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本編
★初恋の痛み5
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「ゃあぁぁ」
髪でのくすぐりと共にやってくるのは舌の感触。
「ほら、見て。あーちゃん。俺があーちゃんの可愛い可愛いピンク色の乳首に何をしてるか、ちゃんと知って」
いつの間にか朝香のうなじ辺りには枕が差し込まれ、向日葵さんが自分の胸をどのように弄っているのかが見えるように仕向けられている。
「あっ、やぁ」
「乳輪の色素薄めでプックリしてて、乳首はちっちゃくて……すっごく可愛いし」
向日葵さんは朝香の持ち物を言葉によって表現し詳らかにし……
「おいひぃ♡」
唇でチュウッと吸ってみせたりベロベロと舐め回したり……
「これはどう? 痛い? それとも気持ちいい?」
前歯で乳首の先端を引っ掻いたりしてくる。
「あっ♡ やっ♡ っ、あぁぁ♡」
たったそれだけなのに朝香は甘い声を出すのを止められず、彼の愛撫全てが気持ち良く感じてしまうし、時折弓形に身体を仰け反らせてしまう。
「気持ちいいんだね♡ 良かった♡」
向日葵さんは、素直に可愛らしく喘ぐ朝香が愛おしく感じているようで目を細めながら喜び
「もっともっとしてあげるから、いっぱいいっぱい感じて♡」
朝香の声が枯れるまで愛撫を続けていった。
「はぁ……はぁ……」
小1時間程経った頃だろうか。
朝香の体の大部分には向日葵さんの唾液が付着し、彼が知らない部分がないくらいになってしまった。
朝香も向日葵さんも汗を滲ませており、荒い呼吸をして互いを見つめ合っている。
Tシャツは大胆にはだけデニムパンツはベッドの下に落とされており、ショーツは朝香の右足首のところで丸まってしまっている。全裸の方がマシだと感じてしまうくらい恥ずかしい状態となっていた。
「ひまわりさん……」
「あーちゃん……」
しかし、睦み合う心地良さの前ではそんなものどうでも良くなってしまうようで
「だいすき……」
「おれも、だいすき」
また熱い抱擁を交わし、互いの頬や鼻に口付けし、また抱き締めあって脚を濃密に絡ませたり擦り合わせたりを繰り返していた。
*
翌朝、朝香が目を覚ますとベッドには自分1人。
「あれ……向日葵さんは?」
辺りを見回しても彼の気配がなく、スマホを持ち上げるとメッセージが一件だけ入っていて
「ああ~……そっかぁ。向日葵さんバイトしてるんだぁ~~」
今の時刻が朝の6時前で、彼の勤務時間中である事を思い出す。
(いつのまにか寝ちゃった私が悪いんだよね、これ)
メッセージには彼が朝香の心身を気遣う内容や「部屋を1人にさせてごめんね」と言った申し訳なさそうに打ったであろう文字が並んでいる。
「向日葵さん、ほとんど寝ずにコンビニ行ってるよね? 向日葵さん大丈夫かなぁ」
心配事はたくさんあるが、気怠さが残る身体も何とかしなければならない。朝香はくちゃくちゃになった衣服を洗濯機に入れ裸になると、シャワーを浴びて全身を洗い流す。
(向日葵さんのヌルヌル、洗い流すのもったいないなぁ♡ 仕事にならないから綺麗にしなきゃだけど)
甘噛みされた記憶はあるが、朝香の体には紅い痕や歯型の類は一つもない。が、唾液らしきものはたっぷりかけられていて、湯を浴びるとそのヌルヌル感が復活してきた。恥ずかしいが嬉しい気持ちの方が強まっているので照れ笑いしてしまう。
(唇同士のキスやセックスが出来ないってだけで。それなのに、あんなにも気持ち良くなれるだなんて不思議)
向日葵さんは女性とホテルへ行く関係を築いていただけあって、相当なテクニックの持ち主だと今回思い知らされた。
(数えきれないくらいイッちゃったし……)
向日葵さんの舌や指のテクニックで朝香はすぐに高みへ昇りつめ、脳が壊れてしまうのではないかと思うくらい体が反応してしまっていた。
(向日葵さんは……イッて、ないんだよね?)
保健体育の授業で男性の体のしくみは知識としてなんとなく知っているし、恋愛小説で射精だの白濁液だのといったワードを熟読してきているので、朝香が睡魔に襲われるまでは少なくともそれらが展開されなかった……つまりは向日葵さんだけは絶頂に至らなかったのだろうと想像出来る。
「大丈夫かなぁ向日葵さん……モヤモヤした気持ちのままバイト行ったんじゃないかなぁ」
自分ばかり気持ち良くなって向日葵さんだけ我慢させたのではないかと不安になった朝香は、身支度を整えながら向日葵さんの帰りを待ち……
「おかえりなさい! 向日葵さんっ!」
バイク音が聞こえ向日葵さんが帰宅してきたと知るなり外へ出て彼に抱き付く。
「ちょ……えっ? あーちゃん?!」
ヘルメットを急いで脱ぎ驚いた顔を向けている向日葵さんを朝香は上目遣いで見上げ
「向日葵さん、眠たくない? 体、しんどかったでしょ?」
まずは彼の体を気遣う。
「あーちゃんってば、優しいしかわいいなぁ」
103号室に招いてくれた向日葵さんの表情はデレデレとして口元も弛みっぱなしだ。
「今日の授業って2限からだっけ? 少しでも寝た方がいいよ? 私心配で……」
本当は「イクの我慢させてごめんね」も言いたいのだが、早朝なのもあってそれだけは口に出来ずにいる。が、向日葵さんの睡眠不足が心配なのは確かだ。
「ありがとうあーちゃんその気持ちだけでも嬉しい」
向日葵さんは朝香の頭を撫でながらニコニコ微笑んで
「確かに、ちょっと寝た方がいいかも。あーちゃんを抱き枕にして寝れたら最高かも♪」
と言い、すぐに「冗談だよ」とフォローまで入れてくれる。
「うぅぅ~、抱き枕ならいくらでもなるよぅ♡」
朝香はたまらずギューッと抱きついてみせたのだが
「だぁめ♡ あんなに可愛いあーちゃんを知っちゃったんだもん、抱き枕じゃ済まなくなっちゃう♡」
向日葵さんは朝香の頬を愛おしくスリスリ撫でながらもやんわりと断った。
「我慢出来なくなって寝れなくなっちゃう?」
「うん♡ それに、あーちゃんをお仕事に行けないようにしちゃうかも♡」
彼の表情からも朝香を求めたくて仕方ない様子が見てとれる。言う事に逆らったら本気で帰してもらえなくなりそうだ。
「じゃあ、また夕方図書館でね」
仕方なしに朝香が彼に手を振ると
「うん、夕ご飯食べた後にイチャイチャしてもいい?」
と、訊いてきたので朝香は満面の笑みで頷く。
(また今夜もイチャイチャ♡ 恥ずかしいけど嬉しいなぁ♡)
イチャイチャの約束だなんて照れ臭い。
けれども、彼の心の中に燻る過去の辛さが癒えているのであればより嬉しいと感じていた。
(向日葵さんの初恋の痛み……私とのイチャイチャで少しでも忘れてくれたらいいなぁ)
髪でのくすぐりと共にやってくるのは舌の感触。
「ほら、見て。あーちゃん。俺があーちゃんの可愛い可愛いピンク色の乳首に何をしてるか、ちゃんと知って」
いつの間にか朝香のうなじ辺りには枕が差し込まれ、向日葵さんが自分の胸をどのように弄っているのかが見えるように仕向けられている。
「あっ、やぁ」
「乳輪の色素薄めでプックリしてて、乳首はちっちゃくて……すっごく可愛いし」
向日葵さんは朝香の持ち物を言葉によって表現し詳らかにし……
「おいひぃ♡」
唇でチュウッと吸ってみせたりベロベロと舐め回したり……
「これはどう? 痛い? それとも気持ちいい?」
前歯で乳首の先端を引っ掻いたりしてくる。
「あっ♡ やっ♡ っ、あぁぁ♡」
たったそれだけなのに朝香は甘い声を出すのを止められず、彼の愛撫全てが気持ち良く感じてしまうし、時折弓形に身体を仰け反らせてしまう。
「気持ちいいんだね♡ 良かった♡」
向日葵さんは、素直に可愛らしく喘ぐ朝香が愛おしく感じているようで目を細めながら喜び
「もっともっとしてあげるから、いっぱいいっぱい感じて♡」
朝香の声が枯れるまで愛撫を続けていった。
「はぁ……はぁ……」
小1時間程経った頃だろうか。
朝香の体の大部分には向日葵さんの唾液が付着し、彼が知らない部分がないくらいになってしまった。
朝香も向日葵さんも汗を滲ませており、荒い呼吸をして互いを見つめ合っている。
Tシャツは大胆にはだけデニムパンツはベッドの下に落とされており、ショーツは朝香の右足首のところで丸まってしまっている。全裸の方がマシだと感じてしまうくらい恥ずかしい状態となっていた。
「ひまわりさん……」
「あーちゃん……」
しかし、睦み合う心地良さの前ではそんなものどうでも良くなってしまうようで
「だいすき……」
「おれも、だいすき」
また熱い抱擁を交わし、互いの頬や鼻に口付けし、また抱き締めあって脚を濃密に絡ませたり擦り合わせたりを繰り返していた。
*
翌朝、朝香が目を覚ますとベッドには自分1人。
「あれ……向日葵さんは?」
辺りを見回しても彼の気配がなく、スマホを持ち上げるとメッセージが一件だけ入っていて
「ああ~……そっかぁ。向日葵さんバイトしてるんだぁ~~」
今の時刻が朝の6時前で、彼の勤務時間中である事を思い出す。
(いつのまにか寝ちゃった私が悪いんだよね、これ)
メッセージには彼が朝香の心身を気遣う内容や「部屋を1人にさせてごめんね」と言った申し訳なさそうに打ったであろう文字が並んでいる。
「向日葵さん、ほとんど寝ずにコンビニ行ってるよね? 向日葵さん大丈夫かなぁ」
心配事はたくさんあるが、気怠さが残る身体も何とかしなければならない。朝香はくちゃくちゃになった衣服を洗濯機に入れ裸になると、シャワーを浴びて全身を洗い流す。
(向日葵さんのヌルヌル、洗い流すのもったいないなぁ♡ 仕事にならないから綺麗にしなきゃだけど)
甘噛みされた記憶はあるが、朝香の体には紅い痕や歯型の類は一つもない。が、唾液らしきものはたっぷりかけられていて、湯を浴びるとそのヌルヌル感が復活してきた。恥ずかしいが嬉しい気持ちの方が強まっているので照れ笑いしてしまう。
(唇同士のキスやセックスが出来ないってだけで。それなのに、あんなにも気持ち良くなれるだなんて不思議)
向日葵さんは女性とホテルへ行く関係を築いていただけあって、相当なテクニックの持ち主だと今回思い知らされた。
(数えきれないくらいイッちゃったし……)
向日葵さんの舌や指のテクニックで朝香はすぐに高みへ昇りつめ、脳が壊れてしまうのではないかと思うくらい体が反応してしまっていた。
(向日葵さんは……イッて、ないんだよね?)
保健体育の授業で男性の体のしくみは知識としてなんとなく知っているし、恋愛小説で射精だの白濁液だのといったワードを熟読してきているので、朝香が睡魔に襲われるまでは少なくともそれらが展開されなかった……つまりは向日葵さんだけは絶頂に至らなかったのだろうと想像出来る。
「大丈夫かなぁ向日葵さん……モヤモヤした気持ちのままバイト行ったんじゃないかなぁ」
自分ばかり気持ち良くなって向日葵さんだけ我慢させたのではないかと不安になった朝香は、身支度を整えながら向日葵さんの帰りを待ち……
「おかえりなさい! 向日葵さんっ!」
バイク音が聞こえ向日葵さんが帰宅してきたと知るなり外へ出て彼に抱き付く。
「ちょ……えっ? あーちゃん?!」
ヘルメットを急いで脱ぎ驚いた顔を向けている向日葵さんを朝香は上目遣いで見上げ
「向日葵さん、眠たくない? 体、しんどかったでしょ?」
まずは彼の体を気遣う。
「あーちゃんってば、優しいしかわいいなぁ」
103号室に招いてくれた向日葵さんの表情はデレデレとして口元も弛みっぱなしだ。
「今日の授業って2限からだっけ? 少しでも寝た方がいいよ? 私心配で……」
本当は「イクの我慢させてごめんね」も言いたいのだが、早朝なのもあってそれだけは口に出来ずにいる。が、向日葵さんの睡眠不足が心配なのは確かだ。
「ありがとうあーちゃんその気持ちだけでも嬉しい」
向日葵さんは朝香の頭を撫でながらニコニコ微笑んで
「確かに、ちょっと寝た方がいいかも。あーちゃんを抱き枕にして寝れたら最高かも♪」
と言い、すぐに「冗談だよ」とフォローまで入れてくれる。
「うぅぅ~、抱き枕ならいくらでもなるよぅ♡」
朝香はたまらずギューッと抱きついてみせたのだが
「だぁめ♡ あんなに可愛いあーちゃんを知っちゃったんだもん、抱き枕じゃ済まなくなっちゃう♡」
向日葵さんは朝香の頬を愛おしくスリスリ撫でながらもやんわりと断った。
「我慢出来なくなって寝れなくなっちゃう?」
「うん♡ それに、あーちゃんをお仕事に行けないようにしちゃうかも♡」
彼の表情からも朝香を求めたくて仕方ない様子が見てとれる。言う事に逆らったら本気で帰してもらえなくなりそうだ。
「じゃあ、また夕方図書館でね」
仕方なしに朝香が彼に手を振ると
「うん、夕ご飯食べた後にイチャイチャしてもいい?」
と、訊いてきたので朝香は満面の笑みで頷く。
(また今夜もイチャイチャ♡ 恥ずかしいけど嬉しいなぁ♡)
イチャイチャの約束だなんて照れ臭い。
けれども、彼の心の中に燻る過去の辛さが癒えているのであればより嬉しいと感じていた。
(向日葵さんの初恋の痛み……私とのイチャイチャで少しでも忘れてくれたらいいなぁ)
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