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巨蟹宮のマークと、双子のような僕達
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「花……」
呼び返した僕の目は涙で潤んでいく。
「本当はね、『ワンコのタイチ』って設定……私にはよく理解出来なかったの。タイチってカタカナみたいな呼び方をしてみてもなんか、しっくりこなくて」
「……っ」
「本当はね、私……設定の事は頭に入れてなくて、心の中で、秘かに、太地って呼びながら口ではタイチって言ってた。
だってそのくらい、私は愛しているし大好きだから」
「……っ……うぅ」
嬉しさがバグを起こす。今から熱く愛し合おうとしているのに、肉体は準備が整っているのに、涙がとめどなく流れていく……
「太地」
彼女が、泣きじゃくる子供に優しく呼び掛ける。
「花……」
「そう、今だけでもいいから、私を花って呼んで」
彼女が、僕の頭を撫でて
「ん……」
「私も、太地って、呼ぶから」
「んっ」
僕の首に両手をかけて、また熱く舌を絡めていく。
「太地」
唇が離れた直後、彼女はまた僕の名前を呼んだから
「花」
僕はようやく、男として、目の前の愛する人の名を呼ぶ事が出来た。
初めて彼女の穴に差し込もうとした時、挿入が難しいと感じた。
「はあああん♡」
「穴がとってもトロトロでやわらかくなってるから、先っぽがズブズブ飲み込まれていくよ」
けれど今は違う。驚くほどにスムーズだ。
ゴム膜付きの棒の先を小さな穴に当てた瞬間クプンと呑み込んだ感覚がして、そこからは体重をかけなくても楽に挿入されていく。
「あああ……もっと、もっと来てぇ♡」
「うん……もっともっと、花の中に入りたい♡」
「太地」と「花」の呼び名が、硬い枷を全て解いて
「はあぁ♡」
「感じる? ココをグリグリしてあげる」
本当に溶け合っていけるのだと、そんな感覚がした。
「ああんっ! あっ……そこ、好きぃ♡」
「好きでしょ? ここ気持ちいいのは指で知ってるよ」
「んあぁ♡」
「指よりしっかり当たる? 気持ちいい?」
「きもちぃ♡」
性感帯を刺激しようとグラインドさせると、滑らかで綺麗な花な脚が僕の腰にしっかりと絡まり、僕の動きに合わせて花の腰も動いて大きく口も開けてくれる。
「もっと奥まで挿れていい?」
僕の問いに花は、満開になるみたいな笑みを浮かべて
「一番奥まで来て。太地を先っぽから根元まで、全部感じたいから」
そんな、股間にギュンギュンくるような言葉を使うんだから……
「望み通りにっ……してあげるっ」
そこから一気に奥まで挿れてガツンと打ち付けた。
「ああああああああっ」
花は痛がっているような……でも快感で打ち震えているような表情や声をあげる。
「っ……花ぁ」
もしかして痛くしすぎてしまったかと思い一度腰を引いて……今度は打ち付けるのではなく、ゆっくりと膣奥に圧をかけるようなやり方で、根元まで挿入した。
「んはああああああああああ……」
さっきよりも気持ち良さそうな喘ぎを大きな口から発する。
間違えてなかったと、僕もホッとした。
「全部入ったよ花……気持ちいい? 先っぽも、真ん中辺りも、太い根元も全部全部分かる?」
僕の問いに花は口を開けたまま、コクコクと頭を細かに動かして
「先っぽもぉ♡ 真ん中のとこもぉ♡ 太い根元のとこもぉ♡ ぜぇんぶぅ、大好きぃ♡」
エッチなセリフをエッチな表情でガンガン煽ってきた。
「花の奥も、真ん中辺りも、穴の入り口のところも全部全部気持ち良くて大好きだよ。『僕のを離したくない』ってきゅんきゅん締めてくるとこなんか最高で大好き♡」
2人で微笑みながら「大好き」を言い合っていると胸が熱くなって、つい奥をトンッと突いてしまう。
「んぁあ!」
恍惚に打ち震えている表情にも痛みを堪えている表情にも、どちらともとれるような花の反応に、未経験の僕は少し不安になった。
「奥って痛いの? ……やめた方がいい?」
気持ち良いから出来れば責め立てたいんだけど、痛くなるのであれば続けても意味が無い。
童貞の陳腐な理想と言われればそれまでだけど、恋焦がれた人とこういう行為をしたいと望み続けようやくそれが叶ったのだから、出来れば微笑み合って気持ち良く感じ合って吐精を迎えたいと思っている。
まだ辛そうに顔を引きつらせている花はそれでも僕を安心させたいとばかりに手を伸ばし、汗まみれの茶髪を梳くように撫でて
「痛いけど、痛くしていいよ。太ちゃんとの初体験を……『私も初めて』って感覚に浸りたいから」
そう言って微笑みかけた。
「別に気にしないよ、花の初体験の相手が誰かなんて分かり切ってるし。
僕が花に恋した時点でもう、『お互い初めて』なんてあり得ないんだから」
童貞の男なら、誰しもそれを一番に望むんだろう『初体験は相手も初めてなのが理想』と……。
そしてそれを望んでしまうのは、単に男のプライドが許さないからだ。自分に性的なテクニックがない事を相手に知られてガッカリされるのが怖いから。
もしそれでも経験者相手に童貞を捨てるシチュエーションを迎えたのだとしたらそれは「捨てさせてもらう」というこちら側の意識がないとモチベーションが上がらない。
呼び返した僕の目は涙で潤んでいく。
「本当はね、『ワンコのタイチ』って設定……私にはよく理解出来なかったの。タイチってカタカナみたいな呼び方をしてみてもなんか、しっくりこなくて」
「……っ」
「本当はね、私……設定の事は頭に入れてなくて、心の中で、秘かに、太地って呼びながら口ではタイチって言ってた。
だってそのくらい、私は愛しているし大好きだから」
「……っ……うぅ」
嬉しさがバグを起こす。今から熱く愛し合おうとしているのに、肉体は準備が整っているのに、涙がとめどなく流れていく……
「太地」
彼女が、泣きじゃくる子供に優しく呼び掛ける。
「花……」
「そう、今だけでもいいから、私を花って呼んで」
彼女が、僕の頭を撫でて
「ん……」
「私も、太地って、呼ぶから」
「んっ」
僕の首に両手をかけて、また熱く舌を絡めていく。
「太地」
唇が離れた直後、彼女はまた僕の名前を呼んだから
「花」
僕はようやく、男として、目の前の愛する人の名を呼ぶ事が出来た。
初めて彼女の穴に差し込もうとした時、挿入が難しいと感じた。
「はあああん♡」
「穴がとってもトロトロでやわらかくなってるから、先っぽがズブズブ飲み込まれていくよ」
けれど今は違う。驚くほどにスムーズだ。
ゴム膜付きの棒の先を小さな穴に当てた瞬間クプンと呑み込んだ感覚がして、そこからは体重をかけなくても楽に挿入されていく。
「あああ……もっと、もっと来てぇ♡」
「うん……もっともっと、花の中に入りたい♡」
「太地」と「花」の呼び名が、硬い枷を全て解いて
「はあぁ♡」
「感じる? ココをグリグリしてあげる」
本当に溶け合っていけるのだと、そんな感覚がした。
「ああんっ! あっ……そこ、好きぃ♡」
「好きでしょ? ここ気持ちいいのは指で知ってるよ」
「んあぁ♡」
「指よりしっかり当たる? 気持ちいい?」
「きもちぃ♡」
性感帯を刺激しようとグラインドさせると、滑らかで綺麗な花な脚が僕の腰にしっかりと絡まり、僕の動きに合わせて花の腰も動いて大きく口も開けてくれる。
「もっと奥まで挿れていい?」
僕の問いに花は、満開になるみたいな笑みを浮かべて
「一番奥まで来て。太地を先っぽから根元まで、全部感じたいから」
そんな、股間にギュンギュンくるような言葉を使うんだから……
「望み通りにっ……してあげるっ」
そこから一気に奥まで挿れてガツンと打ち付けた。
「ああああああああっ」
花は痛がっているような……でも快感で打ち震えているような表情や声をあげる。
「っ……花ぁ」
もしかして痛くしすぎてしまったかと思い一度腰を引いて……今度は打ち付けるのではなく、ゆっくりと膣奥に圧をかけるようなやり方で、根元まで挿入した。
「んはああああああああああ……」
さっきよりも気持ち良さそうな喘ぎを大きな口から発する。
間違えてなかったと、僕もホッとした。
「全部入ったよ花……気持ちいい? 先っぽも、真ん中辺りも、太い根元も全部全部分かる?」
僕の問いに花は口を開けたまま、コクコクと頭を細かに動かして
「先っぽもぉ♡ 真ん中のとこもぉ♡ 太い根元のとこもぉ♡ ぜぇんぶぅ、大好きぃ♡」
エッチなセリフをエッチな表情でガンガン煽ってきた。
「花の奥も、真ん中辺りも、穴の入り口のところも全部全部気持ち良くて大好きだよ。『僕のを離したくない』ってきゅんきゅん締めてくるとこなんか最高で大好き♡」
2人で微笑みながら「大好き」を言い合っていると胸が熱くなって、つい奥をトンッと突いてしまう。
「んぁあ!」
恍惚に打ち震えている表情にも痛みを堪えている表情にも、どちらともとれるような花の反応に、未経験の僕は少し不安になった。
「奥って痛いの? ……やめた方がいい?」
気持ち良いから出来れば責め立てたいんだけど、痛くなるのであれば続けても意味が無い。
童貞の陳腐な理想と言われればそれまでだけど、恋焦がれた人とこういう行為をしたいと望み続けようやくそれが叶ったのだから、出来れば微笑み合って気持ち良く感じ合って吐精を迎えたいと思っている。
まだ辛そうに顔を引きつらせている花はそれでも僕を安心させたいとばかりに手を伸ばし、汗まみれの茶髪を梳くように撫でて
「痛いけど、痛くしていいよ。太ちゃんとの初体験を……『私も初めて』って感覚に浸りたいから」
そう言って微笑みかけた。
「別に気にしないよ、花の初体験の相手が誰かなんて分かり切ってるし。
僕が花に恋した時点でもう、『お互い初めて』なんてあり得ないんだから」
童貞の男なら、誰しもそれを一番に望むんだろう『初体験は相手も初めてなのが理想』と……。
そしてそれを望んでしまうのは、単に男のプライドが許さないからだ。自分に性的なテクニックがない事を相手に知られてガッカリされるのが怖いから。
もしそれでも経験者相手に童貞を捨てるシチュエーションを迎えたのだとしたらそれは「捨てさせてもらう」というこちら側の意識がないとモチベーションが上がらない。
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