ。
『キュア』と『ヒール』を自分に使ってみたが魔法とはまさにマジックだ。
【バズ】につけられた傷がみるみるうちに修復され、毒素は目に見える形で身体から抜けていった。
解剖しながら、【バズ】を口に入れていたヒロが こちらを見ていた様で
「リョウ。ホンマにありがとな。いっつも面倒な役回りにまわってくれて、ワシはそんな気が利かんけぇ、お前には頭があがらん。お前が居てくれて良かった。」
「分かっとる。分かっとる。」
そう素っ気なく言ったものの、結構うれしい。
ヒロはいつも俺を過大評価してくれている節がある。だが、それがとても居心地良く、必要としてくれるヒロと一緒なら多少の無茶もやってしまう。
ここに来た事が正解どうか分からないが、こいつと一緒に居たいと言う気持ちは間違いなくここにある。そんな事を考えていたら沈黙したまま、考えふけっていたシンが突然大きな声を上げた。
「おーい!決めたぞ~今から召喚じゃあ!」
あいつらの事だから先にジョブを決めて戦闘訓練等始めているかもしれないなんて思っていたら、予想通り先に手続きを終わらせていた2人が、興味深々な様子で聞いてきた。
「リョウ。何にしたん?」
「俺は結局僧侶にしたで。お前らどうせ回復なんて考えて無かったんじゃろ?」
「おお、さすがリョウさん。ワシだって回復の事考えて無かったわけじゃないんじゃ。ただ、お前ならそっちを選択してくれるんじゃないかと信じとったんよ。」
「そりゃそりゃどうも。お前らはどうしたんよ?」
「ワシか?ワシも迷うたんじゃが最終的に魔装士にしたわ。戦闘士じゃあ、つまらんじゃろ?使えるもんなら魔法使いたいし。ただやっぱり戦闘系のジョブがええかなぁ思うてな。早う特訓したいわ。」
「まあ、予想通りじゃな。シンはどうしたん?」
「俺は結構迷わんかったで。召喚士じゃ。召喚する相手の召喚従は大体3体ぐらいにしぼってするのがベターらしいけぇ、さっきからどんなんにしようかずっと考えようるんよ。」
「へぇ~、なんで3体なん?いっぱい召喚しまくりゃあ最強じゃないん。」
「それが、召喚Levelを召喚従数で割ったのが召喚従のLevelになるらしいんじゃ。じゃけぇ、アホ程召喚してしもうたら、一体ずつはクソ弱い事になるんよ。しかも、たまにしか召喚せんような奴はいっつも召喚しとる奴と比べると繋がりが弱いけぇ、これまた弱くなるらしい。それで決めとる3体を繰り返し召喚訓練する事で効率良く強くする事が出来るらしい。」
「なるほどのぅ。やっぱりちょっと複雑そうじゃなぁ。ワシにはむいとらんが、シンなら上手くやれるじゃろう。とにかく、全員無事ジョブについたんじゃ。早うフィールド行こうで。」
「そうじゃのう。俺は大体は決めとるんじゃが、召喚従をもうちょい考えるけぇ、戦闘はせん。近くにおるけぇ、お前ら2人でやりょうてくれ。」
「分かった。それじゃあ、行くで。」
「おう。」
と、いう事で早速昨日散々モンスターを倒したポイントに向かった。
シンのが話ではジョブに付いた時点のLevelに応じて覚えられるスキルもあるが、そのほとんどが実際の戦闘中などに思いつき、それを繰り返し使う事でスキルLevelを上げていく感じらしい。
まずは戦闘を行いながら自分達に何が出来るか考える必要があった。
シンの『分析』のおかげで、ヒロは『魔装』、シンは『召喚』、俺は『ヒール』と『キュア』を修得している事が分かっといた。
「早速見つけた。【バズ】の群れじゃ。魔装するでぇ。」
そう言うとヒロの両刃斧の周りがゆらゆらとゆらめき始め、刃先が真っ赤になった。
「ははっ!すげぇ、めっちゃ熱を発しとる、これなら当てただけで大ダメージ与えれそうじゃ。燃える斧の完成じゃな。」
成る程、魔装は自分の装備品に魔法の力を合わせる事が出来るらしい。
俺も戦闘中、実験の為、自分の腕を一度噛ませてから1匹ずつ捕まえていった。
思ったより痛かったが『ヒール』『キュア』を試すには絶好の相手なのでしょうがない。
いちいち捕まえているのはヒロから頼まれからだ。どうやら【バズ】の毒素を効率良く摂取する為の研究に使いたいらしい。最初はかなり気持ち悪いと思ったし、抵抗も有ったが強くなりたいと考えるヒロの言動は出会った頃から一貫しており、この世界でもそれを貫くのであれば理解できるし、あいつにとっては当然の行動なのだろう。
「中々ええのぅ。でも今までは斧が良かったが、槍的なもんが欲しいわ。【スケルトンリーダー】が鉄槍ドロップしたらワシにくれぇ。」
「もう全部片付けたんか?こっちは3匹しか捕まえれんかったで。」
「おう。そうか、悪りぃな。3匹おりゃあ充分じゃろ。早速解剖するけぇ、お前1人で経験値稼ぎしょうてくれ。」
「分かった。俺も今くらったダメージを回復じゃ。」
ゲームの世界の毒はHPが徐々に減るのが普通だが、ここでは少し違う。シンに確認してもらったところ、確かにHPも減るが倦怠感や節々の痛み等、様々な症状が複合的に襲ってくる。【バズ】程度のモンスターの毒でそんな感じなのだから毒に特化したモンスターに遭遇した場合は油断出来ない。毒消し薬は市場に普通に出ているが無限に常備されている訳も無く、売切れや生産が追いつかない等の場合に在庫切れが生じる可能性がある。ヒロのとった、異人戦の戦法が逆に使われない様に毒消し薬は多めに常備していたが、『キュア』のLevelが上がればそれが無くとも安心していられるはずだ。
『キュア』と『ヒール』を自分に使ってみたが魔法とはまさにマジックだ。
【バズ】につけられた傷がみるみるうちに修復され、毒素は目に見える形で身体から抜けていった。
解剖しながら、【バズ】を口に入れていたヒロが こちらを見ていた様で
「リョウ。ホンマにありがとな。いっつも面倒な役回りにまわってくれて、ワシはそんな気が利かんけぇ、お前には頭があがらん。お前が居てくれて良かった。」
「分かっとる。分かっとる。」
そう素っ気なく言ったものの、結構うれしい。
ヒロはいつも俺を過大評価してくれている節がある。だが、それがとても居心地良く、必要としてくれるヒロと一緒なら多少の無茶もやってしまう。
ここに来た事が正解どうか分からないが、こいつと一緒に居たいと言う気持ちは間違いなくここにある。そんな事を考えていたら沈黙したまま、考えふけっていたシンが突然大きな声を上げた。
「おーい!決めたぞ~今から召喚じゃあ!」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる