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しばしばある事だか、アースをモノにしようとする輩は多い。
ローカルは、またか、ととため息をつく。
「なんか、御愁傷様」
「人の顔、見ただけで倒れるのに、拐いに来るか。馬鹿かよ」
呆れたように、アースは言う。
(いやいや、お前の笑顔って、破壊力あるからな)
ローカルはそう思うも、口にはしない。言えばアースが不機嫌になるのを知っているからだ。
とはいえ、アースは警戒心マシマシで、自身の祖父母とローカル、ローカルの家族ぐらいだろうか、懐に入れているのは。
顔で食えるってぐらい、アースの顔は整っている。アースの母がそうだった。あの勤勉で常識的な祖父母から、何であんな価値観の歪んだ娘が育ったのか。アースはちょっと悲しげな表情をすれば、言うことを聞いてしまう、そんな村人の男衆にも、問題があったのでは、と思っている。
「アースの母ちゃんも、美人だったんだろう」
「まあね。頭、悪いけど」
「お前ね、親に向かって」
「だってさ、二十代後半のお袋が、十二歳の子供と駆け落ちしてる辺り、馬鹿だろ」
「ああ、確かになぁ」
「捨てられてるだろうな、今頃」
アースは辛辣に言う。
だが、事実、アースの母親マニアは捨てれていた。村から出て、一月ともたず。マニアは村に戻ろうとして、人攫いにあい、奴隷として売られていた。アースはそうとは知らず、拐われているんじゃない、と考えていた。
ローカルは、またか、ととため息をつく。
「なんか、御愁傷様」
「人の顔、見ただけで倒れるのに、拐いに来るか。馬鹿かよ」
呆れたように、アースは言う。
(いやいや、お前の笑顔って、破壊力あるからな)
ローカルはそう思うも、口にはしない。言えばアースが不機嫌になるのを知っているからだ。
とはいえ、アースは警戒心マシマシで、自身の祖父母とローカル、ローカルの家族ぐらいだろうか、懐に入れているのは。
顔で食えるってぐらい、アースの顔は整っている。アースの母がそうだった。あの勤勉で常識的な祖父母から、何であんな価値観の歪んだ娘が育ったのか。アースはちょっと悲しげな表情をすれば、言うことを聞いてしまう、そんな村人の男衆にも、問題があったのでは、と思っている。
「アースの母ちゃんも、美人だったんだろう」
「まあね。頭、悪いけど」
「お前ね、親に向かって」
「だってさ、二十代後半のお袋が、十二歳の子供と駆け落ちしてる辺り、馬鹿だろ」
「ああ、確かになぁ」
「捨てられてるだろうな、今頃」
アースは辛辣に言う。
だが、事実、アースの母親マニアは捨てれていた。村から出て、一月ともたず。マニアは村に戻ろうとして、人攫いにあい、奴隷として売られていた。アースはそうとは知らず、拐われているんじゃない、と考えていた。
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