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番外編
蒼き少年3
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「あーちゃんは最高の彼女だよ♡ 今からその理由言っていい?」
亮輔は朝香の丸い耳に囁き、朝香の背中を包むように優しく抱き締める。
「ん……」
彼の囁きはビクッと体が反応してしましドキドキが高鳴るけれど、心地良いから「やめて」とも言えない。
(理由……)
そして、大好きな彼が自分を「最高」とまで吹聴するくらいに好いてくれてるのは満更ではないのだ。理由があるのなら聞きたい気持ちもある。
「んー、理由って、どんな?」
照れながらも朝香が乞うと、亮輔は嬉しそうに「フフッ」と笑い
「まず1つ目ね」
と、理由を語り始めた。
「あーちゃんはちっちゃくて可愛いし、背中見たらこうやってギュ~ッて包みたくなるんだ。包んだら全身がポカポカして幸せな気持ちでいっぱいになっちゃう。ハグの相性が良い証拠だ」
(りょーくんとのハグ気持ちいい……相性は確かに、そうかも)
亮輔と朝香は35㎝差というのもあって、彼にバックハグされると全身がポカポカして多幸感に包まれる。相性が良いというのは合っているような気がする。
「2つ目は大学行ってなくても珈琲の専門知識すごくて賢いところ。俺の知らない分野を極めようと日々努力しているしそういうところめちゃくちゃ尊敬する。あーちゃんが頑張ってる姿を見てると俺も頑張ろうって意欲に繋がる」
「賢くはないよぅ……ただ、珈琲オタクなだけで」
現役大学生に比べたら賢いとは言えないんじゃないかと朝香は照れたが
(でも、私の頑張りがりょーくんの頑張りに繋がってるなら悪い気はしないかなぁ)
言われている内容そのものは嬉しいので否定できない。
「3つ目は料理上手なところ。あーちゃんのご飯全部美味しい」
「それは料理上手じゃなくて源さんのお店のお魚が美味しいだけなんじゃ……」
自炊は出来るが上手かと言われると違うんじゃないかと思ったので、そこはきちんと否定しようとした。料理に関しては素人だし、夕食は魚屋の源が食べやすく処理してくれたものを焼いたり揚げたりするだけでテクニックはほとんど必要ないからだ。亮輔が実家で食べていたであろう食事の方が手が込んでいただろうし美味しかったはずである。
「素材の良さもあるけど、あーちゃんは常に食べる俺の気持ちを考慮してくれるだろ? それが俺にとって物凄く大きいんだ。
肉の素材は良いのに肉料理が食べられなくなった俺にとって、あーちゃんの調理は命を支えてくれているんだよ」
亮輔の言葉に朝香はハッとした。
(そうだ……りょーくんは幼い頃からずっと)
中学卒業まで大きな病気はしていないものの、亮輔は実家で邪険に扱われ続けており、結果肉が食べられなくなるという大きなトラウマを植え付けられた。
「肉料理食べられない俺のことを一番に考えて毎日俺の心も体も気にしてくれてる。夕食の時間が楽しいと思えるようになったのはあーちゃんのおかげだし、今では肉へのトラウマが少しずつ薄れてきてオムライスのチキンが食べられるようになった。
トラウマをもう一つ言うなら、ここに住めてる事も。それって俺の人生観を丸ごと変えてるようなものだよ」
飛び降り欲求が抑えられいるのもおそらく朝香が亮輔を日々見守り気遣っているからだろう。
「ハサミの練習をしようって思えたのもあーちゃんのおかげ。俊哉くんだってあーちゃんの事感謝してるって言ってるし、本人の俺も勿論」
朝香が亮輔と一緒に過ごすより前は、数年前に兄となった俊哉が亮輔を見守っていた……が、彼では亮輔のトラウマを克服するまでに至らなかった。俊哉も亮輔を相当気遣っていたのだろうが、俊哉では何かのパーツが足りず朝香ならそのパーツを補えたという意味となる。
「単に『好きだから』じゃないんだよ……俺があーちゃんを最高の彼女って思う理由は、本当はもっともっといっぱいあるんだけどこの3つは特に大きな理由でね、あーちゃんだからこそって部分」
亮輔はそう言ってハグの力を強め……
「あーちゃんを離したくない。あーちゃんに嫌われたくないし、離さない。あーちゃんが大切で……失いたくない。そんな彼女、後にも先にもあーちゃんだけだよ」
朝香の丸い耳にチュッとキスをする。
「その理由をさ、蒼くんにコンコンと説明してもいいんだけど……蒼くん若いし聞いてらんないって思うだろうから。だから『パーフェクト彼女』って言葉で短くまとめたの。パーフェクトだって間違った表現じゃないからね」
亮輔は話をそう締めくくった。でもやっぱり……
「そっ、それでもパーフェクトは過大評価過ぎるよぅ」
恥ずかしくってたまらない。
「こんだけ説明してもダメ?」
亮輔の問いに朝香は首を左右に振りながら真っ赤になってしまう。
「ん~……納得してくれないかぁ」
シュンとした声で亮輔は呟き、「仕方ない」といった様子で肩の力を抜いた。
……が、それはほんの一瞬だけで
「じゃあ、体でわからせちゃおっか♡」
「!!!!!!」
突然朝香の体は亮輔の腕によって軽々と持ち上げられ、ベッドルームへと連れて行かされる。
「ちょっとりょーくんっ! わからせるって何??」
朝香は仰向けに寝かされたと思ったらもう下着姿にさせられるではないか。
「え~? だぁって、俺がマジで理由言ってんのにあーちゃん理解してくれないんだもん。体の方が素直に聞いてくれそうだし♡」
「だからって服脱がせちゃダメぇ」
さっき「嫌われたくない」と言っていた癖に行動が大胆で強引だ。
「おっぱいは俺の指に反応してくれてるよ?」
「んんぅ♡」
彼の指はブラの上で巧みに踊り、敏感な先端に刺激を与える。
「ね♡ ちょっとだけ、エッチなことしよ♡」
「んやぁぁん♡ お風呂入ってないのにぃ♡」
「だから、ちょっとだけだってば♡」
一緒に住むようになり2人きりで過ごす時間が長くなったせいか、朝香は亮輔のセクシャルな刺激に対してとろけてしまっていた。こうなってしまったら朝香も性に従順になって逃れられないし逆に更なる刺激を求めてしまう。
「ほぉら、ここもこんなにトロトロ♡」
「やぁん♡ 恥ずかしいぃ♡」
「恥ずかしがってるあーちゃんも可愛いくて最高だよ♡」
彼の言う通り、「パーフェクト彼女」の件は全身で分からされてしまったのであった。
亮輔は朝香の丸い耳に囁き、朝香の背中を包むように優しく抱き締める。
「ん……」
彼の囁きはビクッと体が反応してしましドキドキが高鳴るけれど、心地良いから「やめて」とも言えない。
(理由……)
そして、大好きな彼が自分を「最高」とまで吹聴するくらいに好いてくれてるのは満更ではないのだ。理由があるのなら聞きたい気持ちもある。
「んー、理由って、どんな?」
照れながらも朝香が乞うと、亮輔は嬉しそうに「フフッ」と笑い
「まず1つ目ね」
と、理由を語り始めた。
「あーちゃんはちっちゃくて可愛いし、背中見たらこうやってギュ~ッて包みたくなるんだ。包んだら全身がポカポカして幸せな気持ちでいっぱいになっちゃう。ハグの相性が良い証拠だ」
(りょーくんとのハグ気持ちいい……相性は確かに、そうかも)
亮輔と朝香は35㎝差というのもあって、彼にバックハグされると全身がポカポカして多幸感に包まれる。相性が良いというのは合っているような気がする。
「2つ目は大学行ってなくても珈琲の専門知識すごくて賢いところ。俺の知らない分野を極めようと日々努力しているしそういうところめちゃくちゃ尊敬する。あーちゃんが頑張ってる姿を見てると俺も頑張ろうって意欲に繋がる」
「賢くはないよぅ……ただ、珈琲オタクなだけで」
現役大学生に比べたら賢いとは言えないんじゃないかと朝香は照れたが
(でも、私の頑張りがりょーくんの頑張りに繋がってるなら悪い気はしないかなぁ)
言われている内容そのものは嬉しいので否定できない。
「3つ目は料理上手なところ。あーちゃんのご飯全部美味しい」
「それは料理上手じゃなくて源さんのお店のお魚が美味しいだけなんじゃ……」
自炊は出来るが上手かと言われると違うんじゃないかと思ったので、そこはきちんと否定しようとした。料理に関しては素人だし、夕食は魚屋の源が食べやすく処理してくれたものを焼いたり揚げたりするだけでテクニックはほとんど必要ないからだ。亮輔が実家で食べていたであろう食事の方が手が込んでいただろうし美味しかったはずである。
「素材の良さもあるけど、あーちゃんは常に食べる俺の気持ちを考慮してくれるだろ? それが俺にとって物凄く大きいんだ。
肉の素材は良いのに肉料理が食べられなくなった俺にとって、あーちゃんの調理は命を支えてくれているんだよ」
亮輔の言葉に朝香はハッとした。
(そうだ……りょーくんは幼い頃からずっと)
中学卒業まで大きな病気はしていないものの、亮輔は実家で邪険に扱われ続けており、結果肉が食べられなくなるという大きなトラウマを植え付けられた。
「肉料理食べられない俺のことを一番に考えて毎日俺の心も体も気にしてくれてる。夕食の時間が楽しいと思えるようになったのはあーちゃんのおかげだし、今では肉へのトラウマが少しずつ薄れてきてオムライスのチキンが食べられるようになった。
トラウマをもう一つ言うなら、ここに住めてる事も。それって俺の人生観を丸ごと変えてるようなものだよ」
飛び降り欲求が抑えられいるのもおそらく朝香が亮輔を日々見守り気遣っているからだろう。
「ハサミの練習をしようって思えたのもあーちゃんのおかげ。俊哉くんだってあーちゃんの事感謝してるって言ってるし、本人の俺も勿論」
朝香が亮輔と一緒に過ごすより前は、数年前に兄となった俊哉が亮輔を見守っていた……が、彼では亮輔のトラウマを克服するまでに至らなかった。俊哉も亮輔を相当気遣っていたのだろうが、俊哉では何かのパーツが足りず朝香ならそのパーツを補えたという意味となる。
「単に『好きだから』じゃないんだよ……俺があーちゃんを最高の彼女って思う理由は、本当はもっともっといっぱいあるんだけどこの3つは特に大きな理由でね、あーちゃんだからこそって部分」
亮輔はそう言ってハグの力を強め……
「あーちゃんを離したくない。あーちゃんに嫌われたくないし、離さない。あーちゃんが大切で……失いたくない。そんな彼女、後にも先にもあーちゃんだけだよ」
朝香の丸い耳にチュッとキスをする。
「その理由をさ、蒼くんにコンコンと説明してもいいんだけど……蒼くん若いし聞いてらんないって思うだろうから。だから『パーフェクト彼女』って言葉で短くまとめたの。パーフェクトだって間違った表現じゃないからね」
亮輔は話をそう締めくくった。でもやっぱり……
「そっ、それでもパーフェクトは過大評価過ぎるよぅ」
恥ずかしくってたまらない。
「こんだけ説明してもダメ?」
亮輔の問いに朝香は首を左右に振りながら真っ赤になってしまう。
「ん~……納得してくれないかぁ」
シュンとした声で亮輔は呟き、「仕方ない」といった様子で肩の力を抜いた。
……が、それはほんの一瞬だけで
「じゃあ、体でわからせちゃおっか♡」
「!!!!!!」
突然朝香の体は亮輔の腕によって軽々と持ち上げられ、ベッドルームへと連れて行かされる。
「ちょっとりょーくんっ! わからせるって何??」
朝香は仰向けに寝かされたと思ったらもう下着姿にさせられるではないか。
「え~? だぁって、俺がマジで理由言ってんのにあーちゃん理解してくれないんだもん。体の方が素直に聞いてくれそうだし♡」
「だからって服脱がせちゃダメぇ」
さっき「嫌われたくない」と言っていた癖に行動が大胆で強引だ。
「おっぱいは俺の指に反応してくれてるよ?」
「んんぅ♡」
彼の指はブラの上で巧みに踊り、敏感な先端に刺激を与える。
「ね♡ ちょっとだけ、エッチなことしよ♡」
「んやぁぁん♡ お風呂入ってないのにぃ♡」
「だから、ちょっとだけだってば♡」
一緒に住むようになり2人きりで過ごす時間が長くなったせいか、朝香は亮輔のセクシャルな刺激に対してとろけてしまっていた。こうなってしまったら朝香も性に従順になって逃れられないし逆に更なる刺激を求めてしまう。
「ほぉら、ここもこんなにトロトロ♡」
「やぁん♡ 恥ずかしいぃ♡」
「恥ずかしがってるあーちゃんも可愛いくて最高だよ♡」
彼の言う通り、「パーフェクト彼女」の件は全身で分からされてしまったのであった。
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