17 / 29
本編
170㎝のチャラ男8
しおりを挟む
*
「集会にド派手アロハで来るだなんて有り得ない!! お姉さんもビックリしたでしょ!! そんな男『チャラい』って言葉だけじゃ片付きませんよ!! しかも茶髪もウェーブヘアも生まれつきだとかっ!! 日に焼けたら赤くなりやすい肌も身長170㎝なところもっ! 皐月さんと同じ性質なのがめちゃくちゃ悔しいっ!!」
朝香を迎えに来ると言っていた亮輔は閉店時刻ピッタリにやって来て早々夕紀にチャラ男に変なことされなかったかどうか確認しにきた。
夕紀も腹が立っていたので、今日の集会での出来事を話してみたからこの反応となっている。
(確か、亮輔くんって皐月に憧れの念が強すぎて「皐月と同じ身長になりたい」「皐月と同じヘアスタイルになりたい」って望んでいた過去があるのよね……)
朝もそれに近い内容を話していたので、高校時代の亮輔は本気でそれを目指していたのが分かる。
(皐月の葬儀で会った時は今の朝香ちゃんより体が小さかったっていうのに、今や身長185㎝なんだもんなぁ亮輔くん……)
皐月亡き後、身長170㎝を目指したくて毎日牛乳を飲みまくっていたそうなのだが……それで目標を軽々と飛び越えてしまったというのも驚きだ。
「タカパン弟さんが身長170㎝っていうのは間違いない情報なんですか?」
帰り支度を済ませてバックヤードから出てきた朝香は、歯を食いしばって地団駄を踏んでいる亮輔を宥めながら夕紀に改めて確認をとってきたので
「間違いないわよ。会社に居る時だって散々言い回っていたし今の私とビーチサンダル履いたあの男と目線が一緒だったんだから。30歳くらいで身長が伸びるなんて聞いた事がないでしょ?」
自分の足元を指差しながら、己の感じたままに返答した。
「なるほど……確かに」
それに従い、朝香も夕紀が履いているパンプスに目線を移す。
「でしょう?」
「……はい」
夕紀と朝香の短いやり取りを見た亮輔はまた
「って事は170㎝のままでいられるのかチャラ男は! 縮めっ! 今すぐ10㎝くらい縮んでしまえっ!!」
と、『タカパン』の方向へ向きながら呪いの言葉をかけていた。
(目がすわってるなぁ……面白い)
ド派手アロハ姿とハート形ピアスバレにより純仁への印象は更に悪くなっている夕紀にとって、亮輔の憤慨は容認出来るレベルなのだが朝香にとってはそこまでに至っていないらしい。
「も~っ! 縮めだなんて言ったらダメだよぉ、りょーくんっ! タカパンの弟さんだってその身長をコンプレックスに感じているかもしれないじゃないっ。 清さんは背が低めだけどお兄さんの貴文さんはりょーくんよりも背が高くて筋肉質なんだから『兄さんみたいになりたかった』とか思っていたらどうするのよ」
朝香は正論を述べ、反論していたが
「そんな事情ないかもしれないだろ?!
タカパン弟がそのまま俺のなりたかった理想まんまの見た目になってる現実にムカついてんの!! しかも中身チャラいんだろ? 皐月さんと同じ170㎝、茶髪、ウェーブヘアの男がチャラチャラした態度でお姉さんに馴れ馴れしくするとか!! なんかムカつく!! すげームカつく!! なんか分かんないけど、俺タカパン弟の事好きになれない感じ!!!!」
亮輔は「ムカつく」のワードを連発し、怒りの矛を収められないでいる。
「それ、りょーくんの個人的な恨みっ! 良くないよぉ」
「そうだけど! もう俺、可愛いあーちゃんのおかげで色々変われて1年前に金髪ウェーブヘアをやめたけど! でもやっぱり悔しいしジェラる! ムカつく!!」
朝香に抱きつき己のイライラを言葉にして表現する亮輔の若さに圧倒されると共に微笑ましくなる。
(私も穂高くんにイライラはあるけど、ここまであからさまな態度は出さないからなぁ……)
身長150㎝ほどの朝香をスッポリと包み込むようにハグをしている亮輔の後頭部には、横一文字の大きな切り傷があり痛々しい。
(まぁ、憤慨する気持ちは分かるのよ……それだけ亮輔くんは皐月の事が好きだったわけだし)
6年程前、亮輔は大学生で身長170㎝の皐月に憧憬の念を抱き恋をしていた。
そしてその皐月は、当時交際中であった医学生からDVを受けており、亮輔はその事実を誰よりも早く知り助けたいと思っていたのだという。
救えないジレンマを抱えながら高校入試2日目が済むと、携帯電話に皐月からのSOSメッセージが入っている事に気付いた亮輔は急いで助けに行き……広島で修業していた夕紀のところまで逃がしてあげようとして、陸橋の階段で2人は崩れ落ちてしまったのだ。
(亮輔くんは後頭部に大きな一文字の切り傷を負ったものの命は助かって……皐月は切られた亮輔くんの名を叫びながら階段から転落して命を失った)
「集会にド派手アロハで来るだなんて有り得ない!! お姉さんもビックリしたでしょ!! そんな男『チャラい』って言葉だけじゃ片付きませんよ!! しかも茶髪もウェーブヘアも生まれつきだとかっ!! 日に焼けたら赤くなりやすい肌も身長170㎝なところもっ! 皐月さんと同じ性質なのがめちゃくちゃ悔しいっ!!」
朝香を迎えに来ると言っていた亮輔は閉店時刻ピッタリにやって来て早々夕紀にチャラ男に変なことされなかったかどうか確認しにきた。
夕紀も腹が立っていたので、今日の集会での出来事を話してみたからこの反応となっている。
(確か、亮輔くんって皐月に憧れの念が強すぎて「皐月と同じ身長になりたい」「皐月と同じヘアスタイルになりたい」って望んでいた過去があるのよね……)
朝もそれに近い内容を話していたので、高校時代の亮輔は本気でそれを目指していたのが分かる。
(皐月の葬儀で会った時は今の朝香ちゃんより体が小さかったっていうのに、今や身長185㎝なんだもんなぁ亮輔くん……)
皐月亡き後、身長170㎝を目指したくて毎日牛乳を飲みまくっていたそうなのだが……それで目標を軽々と飛び越えてしまったというのも驚きだ。
「タカパン弟さんが身長170㎝っていうのは間違いない情報なんですか?」
帰り支度を済ませてバックヤードから出てきた朝香は、歯を食いしばって地団駄を踏んでいる亮輔を宥めながら夕紀に改めて確認をとってきたので
「間違いないわよ。会社に居る時だって散々言い回っていたし今の私とビーチサンダル履いたあの男と目線が一緒だったんだから。30歳くらいで身長が伸びるなんて聞いた事がないでしょ?」
自分の足元を指差しながら、己の感じたままに返答した。
「なるほど……確かに」
それに従い、朝香も夕紀が履いているパンプスに目線を移す。
「でしょう?」
「……はい」
夕紀と朝香の短いやり取りを見た亮輔はまた
「って事は170㎝のままでいられるのかチャラ男は! 縮めっ! 今すぐ10㎝くらい縮んでしまえっ!!」
と、『タカパン』の方向へ向きながら呪いの言葉をかけていた。
(目がすわってるなぁ……面白い)
ド派手アロハ姿とハート形ピアスバレにより純仁への印象は更に悪くなっている夕紀にとって、亮輔の憤慨は容認出来るレベルなのだが朝香にとってはそこまでに至っていないらしい。
「も~っ! 縮めだなんて言ったらダメだよぉ、りょーくんっ! タカパンの弟さんだってその身長をコンプレックスに感じているかもしれないじゃないっ。 清さんは背が低めだけどお兄さんの貴文さんはりょーくんよりも背が高くて筋肉質なんだから『兄さんみたいになりたかった』とか思っていたらどうするのよ」
朝香は正論を述べ、反論していたが
「そんな事情ないかもしれないだろ?!
タカパン弟がそのまま俺のなりたかった理想まんまの見た目になってる現実にムカついてんの!! しかも中身チャラいんだろ? 皐月さんと同じ170㎝、茶髪、ウェーブヘアの男がチャラチャラした態度でお姉さんに馴れ馴れしくするとか!! なんかムカつく!! すげームカつく!! なんか分かんないけど、俺タカパン弟の事好きになれない感じ!!!!」
亮輔は「ムカつく」のワードを連発し、怒りの矛を収められないでいる。
「それ、りょーくんの個人的な恨みっ! 良くないよぉ」
「そうだけど! もう俺、可愛いあーちゃんのおかげで色々変われて1年前に金髪ウェーブヘアをやめたけど! でもやっぱり悔しいしジェラる! ムカつく!!」
朝香に抱きつき己のイライラを言葉にして表現する亮輔の若さに圧倒されると共に微笑ましくなる。
(私も穂高くんにイライラはあるけど、ここまであからさまな態度は出さないからなぁ……)
身長150㎝ほどの朝香をスッポリと包み込むようにハグをしている亮輔の後頭部には、横一文字の大きな切り傷があり痛々しい。
(まぁ、憤慨する気持ちは分かるのよ……それだけ亮輔くんは皐月の事が好きだったわけだし)
6年程前、亮輔は大学生で身長170㎝の皐月に憧憬の念を抱き恋をしていた。
そしてその皐月は、当時交際中であった医学生からDVを受けており、亮輔はその事実を誰よりも早く知り助けたいと思っていたのだという。
救えないジレンマを抱えながら高校入試2日目が済むと、携帯電話に皐月からのSOSメッセージが入っている事に気付いた亮輔は急いで助けに行き……広島で修業していた夕紀のところまで逃がしてあげようとして、陸橋の階段で2人は崩れ落ちてしまったのだ。
(亮輔くんは後頭部に大きな一文字の切り傷を負ったものの命は助かって……皐月は切られた亮輔くんの名を叫びながら階段から転落して命を失った)
0
あなたにおすすめの小説
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
【完結】シロツメ草の花冠
彩華(あやはな)
恋愛
夏休みを開けにあったミリアは別人となって「聖女」の隣に立っていた・・・。
彼女の身に何があったのか・・・。
*ミリア視点は最初のみ、主に聖女サシャ、婚約者アルト視点侍女マヤ視点で書かれています。
後半・・・切ない・・・。タオルまたはティッシュをご用意ください。
カメリア――彷徨う夫の恋心
来住野つかさ
恋愛
ロジャーとイリーナは和やかとはいえない雰囲気の中で話をしていた。結婚して子供もいる二人だが、学生時代にロジャーが恋をした『彼女』をいつまでも忘れていないことが、夫婦に亀裂を生んでいるのだ。その『彼女』はカメリア(椿)がよく似合う娘で、多くの男性の初恋の人だったが、なせが卒業式の後から行方不明になっているのだ。ロジャーにとっては不毛な会話が続くと思われたその時、イリーナが言った。「『彼女』が初恋だった人がまた一人いなくなった」と――。
※この作品は他サイト様にも掲載しています。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
〖完結〗私はあなたのせいで死ぬのです。
藍川みいな
恋愛
「シュリル嬢、俺と結婚してくれませんか?」
憧れのレナード・ドリスト侯爵からのプロポーズ。
彼は美しいだけでなく、とても紳士的で頼りがいがあって、何より私を愛してくれていました。
すごく幸せでした……あの日までは。
結婚して1年が過ぎた頃、旦那様は愛人を連れて来ました。次々に愛人を連れて来て、愛人に子供まで出来た。
それでも愛しているのは君だけだと、離婚さえしてくれません。
そして、妹のダリアが旦那様の子を授かった……
もう耐える事は出来ません。
旦那様、私はあなたのせいで死にます。
だから、後悔しながら生きてください。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全15話で完結になります。
この物語は、主人公が8話で登場しなくなります。
感想の返信が出来なくて、申し訳ありません。
たくさんの感想ありがとうございます。
次作の『もう二度とあなたの妻にはなりません!』は、このお話の続編になっております。
このお話はバッドエンドでしたが、次作はただただシュリルが幸せになるお話です。
良かったら読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる