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1st season 第三章
059 目標
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/*** 長い割に内容がつまらない(汗。 by 作者 ***/
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
何故だろう?
新婚旅行(性奴隷付き)の予定が、修学旅行の引率になった・・・。
まぁ、ユリアもちゃんと輪の中に入れてくれてるようだし、っていうかむしろ真ん中でイジラレ役にされてるみたいだし、いいっちゃいいのか・・・
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
しっかし行きはシリアと二人だったのに、帰りは嫁と7人の家臣を抱える事になるとは・・・何かしらちゃんと考えないとな。
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
しっかしなー、相変わらず目標とか無いし。
あっ、一個だけあったな、失敗、王都にいる間に買っとくんだった。
今から隷属の首輪買いに戻るとか言えないよな・・・エルダーサでも売ってるのかな?
いや、そっちじゃないそっちじゃない。
まず、目標って言うよりか決意?シリアとユリアを二度と奪われない事。アベルさんとラティアさんもだな。
人生の目標がハーレム維持しか浮かばないってクズだな・・・でも家族を守り続けるって考えれば・・・いやっ、そんなキレイ事じゃないな、取られたくないだけだ。
うん、そこは開き直ろう。
偉くなるのも金持ちを目指すのも、突き詰めれば女だ。
一部偉くなる事そのものが目的になってる人種も居るけど、大抵は旨いもん食っていい女囲いたいってのが本音。
いや、違うか。
偉くもなれないし大して給料貰えるわけでも無いのに死ぬまで働き続ける意味不明な奴とか居たしな、例えば俺とか。
女の人の場合どうなんだろ?
あー、人それぞれか。
いいや、俺は現状維持が目標だ。
ラティアさんのご飯おいしいし、いい女ならこれ以上無いってのが既に手の中にある、もう、過程すっ飛ばしていきなりゴールし終わってる状態だ。
維持し続けるにはどうすればいいんだ?
とりあえずお金はある。
とすれば、やっぱ偉い人が出てきて「その女を差し出せっ!」的な展開が一番のリスクか?
その場合、対抗手段は・・・武力と権力、しかないよな。
うーん、権力とか無理だよなー。
そんなん出てきたら逃げるしか無いっ。
いや、漠然と考え過ぎだ。
まずはエルダーサにいる限り安全ってラインを確保しよう。
幸い領主様とは面識があるし、それなりに好印象なはず。
と、なると抑止力も兼ね、A級を目指すのが一番か?
エルダーサには確か一人も居ないし、そうなればかなりの権力になるはず。
うん、そうだよ。
普通は上に行ってから手に入るものを、宙ぶらりんな奴が持ってたら奪われる。
上を目指そう。
えーと、昇格条件は確かこんな感じ。
###################################
Gランク 見習い扱い
Fランク LV10
Eランク LV20
Dランク LV30+ギルド評価
Cランク LV40+ギルド評価
Bランク LV50+ギルド評価
Aランク ギルド評価
パーティーランクはメンバーの平均値+ギルド評価
###################################
SとかSSが存在するって噂はあるけど、ギルドで公開されてるのはAまでの情報のみ。
ギルド評価は同ランクのモンスターを一人で5体、1ランク上のモンスターを一人で1体倒せる戦闘力と、そのランクの依頼を任せられるっていう人格の両面でなされる。
ってことは、Sランク1体、Aランク5体を殺れる戦闘力を証明して、ギルドにその価値ありと信用されてればいいわけだ・・・そもそもSとかAのモンスターなんてどんなのが居るかすら知らないし・・・。
今の俺はLV47のCランクで、スタンピードの功績が認定要因。
そもそもランクCのオークリーダーとオーガまでしか見たこともない。
単純にランクごとに5倍の強さと仮定すると、単独でオーガ25体・・・うーん、スタンピードのときのBランクの戦いを思い出すと、とてもそんなもんで済むとは思えないなぁ。
とすると直近ですべき事は
########### TO DO #############
1. BとAの昇格充足ギルド評価を調べる。
2. LVを最低50にする。
3. パーティー全体の底上げ(Cランク目標)
##############################
うーん、3番がフワッとしすぎだな。
つまり、オーガ5体を単独討伐できるように全員を育てる・・・うん、無理。全然想像できない。
ユリアはなんとかなっても他はなぁ・・・オーク5体が現実ラインだよな・・・。
うん、下方修正。
俺はBでみんなはD狙いで行こう。
となると、何を倒せばいいのかわからない俺は置いといて、どうやってみんなにオーク5体を倒させるかかな。
あ、そもそも甲冑組のギフトとか知らないし、そこからだ。
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
「あー、みんなちょっといいか?今後の事とか考えるんだけど、今のレベルとギフト教えてくれる?」
こんな感じだった。
#####################
LV20 シリア 回復魔法
LV35 ユリア 氷魔法
LV27 アベル 回復魔法
LV24 ライザ 御者の才
LV23 エマ 裁縫の才
LV23 リシェル 土魔法
LV23 スージー 算術の才
LV21 ミラン 火魔法
#####################
ミランさんの火魔法は、ファイヤーとファイヤーボールまでしか使えないらしい。
ユリアは一緒に居た頃よりも使える魔法も増えているそうなので今後検証。
うーん、俺の練度効果(中)って実は当たりだったのかも・・・算術とか裁縫でどうやってオークと戦えと・・・ライザさんは馬車で轢くのか?
「ねぇ、今後の事って?」
「あー、うん。それじゃラティアさんが居ないけど、第一回、ロックハウス家運営会議ってことで」
「「「「「「おー」」」」」」
「まず基本方針。ロックハウス家の家訓は『安全第一』、名誉の戦死とか一攫千金を狙って命をかけるとかナシです」
「なんかショボいけどアンタらしいわ」
「うん、だってお金も美女もこれ以上要らないじゃん?無理して誰か欠けるとか絶対嫌だし。そこで考えてみると、一番のリスクは偉い人が『その女をよこせっ!』とか言い出す事だと思った」
「まぁ・・・ユリアとかあり得るわね」
「ユリアに限らず、もしもそんな事になったら『自分が犠牲になれば』とか絶対考えないでね。その場合、全力で逃げます。逃走資金は充分あるし、家財道具は俺が持てるし」
「あー、まぁそうね。誰かが犠牲になったりしたらアンタ絶対立ち直れないし」
「そう、だから全員肝に命じて、困ったら、報告連絡相談!わかった?」
「「「「「「はーい」」」」」」
「で、そういう困った事態になるべくならないために、武力と権力を手に入れます」
「随分と真逆ではないか?」
「うん、逃げるのは戦術で、逃げなくてもいいようにするのが戦略。具体的には俺がAランクを目指します。で、みんなにはそのサポートをしてもらえるよう、最低でもDランクを目指してもらいます。本当はCランクをって考えたんだけど、一人でオーガ5体撃破とかちょっとキツイでしょ?」
「それはちょっと無理そうね」
「主殿は本気でAを目指せると?あの武器があっても厳しいのでは無いか?」
「あー、そっか、シリア以外は今の戦い方見たことなかったよね。シリアはどう思う?」
「敵次第よね。空飛んでるのとかドラゴンみたいにバカでかく無ければ無傷でいけるわね。かなり卑怯よ、アレは」
「それほどなのか?是非見せてもらいたい」
「じゃ、実感湧いたほうがいいと思うし、ちょっとやってみるね。ライザさん止まって貰えます?」
「まず最初に、家名の由来でもある、ロックハウスがコレ」
「・・・聞いては居たが大きいな」
「みんな中に入って、あ、馬車はそこに厩舎があるので」
「はい、ここが屋上。で、俺の戦い方はこう」
ズッシーン
10mブロックを出して落とす。
「これでオーガだろうとなんだろうと、20体くらいは潰れます」
「・・・これは・・・戦いと言っていいのか?」
「安全第一ですから。今後の課題はもっと速く登れる階段を作ることですね。じゃ、戻りましょう」
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
「で、そもそもAランクのギルド評価の条件がわからないんですが、なんとなく、超大型モンスターじゃなければ単独で殲滅できる気がしますよね?」
「「「「「「コクコクコクコク」」」」」」
「あ、これからは、アレ作るの、リシェルさんの担当になるので頑張ってくださいね」
「アタシ?あんなおっきいの無理よ?」
「大丈夫、コツは知ってるので練習しましょう」
「うーん、練習でいけるもんかな・・・」
「話を戻すと、俺がAランクに挑む時にみんなにはフォローに回ってもらうことになると思うんですよ。なので、当面はDを目指してもらおうと考えたんですが、ちょっと単独でオーク五体を倒す方法が浮かばなくて、それでギフトがヒントにならないかと聞いてみたわけです」
「リシェルならレベルが上がればなんとかなるかも知れないけど、他は無理よね」
「ユリアなら行けない事も無いと思います。シリアは、むしろBでも一対一なら行けそうだね」
「距離さえあればいけると思うわ」
「えっ?奥様はそんなに強かったんですか?」
「あー、シリアのも見せとこうか?ライザさん、また止まってもらえます?」
「うわー、コレ出すのも久しぶりよねー。っていうか考えてみたらコレ、ユリアと同じ値段じゃない?」
「「「「「「え"?」」」」」」
「あー、あのあとドワーフの師匠に聞いたらソレくらいだって、シリアが普段使ってるのでも白金貨一枚は堅いそうです」
「「「「「「え"ぇぇぇぇぇ?」」」」」」
「ロックハウス家・・・既に総資産2,000万レア超え・・・」
「現金だけでも1,000万レアは持ってますね」
「・・・我々は物凄い家に仕えているようだ」
「ほれ、シリア、撃っちゃって」
「じゃ、あの四本飛び出してるうちの一番左の木ね。久しぶりだから外したら恥ずかしいわね」
すぅ~ ・・・ バシュッ・・・・ズガーーーーンッ!
「3~400mはあったぞ?」
「シリアは目がいいんですよ。もう、それ、完全に取られました」
「わたしの氷魔法でも絶対届きません・・・」
「なんだか我々が役立たずに思えてきた・・・」
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
「と、言うわけで、主にアベルさん達をどうやってDにするかが課題なわけです」
「・・・面目無い・・・」
「ねぇ?そこ、ギルドランクにこだわる必要あるのかな?アンタがAになるサポートできればいいわけでしょ?あたしみたいにそれぞれに合った必殺武器とか考えてみたら?」
「・・・一理あるな・・・あっ、むしろ個で考えず部隊運用すればいいのか?」
「どういう事だい?」
「えとですね、今の皆さんはレベルから行くとEランク相当、本来ならば1対1でオークが仕留められないといけないわけです、でも実際は1体でもキツイでしょ?」
「情けないがその通りだ」
「なぜ他の同レベル冒険者には出来て、アベルさん達には出来ないかわかりますか?」
「対人訓練がメインでモンスターはあまり倒していないからか?・・・いや、だがレベルが一緒という事はモンスターの討伐数自体は同じようなもののはず・・・わからない、教えてもらえるか?」
「戦い方もなんですが、一番は装備ですね。そもそも甲冑って、普通の人間の力で振るわれた剣のダメージを軽減する、というか斬られない為のものでしょ?ゴブリンくらいまでなら有効ですが、ソレ以上のモンスターになると、重りにしかなりません。そして騎士の両手剣も、オークぐらいになると一撃では仕留められない。最後に戦い方ですが、甲冑で剣に斬られにくい事を前提とし、取り囲んで倒すのが基本ですが、オーク相手では一対一で無くとも弾き飛ばされてしまう。つまり、皆さんは対人専門で、D以上のモンスター討伐に向いてないんです」
「・・・まったくもってその通りだな」
「これがモンスターばかり相手取ってきた冒険者なら、盾持ちのタンクになるか、スピードで回避して一撃で急所を潰すソードアタッカーになります。タンクになら転向できても、ソードアタッカーへの転向は難しいでしょ?アベルさんだけに限って言えば、回復持ちなので今からタンク転向しても伸びると思うんですが、正直、それはやめてほしいです」
「何故かな?」
「自分の女を守るために強くなるのに、その女の子達が傷だらけになる戦い方を選ぶなんて意味ないです」
ポッ
「・・・うっ、嬉しいものだな・・・その、女扱いされるのも」
「なので甲冑も騎士の戦い方も捨ててもらいたい・・・それが出来ないようであれば、狩りには連れていけません。何か別の仕事を考えます」
「戦い方を変えれば、我らでもオークに勝てるのか?」
「はい。ワリと簡単に、オーガでも群れでも一方的に殺れます」
「・・・わかった。主殿にすべてお任せする。我らを鍛えてくれ」
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
何故だろう?
新婚旅行(性奴隷付き)の予定が、修学旅行の引率になった・・・。
まぁ、ユリアもちゃんと輪の中に入れてくれてるようだし、っていうかむしろ真ん中でイジラレ役にされてるみたいだし、いいっちゃいいのか・・・
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
しっかし行きはシリアと二人だったのに、帰りは嫁と7人の家臣を抱える事になるとは・・・何かしらちゃんと考えないとな。
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
しっかしなー、相変わらず目標とか無いし。
あっ、一個だけあったな、失敗、王都にいる間に買っとくんだった。
今から隷属の首輪買いに戻るとか言えないよな・・・エルダーサでも売ってるのかな?
いや、そっちじゃないそっちじゃない。
まず、目標って言うよりか決意?シリアとユリアを二度と奪われない事。アベルさんとラティアさんもだな。
人生の目標がハーレム維持しか浮かばないってクズだな・・・でも家族を守り続けるって考えれば・・・いやっ、そんなキレイ事じゃないな、取られたくないだけだ。
うん、そこは開き直ろう。
偉くなるのも金持ちを目指すのも、突き詰めれば女だ。
一部偉くなる事そのものが目的になってる人種も居るけど、大抵は旨いもん食っていい女囲いたいってのが本音。
いや、違うか。
偉くもなれないし大して給料貰えるわけでも無いのに死ぬまで働き続ける意味不明な奴とか居たしな、例えば俺とか。
女の人の場合どうなんだろ?
あー、人それぞれか。
いいや、俺は現状維持が目標だ。
ラティアさんのご飯おいしいし、いい女ならこれ以上無いってのが既に手の中にある、もう、過程すっ飛ばしていきなりゴールし終わってる状態だ。
維持し続けるにはどうすればいいんだ?
とりあえずお金はある。
とすれば、やっぱ偉い人が出てきて「その女を差し出せっ!」的な展開が一番のリスクか?
その場合、対抗手段は・・・武力と権力、しかないよな。
うーん、権力とか無理だよなー。
そんなん出てきたら逃げるしか無いっ。
いや、漠然と考え過ぎだ。
まずはエルダーサにいる限り安全ってラインを確保しよう。
幸い領主様とは面識があるし、それなりに好印象なはず。
と、なると抑止力も兼ね、A級を目指すのが一番か?
エルダーサには確か一人も居ないし、そうなればかなりの権力になるはず。
うん、そうだよ。
普通は上に行ってから手に入るものを、宙ぶらりんな奴が持ってたら奪われる。
上を目指そう。
えーと、昇格条件は確かこんな感じ。
###################################
Gランク 見習い扱い
Fランク LV10
Eランク LV20
Dランク LV30+ギルド評価
Cランク LV40+ギルド評価
Bランク LV50+ギルド評価
Aランク ギルド評価
パーティーランクはメンバーの平均値+ギルド評価
###################################
SとかSSが存在するって噂はあるけど、ギルドで公開されてるのはAまでの情報のみ。
ギルド評価は同ランクのモンスターを一人で5体、1ランク上のモンスターを一人で1体倒せる戦闘力と、そのランクの依頼を任せられるっていう人格の両面でなされる。
ってことは、Sランク1体、Aランク5体を殺れる戦闘力を証明して、ギルドにその価値ありと信用されてればいいわけだ・・・そもそもSとかAのモンスターなんてどんなのが居るかすら知らないし・・・。
今の俺はLV47のCランクで、スタンピードの功績が認定要因。
そもそもランクCのオークリーダーとオーガまでしか見たこともない。
単純にランクごとに5倍の強さと仮定すると、単独でオーガ25体・・・うーん、スタンピードのときのBランクの戦いを思い出すと、とてもそんなもんで済むとは思えないなぁ。
とすると直近ですべき事は
########### TO DO #############
1. BとAの昇格充足ギルド評価を調べる。
2. LVを最低50にする。
3. パーティー全体の底上げ(Cランク目標)
##############################
うーん、3番がフワッとしすぎだな。
つまり、オーガ5体を単独討伐できるように全員を育てる・・・うん、無理。全然想像できない。
ユリアはなんとかなっても他はなぁ・・・オーク5体が現実ラインだよな・・・。
うん、下方修正。
俺はBでみんなはD狙いで行こう。
となると、何を倒せばいいのかわからない俺は置いといて、どうやってみんなにオーク5体を倒させるかかな。
あ、そもそも甲冑組のギフトとか知らないし、そこからだ。
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
「あー、みんなちょっといいか?今後の事とか考えるんだけど、今のレベルとギフト教えてくれる?」
こんな感じだった。
#####################
LV20 シリア 回復魔法
LV35 ユリア 氷魔法
LV27 アベル 回復魔法
LV24 ライザ 御者の才
LV23 エマ 裁縫の才
LV23 リシェル 土魔法
LV23 スージー 算術の才
LV21 ミラン 火魔法
#####################
ミランさんの火魔法は、ファイヤーとファイヤーボールまでしか使えないらしい。
ユリアは一緒に居た頃よりも使える魔法も増えているそうなので今後検証。
うーん、俺の練度効果(中)って実は当たりだったのかも・・・算術とか裁縫でどうやってオークと戦えと・・・ライザさんは馬車で轢くのか?
「ねぇ、今後の事って?」
「あー、うん。それじゃラティアさんが居ないけど、第一回、ロックハウス家運営会議ってことで」
「「「「「「おー」」」」」」
「まず基本方針。ロックハウス家の家訓は『安全第一』、名誉の戦死とか一攫千金を狙って命をかけるとかナシです」
「なんかショボいけどアンタらしいわ」
「うん、だってお金も美女もこれ以上要らないじゃん?無理して誰か欠けるとか絶対嫌だし。そこで考えてみると、一番のリスクは偉い人が『その女をよこせっ!』とか言い出す事だと思った」
「まぁ・・・ユリアとかあり得るわね」
「ユリアに限らず、もしもそんな事になったら『自分が犠牲になれば』とか絶対考えないでね。その場合、全力で逃げます。逃走資金は充分あるし、家財道具は俺が持てるし」
「あー、まぁそうね。誰かが犠牲になったりしたらアンタ絶対立ち直れないし」
「そう、だから全員肝に命じて、困ったら、報告連絡相談!わかった?」
「「「「「「はーい」」」」」」
「で、そういう困った事態になるべくならないために、武力と権力を手に入れます」
「随分と真逆ではないか?」
「うん、逃げるのは戦術で、逃げなくてもいいようにするのが戦略。具体的には俺がAランクを目指します。で、みんなにはそのサポートをしてもらえるよう、最低でもDランクを目指してもらいます。本当はCランクをって考えたんだけど、一人でオーガ5体撃破とかちょっとキツイでしょ?」
「それはちょっと無理そうね」
「主殿は本気でAを目指せると?あの武器があっても厳しいのでは無いか?」
「あー、そっか、シリア以外は今の戦い方見たことなかったよね。シリアはどう思う?」
「敵次第よね。空飛んでるのとかドラゴンみたいにバカでかく無ければ無傷でいけるわね。かなり卑怯よ、アレは」
「それほどなのか?是非見せてもらいたい」
「じゃ、実感湧いたほうがいいと思うし、ちょっとやってみるね。ライザさん止まって貰えます?」
「まず最初に、家名の由来でもある、ロックハウスがコレ」
「・・・聞いては居たが大きいな」
「みんな中に入って、あ、馬車はそこに厩舎があるので」
「はい、ここが屋上。で、俺の戦い方はこう」
ズッシーン
10mブロックを出して落とす。
「これでオーガだろうとなんだろうと、20体くらいは潰れます」
「・・・これは・・・戦いと言っていいのか?」
「安全第一ですから。今後の課題はもっと速く登れる階段を作ることですね。じゃ、戻りましょう」
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
「で、そもそもAランクのギルド評価の条件がわからないんですが、なんとなく、超大型モンスターじゃなければ単独で殲滅できる気がしますよね?」
「「「「「「コクコクコクコク」」」」」」
「あ、これからは、アレ作るの、リシェルさんの担当になるので頑張ってくださいね」
「アタシ?あんなおっきいの無理よ?」
「大丈夫、コツは知ってるので練習しましょう」
「うーん、練習でいけるもんかな・・・」
「話を戻すと、俺がAランクに挑む時にみんなにはフォローに回ってもらうことになると思うんですよ。なので、当面はDを目指してもらおうと考えたんですが、ちょっと単独でオーク五体を倒す方法が浮かばなくて、それでギフトがヒントにならないかと聞いてみたわけです」
「リシェルならレベルが上がればなんとかなるかも知れないけど、他は無理よね」
「ユリアなら行けない事も無いと思います。シリアは、むしろBでも一対一なら行けそうだね」
「距離さえあればいけると思うわ」
「えっ?奥様はそんなに強かったんですか?」
「あー、シリアのも見せとこうか?ライザさん、また止まってもらえます?」
「うわー、コレ出すのも久しぶりよねー。っていうか考えてみたらコレ、ユリアと同じ値段じゃない?」
「「「「「「え"?」」」」」」
「あー、あのあとドワーフの師匠に聞いたらソレくらいだって、シリアが普段使ってるのでも白金貨一枚は堅いそうです」
「「「「「「え"ぇぇぇぇぇ?」」」」」」
「ロックハウス家・・・既に総資産2,000万レア超え・・・」
「現金だけでも1,000万レアは持ってますね」
「・・・我々は物凄い家に仕えているようだ」
「ほれ、シリア、撃っちゃって」
「じゃ、あの四本飛び出してるうちの一番左の木ね。久しぶりだから外したら恥ずかしいわね」
すぅ~ ・・・ バシュッ・・・・ズガーーーーンッ!
「3~400mはあったぞ?」
「シリアは目がいいんですよ。もう、それ、完全に取られました」
「わたしの氷魔法でも絶対届きません・・・」
「なんだか我々が役立たずに思えてきた・・・」
ぽっく ぽっく ぽっく ぽっく
「と、言うわけで、主にアベルさん達をどうやってDにするかが課題なわけです」
「・・・面目無い・・・」
「ねぇ?そこ、ギルドランクにこだわる必要あるのかな?アンタがAになるサポートできればいいわけでしょ?あたしみたいにそれぞれに合った必殺武器とか考えてみたら?」
「・・・一理あるな・・・あっ、むしろ個で考えず部隊運用すればいいのか?」
「どういう事だい?」
「えとですね、今の皆さんはレベルから行くとEランク相当、本来ならば1対1でオークが仕留められないといけないわけです、でも実際は1体でもキツイでしょ?」
「情けないがその通りだ」
「なぜ他の同レベル冒険者には出来て、アベルさん達には出来ないかわかりますか?」
「対人訓練がメインでモンスターはあまり倒していないからか?・・・いや、だがレベルが一緒という事はモンスターの討伐数自体は同じようなもののはず・・・わからない、教えてもらえるか?」
「戦い方もなんですが、一番は装備ですね。そもそも甲冑って、普通の人間の力で振るわれた剣のダメージを軽減する、というか斬られない為のものでしょ?ゴブリンくらいまでなら有効ですが、ソレ以上のモンスターになると、重りにしかなりません。そして騎士の両手剣も、オークぐらいになると一撃では仕留められない。最後に戦い方ですが、甲冑で剣に斬られにくい事を前提とし、取り囲んで倒すのが基本ですが、オーク相手では一対一で無くとも弾き飛ばされてしまう。つまり、皆さんは対人専門で、D以上のモンスター討伐に向いてないんです」
「・・・まったくもってその通りだな」
「これがモンスターばかり相手取ってきた冒険者なら、盾持ちのタンクになるか、スピードで回避して一撃で急所を潰すソードアタッカーになります。タンクになら転向できても、ソードアタッカーへの転向は難しいでしょ?アベルさんだけに限って言えば、回復持ちなので今からタンク転向しても伸びると思うんですが、正直、それはやめてほしいです」
「何故かな?」
「自分の女を守るために強くなるのに、その女の子達が傷だらけになる戦い方を選ぶなんて意味ないです」
ポッ
「・・・うっ、嬉しいものだな・・・その、女扱いされるのも」
「なので甲冑も騎士の戦い方も捨ててもらいたい・・・それが出来ないようであれば、狩りには連れていけません。何か別の仕事を考えます」
「戦い方を変えれば、我らでもオークに勝てるのか?」
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