大精霊に愛されて

鬼灯

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寝苦しい。狭い。
サーシャがぼんやりと目を覚ます。
目の前には、厚い胸板があった。
サーシャは、昨夜の事を思い出し、顔を赤らめる。




「起きたか、サーシャ」




のそりとイザヤが肩肘をつく。
イザヤに顔を覗き込まれ、サーシャは赤くなる。
そんなサーシャの様子に、イザヤは笑みを深める。




「まだ早い、寝ていろ」




そう言うと、イザヤはベッドから離れる。逞しい躰を惜しげもなく晒し、イザヤは服を着る。
その様子を見て、サーシャはほうと息をつく。



(………昨日の夜)




イザヤに抱かれ、途中から訳が分からなくなったサーシャは躰が節々が痛いのに、顔を赤らめる。
昨日の夜の事を思い出したからである。




「躰が辛いだろう、ゆっくりするといい」




笑みを浮かべるイザヤに、サーシャはちょっと恨めしげに見つめる。




「悪い。だが、サーシャを抱けると思ったら、理性が切れた」




そう言うと、イザヤはベッドに横たわるサーシャに口吻る。





「エマとリリーに、軽食を運ばせる。ゆっくりするといい」




ふふと笑い、イザヤはベッドから離れる。どこか上機嫌であった。
入れ違いのように、エマとリリーが部屋に入って来る。




「サーシャ様、湯浴みをいたしましょう」



なにも言わず、二人はサーシャを湯浴みに誘う。サーシャも誘われるまま、湯浴みに向かったのであった。













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