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かつかつと歩くアースに、ハレースが後を追いかけて来る。
「神子様」
それに嫌そうな顔で振り返る。
「申し訳ありません。この先神子様は、王家預かりになります。護衛もつきましょう」
「護衛、ですか」
「はい。厄介事は減るでしょう」
「ありがとうございます」
今まさに、厄介事の真っ最中。だがハレースに言っても、説教が待っていそうで言わない。
そのやり取りをローカルが聞いていた。
「よう、アース。神子様って、何」
「ファミカ様の寵児だってさ」
「……………俺も、加護ありだってさ。魔術師の才能有り、狩人の才能有りだってさ」
「そっか。良かったな」
「目が死んでるぞ」
「だってさ、王家預かりになるらしい」
「ああ、俺も」
二人はハハハと笑いながら、歩く。どちらも疲れたように笑う。
「でも良かったじゃん、護衛つくらしいし」
「まあ不審者からは、身が守れるかな」
あえて言うなら、そこだけだ。いいの。と、アースはため息をつく。
「目立ちたくない」
呟くアースに、ローカルは笑う。
「もう、目立ってるって」
と、止めをさす。
アースはすでにその整いすぎた顔で、人を振り向かせている。ため息をつかれて、うっとりしている者までいた。
「二人とも、宿に急ぐよ」
案内人に急かされ、アースとローカルは足早に教会を後にしたのである。
「神子様」
それに嫌そうな顔で振り返る。
「申し訳ありません。この先神子様は、王家預かりになります。護衛もつきましょう」
「護衛、ですか」
「はい。厄介事は減るでしょう」
「ありがとうございます」
今まさに、厄介事の真っ最中。だがハレースに言っても、説教が待っていそうで言わない。
そのやり取りをローカルが聞いていた。
「よう、アース。神子様って、何」
「ファミカ様の寵児だってさ」
「……………俺も、加護ありだってさ。魔術師の才能有り、狩人の才能有りだってさ」
「そっか。良かったな」
「目が死んでるぞ」
「だってさ、王家預かりになるらしい」
「ああ、俺も」
二人はハハハと笑いながら、歩く。どちらも疲れたように笑う。
「でも良かったじゃん、護衛つくらしいし」
「まあ不審者からは、身が守れるかな」
あえて言うなら、そこだけだ。いいの。と、アースはため息をつく。
「目立ちたくない」
呟くアースに、ローカルは笑う。
「もう、目立ってるって」
と、止めをさす。
アースはすでにその整いすぎた顔で、人を振り向かせている。ため息をつかれて、うっとりしている者までいた。
「二人とも、宿に急ぐよ」
案内人に急かされ、アースとローカルは足早に教会を後にしたのである。
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