転生魔王と転生勇者

十六夜

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サーペント狩で、、

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ー暗黒大陸・最果ての海・西海岸ー
最果ての海、それは魔族の住む暗黒大陸と人類達の住むエザード大陸を隔てる壁である。
海は塩の流れが複雑で一度、渦に飲まれれば待っているのは死である。それを生き延びたとしても、サーペントの餌食となり必ず死ぬ。そして、その先には永遠に光の見えぬ空の下、魔族が暴れまわっている。魔王を倒して800年、現在の暗黒大陸を知るものはいない。
~レナード・タレス~

「これが人類の一般常識ですか、まるで悪役ですね。しかし、魔王を倒したですか。おそらく、僕のお祖父様を殺害したのでしょうね。っと、すっかりここに来た意味を忘れる所でした。」

サーペント全長2~8メートルにもなる巨大な海蛇。
大抵が一匹で活動しているが、産まれたばかりの子供は独り立ちまで親と過ごす。水中での動きは機敏で、海に居るサーペントはシーサーペント。湖そして稀に川にいるサーペントはレイクサーペントと呼ばれる。

サーペントの情報で僕の本棚に有るのはこれがせいぜい、サーペントの資料ではなく海洋生物の図鑑にしたのが間違いでした。まぁ、魔族の学者の研究成果なので、ドラゴンと記載していない点では、間違ってはいませんが、、、。

「、、、サーペントの生息域までは船で1キロ程ですか、、、困りました。船何て持っていません。かと言って、泳ぐ訳にはいきませんし、、、。どうしましょうか?」

水、、、凍らせる事が出来ないでしょうか?

「氷結(フリージング)」

魔法は発動し、海だった場所は7メートル程がまるで氷河の様になりました。流石にこれは、想定外です。でも、これなら1キロ先まで行けるはず。
もっと、魔力を込めて、、、

「氷結(フリージング)」

自分に降りかかる脱力感、それを感じながらも魔法は発動しました。凍った海は、まるで大地の様に硬く、傷も中々付きません。

「1キロまでは届きませんでしたが、サーペントが居ると思われるポイントまでは来れたので良しとしましょう。あとは、、、来ましたか。しかし、図鑑に載っていた物と姿形が異なりますね。 」

サーペントは縄張り意識が強いため、船を襲います。縄張りに入り込んだ異物だからです。その原理を利用して海面でバシャバシャと水飛沫をあげていたのですが、、、。来たのは体表が赤く、牙が口からはみ出し、血走った目をぎらつかせた20メートル以上ある大蛇でした。

名前:レッドサーペント ランク:SS レベル250
種族:サーペント

ランクはFから始まり最高ランクSSSで終わります。僕のランクはSSSですが、レベルは14。レベルは自分の実力を表した存在で、ランクがいくら上でも、今の僕ならランクAAAのレベル50位までしか戦えません。勝つとなったらAAのレベル100位まで、とてもじゃ無いけど勝てません。ですが、縄張りを犯したせいで逃げる事は困難を極めす。、、、護衛に魔装鎧の一人でも連れて凝れば良かった。なんて、魔王の息子としてプライドが許しません。

「氷の上なら、岸まで逃げられますね。」

僕は、氷の上を全力で走りました。しかし、レッドサーペントはその氷をことごとく破壊し、僕を追い詰めてその腹に納めようとしてきました。

「あと、少し」

「ギャアアアアオオオオ!!!」

あと、少しだったのにあと、100メートル走れれば、
死にたくない。死にたくない。死にたくない。
海の中に落ちた僕をレッドサーペントは大口を開けながら、飲み込もうとしてきます。

「地獄の業火(ヘル・インフェルノ)」

死にたくない一心で、自分の出来る最高の魔法を放ちました。辺りは水蒸気となり、氷が溶け水が沸々と沸騰しています。レッドサーペントは口に、魔法を叩き込まれ、悶え苦しんでいました。

「何とか、岸まで泳がないと!」

その時、希望を見いだせた僕に更なる絶望が降り注ぎました。空が陰ったのです。雲が厚くなり、風が強くなった。

「、、、そんな、嘘だ。」

嵐でした。嵐で津波が押し寄せ僕を包み込み、浮力を何度も奪って行きました。助からない、呼吸も上手くいかない。岸から何度も離され、泳ぐ気力さえも、失われて行きました。肺に海水が入り込み、服は海水を染み込ませより重くなる。服の中の空気より重くなっては、もう助からない。消え行く意識の中、家族の顔が走馬灯のように見えました。

(父上、母上、姉上達も、、、どうか墓は最高の材質で作って下さい。)

自分が沈んで行く感覚を覚えながら、意識は落ちていきました。

(あぁ、また死ぬのか、、、あれ?何で[また]なんて、、、。)

ー暗黒大陸・最果ての海・西海岸ー

「クロエ様!」

「イシュメールは見つかったか!」

「いえ、ですが魔法で凍らせたと思われる場所を見つけました。サーペントの生息域近くまで延びています。恐らくは、イシュメール様であるかと、、」 

嵐から半日近くたってから私は、イシュメールがこの西海岸に来ている事を知った。あの嵐で海の近くに居たと言うことは、何かあってからでは遅いんだ。イシュメール、今そこに行く。

「!何だこの惨劇は、、、」

「海が燃えている。」

副官の言うとおりだった。この一帯で海水が異常な温度で蒸気で前が見えない。

「氷結地獄(ヘル・フリージング)」

私の魔法で燃えていた海水はいっきに通常の温度へと戻った。しかし、私の魔法を溶かすほど海水の温度が上がって居たとは、、、。

「クロエ様!ここにレッドサーペントが気絶しています。もしかしたら、、、。」

「馬鹿な事を言うな、ならそいつを引き上げて腹を裂け!もし飲み込まれたなら、イシュメールの身長だ。一飲みにされている、まだ助かる!」

「は!」

部下達がレッドサーペントを引き上げて、腹の中身を調べてもイシュメールの姿は無かった。

「、、、陛下に報告しろ。イシュメールは海に拐われた可能性がある。生存確認は不可能だと、、」

「、、、了解しました。」

「イシュメール、ごめん、ごめんね。私が、、、私が気にかけていれば、、、ごめんね、イシュメール。」

私は自分の無力さを嘆き、泣いた。イシュメールの亡骸があるだろう最果ての海に向けて、、、。

「もし、生きて別の、人類の大陸に居ても必ず、必ず見つけてあげるから。イシュメール、、、。」

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