I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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1st season 第二章

033 変化と刺激

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翌朝食堂に降りると、今日もピンクの乳首が座っていた。
いやいやいつまでも呼ばわりは失礼だろう、乳首にもちゃんとシリアという名前があったはずだ。

「ちょっと、だからなんでそっち座んのよっ!」
「???」
「何また、みたいな顔してんのよっ!」
「えっと、俺?」
「だからアンタだって言ってるでしょっ!」

すごすごと席に着く。ラティアさんが朝食を運んでくる。

「おはよう」
「おはよう」
「で・・・乳首ちゃんはなんでココにいんの?」
「誰がちくびちゃんよっ!なんて呼び方してんのよっ!」
「おまえの中ではシリアなんだろうが、俺の中では乳首ちゃんだ、異論は認める」
「異論あるに決まってるでしょっ!」
「で、なんでココにいんの?また厄介ごと?」
「厄介ごとじゃないわよ、その、ちょっと相談っていうか・・・」
「やっぱ厄介事じゃねーか」
「違うわよ。ほら、アタシのパーティメンバーってみんな死んじゃったじゃない?」
「まぁ俺が殺したな」
「そうなると新しいメンバーが必要じゃない?」
「まぁ、そうなるな」
「だからねっ?アンタのパーティに入れてくれない?」
「いや、俺、パーティとかやってないから」
「そういう事言ってるんじゃないわよ!パーティ作ってって言ってるの!」
「うーん、まじパーティとか考えて無かったからなー。お前、何が出来んの?」
「回復魔法が使える。戦闘はしないわ!」
「えっ、全然しないの?」
「しないわよ?今までみんなそれでいいって言ってたし」
「・・・今回は御縁が無かったということで」
「なんでよっ?回復役は必須じゃない!」
「ポーションでいいし。俺にまったくメリットがない。むしろ護衛依頼じゃん」
「可愛い女の子が一緒にいてくれるのよ?めちゃくちゃメリットじゃない!」
「確かにお前が可愛いのは認めよう。だが断るっ!」
「・・・仕方ないわね。これならどうなのっ?」

バサリと上着を脱ぎ捨てたシリアがあまり豊かでは無い胸を突き出した。
白いタンクトップに二つの突起が眩しい。
うむ、じっと見つめていると脳内補完でピンク色に見えてきた、素晴らしい。

つんっ

「ひゃうっ・・・アンタ、なんて事すんのよッ!」

うおっ、自分でもびっくりするような行動に出てしまった。
考えてみれば俺も思春期まっさかりの男子、頭の中が女の子の裸でいっぱいなのが普通だ。

だが・・・ユリアと俺はそうじゃなかった。
れるのはおろか、そっち系の話題すらタブーだった・・・ユリアが困るから。
だから俺も抑えこんだ。
我慢するとかそういうレベルじゃなく、もう意識する事もなく自然に・・・そんなものは存在しないかのように振る舞った。
それが、ラティアさんに癒やされ、アベルやみんなに強引に叩き起こされ、初めて同世代の女友達を得た事で、歯止めなく遅咲きの思春期に突入してるっぽい。
これはイカン。
・・・イカンのか?

「ちょっと、なんとか言いなさいよ!」
「いやっ、そんな突き出されたら反射的に触るじゃん?普通」
「そんなわけ無っ・・・まぁいいわ。こんな事までしておいて、断らないわよね?」
「真面目な話、俺一人じゃ守り切れる自信が無い。おまえにとってももっと普通のパーティ探した方がいいと思うぞ?」
「・・・無理なのよ」
「なんで?」
「怖いの。アンタ以外の男が怖くなったの!パーティなんて絶対無理っ!」
「うーん・・・何も無理に冒険者の道を進む事も無いんじゃないか?常に命の危険があるんだぞ?回復使えるなら治療院にだって入れるだろ?」
・・・・・・覚えるから
「ん?」
「戦闘も覚えるからカインのパーティに入れて下さいっ。お願いします」

ぎゅっと目をつむり、美しい少女が頭を下げる。
確かにこのが一緒なら楽しくはなるだろう、でも・・・このに何かあったら・・・守り切れなかったら・・・。
いや、違うな。
魅力的な女の子のを身の回りに置いて、また裏切られるのが、奪われるのが怖いんだ。
まいったな・・・結構根深いんだ、コレ。

「カイン様」
「ラティア?」
「少し、聴こえてしまいました。入れてあげて下さいませんか?」
「えっ?」
「カイン様には同世代の友人が必要です。・・・避けてるでしょ?」
「・・・」
「「お願い(します)」」
「わかった。でも、パーティ登録じゃなく一緒に行動するだけだ。ちょっとそこはまだ、無理な気がする。それでもいいか?」
「ヤッタ!女将さん、ありがとうございました。あと、ココって部屋空いてますか?」
「カイン様の為です。お部屋の方は・・・カイン様の隣りで宜しければ、少々煩い代わりにお安く出来ますが(ニコリ)」
「ラティアさん!?」
「お願いしますっ!今日のうちに移って構わないですか?」
「もちろん、お待ちしてますね。カイン様、楽しくなりそうですね」

本当にその日のうちにシリアは越してきた、っていうか当然のように荷物を運ばされた。

その夜・・・

チャポン スッ スッ スーッ チャポンッ

「ラティアさん、なんであんな事したの?しかもわざわざ隣なんて・・・」
「カイン様に同世代の友人が必要だというのは本当です。隣にしたのは・・・半分は、目の届く所の方が安心できるでしょ?」
「もう半分は?」
「ささやかなイタズラ。知り合いの女の子に聴こえちゃうかもって思ったら、ドキドキしちゃうかも?・・・シリアさんには、少しイジワルだっかしら?」
「・・・」
「私はシリアさんが混ざっても嫌がりませんよ?仲間はずれは嫌ですが・・・」
「シリアの事は、とりあえずそういうつもりとか無いです」
「あんなに可愛いのに?」
「可愛いいのは認めるし、少なからず好意を抱かれてるのもわかってます。でも、自分でもよくわかってないけど、ダメな気がします」
「やっぱりカイン様は優しいですね」

~~~~~

翌朝、一階の食堂。

「ねぇ、アンタの部屋からなんかが聞こえるんだけど、大丈夫なの?」

ブフォッ

周囲の常連組が一斉にいた。

「・・・」
「あらお恥ずかしい。よくお休みになれました?」
「あ、ラティアさん、おはようございます。このところ眠れない日が続いたんですが、ぐっすりでした。で、恥ずかしいって何がですか?」
「いえ、早速おつとめの声を聞かれてしまったようなので(ポッ」

ブフォッ

今度はカインがいた。

「ラティアさん、心の準備をするまえにぶっ込むのやめてください」
「えっ?えっ?えっ?」
「カイン様、仮とは言え背中を預けあってペアを組むのです、隠し立てて不信がつのれば命に関わります。お教えして宜しいですね?」
「はい。さすがにハードル高いのでお願いします」
「シリアさん、私は白金貨一枚2億円分の負債がカイン様にございます。返済の為に毎夜・・・ではありませんが、カイン様にご奉仕させて頂いているのです。それはもぅ、若さに任せてスンゴイ事を・・・」
「アンタっ!この鬼畜っ!なにやってんのよっ!」
「いや、なんかメチャメチャ語弊がある気がするんだけど、嘘はひとつも無いので否定できない」
「シリアさんもご一緒されますか?」
「「ご一緒しませんっ!」」

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