I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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1st season 第二章

034 武装

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「はぁ~アンタってホントわかんないわ」
「何がだよ?」
「命がけでオークの群れから助けてくれたと思ったら、借金をネタに女の人にイヤラシイことしてるし・・・なのにラティアさんのあの態度、全然嫌がってないし・・・なんなのよっ!?」
「何なのよっていわれてもなぁ?いつも俺にはそんなに選択肢があったわけじゃない気もしないでもないので(しどろもどろ」
「アタシの事も・・・そうゆう目で見てるの?・・・うまいことれそうって・・・」
「無いな」
「・・・それはそれで納得いかないわね」
「いいか?はっきり言っておまえは美人だ。胸はそんなに大きくないが、あの乳首は未だに目に焼き付いてるほど素晴らしい。世界に誇っていいと思う。だが、エロいことをするにはソレだけじゃダメだろ?それだけじゃ全然気持ちよくならない・・・でもないか。気持ち良さからはじまって、あとから心が追い抜いてくってのもあるしな」
「・・・いい事言ってるのかタダのスケベなのか全然わかんない・・・そんなに・・・アタシのちくび好きなの?」
「大好きだ!」
「・・・」

爽やかな朝のトークを交えつつ、俺達は南門を出た。
まずはシリアの現状仕様を把握しなければならない。

【シリア LV17】
種族:ダークエルフ
ギフト:回復魔法
 ・ヒール回復
 ・デドック毒消し
 ・キュアー状態異常回復

ヒールかデドックなら25回くらい、キュアーなら10回くらい使えるらしい。
つまり、ポーションが一日20本限定で無料という事だ。
男なら「お前もうタンクやっとけ!」と言いたいところだが、女子にタンクをやらせるのは男の精神的ダメージが大きくて無理。
っていうかタンクはブロックさんで間に合ってる。

「なぁ、実は弓とか得意だったりしないの?」
「エルフだからって誰もが弓に興味を持つと思わないことね」
「・・・とりあえず、これ、ちょっとってみ?」

零式を持たせてみる。

「コレ、オークをバタバタ倒してた武器よね?あのとき初めて見たわ」
いしゆみって武器だな。正式名称は『零式複合弩ぜろしきふくごうど』、開発製作は俺」
「アンタが作ったの?」
「うむ、くるしゅうない」
「・・・なんでもありね。あと、その、どこから出てくるかわかんないギフト?教えなさいよ」
「うーん、細かな性能は誰にも話してないんだけど・・・アレ?話したか?・・・まぁいいや。I.B.アイテムボックス。とりあえず目に見えない巨大な袋を持ってるギフトだと思っとけ。袋の中では時間も止まってるし重さも変わらない。はるか昔に存在したユニークスキルで、たぶん今はこの世界で俺しか持ってない」
「アンタ・・・勇者かなんかなの?」
「いや、女子の裸体に興味を持ち始めた思春期の普通の男子だな」
「・・・まぁいいわ」
「どれ、とりあえず手本を見せる。こう構えて、このレバーを引くとボルトが飛ぶ」

バシュッ ズガッ

「同じようにあそこの木を狙ってやってみそ」
「こ、こう?」

バシュッ ズガッ

「・・・なんだろう、作った自分を褒めるべきか?初心者と変わらない自分を嘆くべきか?」
「当たったんだからいいでしょ?これならやれる気がするわ。もっとたせてよ」
「じゃ、ボルトの装填からな。先端にあるこのアームを脚で踏んづけて、クイッと引っ張ってこの爪に弦のリングを引っ掛ける」
「くっ・・・んぬぬぬぬ・・・・出来たわ!」
「うーん、引くのは結構きつそうだな」
「早く矢をちょうだい」
「どっちでもいいっちゃいんだけど、これは一応『矢』じゃなくて『ボルト』な、弓用と混乱するから。んでボルトは隙間に横から入れて、矢羽は溝に入れて、後ろの割れ目にしっかりと弦をくわえさせる。そしたら前側をこのサイトの下のブラシに差し込んで完了」
「できたわ。撃つわ」

バシュッ ズガッ

「ねぇ、アンタあのときズガガガガガって連続して撃ってたわよね?どうやったの?」
「アレは俺にしか出来ない。見てて」

バシュッ ズガッ バシュッ ズガッ バシュッ ズガッ バシュッ ズガッ

「それ、準備してたのをI.B.で入れ替えてる?」
「おー、シリアはかしこいのぅ」
「・・・アタシには無理じゃない」
「そう。このいしゆみの良いところは弓術スキルが無くても事で、あとこの滑車のおかげで弦を引くのがかなり軽くなってる。弱点は装填に時間がかかる。故障したら簡単に直せない。俺にとっては弱点にならないけど、普通は弓の方が強いな」
「ダメじゃない」
「でも、初めて撃ったシリアが俺と同じ的に当てられるんだぜ?」
「・・・そう言われてみれば凄いことね?」
「シリア用にもう少し小型で装填早いのをつくるべきか・・・待てよ?装填速度は諦めて固定砲台の方が理にかなって無いか?」
「なんの話よ?」
「コレの話よ(ふふふ」

全長192cm、全幅88cm、ボルト直径18mmの怪物を取り出す。

「アンチマテリアルライフル。略してAMRだ。100m先のオークリーダーを一撃で吹き飛ばしたのはこいつ。俺が半年かけて作った逸品だ」
「・・・すごく・・・大きい」
「デカくても小さくても撃つのはかわらん。これはこうやって撃つ」

地面に寝そべり、左肘で上体を支え、右手でストックを握る。
標的は、とりあえず120mくらいか?

「あっちにポツーンと立ってる木を狙うぞ」
「あんなの当たるの?」
「たぶんな。撃つ時は大きく生きを吸い、呼吸を止めて、絞るようにそっとだ。撃つぞ」

ブバシュッ・・・ズガーン!!!

「・・・とんでもないわね」
「これの装填が出来るなら、シリアも強力な火力になる」
「良いわね」
「よし、こっちに来てくれ。AMRはさっきの零式と違って最初にボルトのお尻に弦を挟む、矢羽を溝に入れてサイトのブラシに先端を通す。んで、こっちからフックを引っ張って、弦のこのリングに引っ掛ける。あとはこのハンドルを回すんだけど、やってみて」
「最初から?」
「そ。ボルトをつがえたらこのハンドルを回すんだ」

シリアが110cmのボルトをつがえ直す。

キコキコキコキコ

「想像よりも全然軽いわね」
「装填速度よりも楽さを重視したからな」

キコキコキコキコ

「でも時間はかかるわね」
「それは仕方が無いな。で、リングがその爪のとこまで来たらストップ。ハンドルを離すとボルトが戻っちゃうから、そのまま片手でリングを爪にかける。そうそう。爪にかかったらハンドルを少し逆回転。んでフックを外して、ハンドルを最後まで回しきってフックを収納。できたな。撃ってみ」

草原にシリアが寝そべる。
ホットパンツからはみ出した褐色の双子山ふたごやまがなかなか良い。

「えーと。大きく息を吸って、息を止めて、絞るように撃つと」
「ああ」

すぅー         ブバシュッ・・・ズガーン!!!

「わぁぁぁぁ。これ、いいわね?かなりいいわよ?」

お気に召したようだ。

「もう『エルフの癖に弓も引けない』とか言わせないわ!アタシ、アンタと組んで正解だったよね?」
「ああ。おれもこういう利点には気づいて無かったな」
「でしょでしょ?」
「おまえ、そのカッコでいたりしないのか?」
「するわよ?でもヒールがあるから問題ない。危ないからやめろとでも言う気?」
「いえ、むしろその調子でお願いします」
「・・・・あんた、どこ見てんのよっ!」
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