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2nd season 第三章
152 神殿国家アベル
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神殿前の広場にはアベルの石像が設置され、壇上に設置された棺の蓋は固く閉じられている。
棺の周りには広く柵が張り巡らされ、群衆が近寄ることはない。
眼下には追悼の為に集った聖都の民と、エルダーサからどうしても参列すると言って聞かなかったおっさん達が、哀しげな面持ちで追悼の言葉に耳を傾けていた。
グラム王国歴338年7月14日、聖女と呼ばれた白の騎士、アベルの追悼式典の日。
拡声の魔道具の前に立つ俺は、いつもと違い、淡々と語り始める。
「正直に言おう・・・民よ、俺はお前たちの事などどうでもいい。愛する家族が幸せなら、他人などどうでもいいという男だ。
その大切な、大切な家族を失った・・・だから今日は、皆を奮わせる演説などする気は無い。ただ、これからこの国が、お前たちがどうなるのか、それを説明しておく義務はあると思う。
お前たちの事などどうでもいいと言いながら、救護院を作り、仕事を増やし、弱き者が、誰もが飢えずにすむ国を作ろうとしてきた・・・それはみな、アベルが、妻たちがそう願ったからだ。
アベルは特に、立場の弱い者が虐げられるのを嫌った。ただ施すのではなく、その輪の中に溶け込み、ともに立ち上がる事を望んだ・・・昔からそうだ、たいして多くもない給金を酒に換え、女の身でありながらスラム乗り込んでは宴会騒ぎだ・・・この中にも、アベルの酒を飲んだものは少なくないだろう?だが・・・そのアベルはもう居ない。
放っておけば、俺はお前たちの事などすぐに忘れるだろう・・・だが、そうなるのは嫌なんだ。
アベルはお前たちを愛した。お前たちは皆等しくアベルの子だ。アベルの子を蔑ろにするような男に、俺はなりたくない・・・だから忘れられぬようにする。
今日この時より、国名を改める。
覚えよ。
この国の新たなる名は『神殿国家アベル』だ」
ザワッ ザワザワっ
「・・・静かにしてくれ・・・その名が示す通り、神殿国家アベルの行動原理は、アベルの思想だ。アベルが成したかった事を、俺のやり方で実現する。基本的にはこれまでと変わらない。働かぬ者に施す気は無いが、働けぬ者も飢えぬ国を作ろう。
だが、大きく変わることが一つある。今後俺は、国境を無視する事にした。侵略するつもりは微塵もない。ただ単に、国の内外を問わず、アベルのお節介を押し付ける。それだけだ。
だがそれは弱者に向けるだけのものでは無い。連れて来いっ!」
暗部がユリアの捜索に出払っている隙に、聖都から逃げ出そうとしていたユザールと取り巻きの聖騎士達。
騎士団長のランバードが部隊を引き連れ捕縛していた。
「貴様っ!無礼なっ!何をするつもりだっ!」
「猊下っ!我らが一体何をしたと言うのかっ!」
手枷を外され、柵の中に押し込まれるユザール達。
「民よ。この男、前教皇はその権力を用いて多くの婦女子を強引に攫っていた。それが明白となり、ホルジス様によって教皇の地位を追われた。そして皆も知っている通り、ミズーラと通じ、あろう事かこの聖都を襲わせた。最後に、人族至上主義の者たちと結託し、アベル達を罠にかけ、千の傭兵をもってこれを襲った」
「濡れ衣だっ!」
「証拠を出せっ!」
ザワザワッ ザワザワッ
「あえて言おう。証拠があるのは最初の一つだけだ。だが、新たなる国、神殿国家アベルにおいては、証拠など必要ないっ!俺をイラつかせたら有罪だっ!」
言うや否やバルコニーから柵の中央に飛び降りる。
そう、この柵はリングだ。
俺がコイツらを嬲り殺すための檻なんだ。
IBから取り出した剣を放り投げる。
「拾え。そして民よ。気の弱いものは目を伏せておけ。子供の目は覆っておけ」
騎士達は剣を拾おうとしない。
拾えば殺されるとわかっているのだ。
「拾えと言った。剣を持とうと持つまいと、俺は殺すぞ」
右手をスッと宙にかざし、赤黒く染まった大岩をひとつ取り出す・・・それだけだ。
「ひっ!?」
ゴギュッ ブチブチブチブチッ ズーン・・・
「聞けっ!民よっ!この先も神殿の前には、俺の前には多くの敵が現れるだろう!卑怯な策を巡らせるものもあるだろう!その時お前たちは選択を迫られるっ!俺か!敵か!中立など存在しないっ!命令だろうと!脅されようと!たとえ人質を取られようと敵となれば容赦しないっ!俺に殺されない道は唯一つ!アベルを裏切るなっ!」
シーン
「神殿には配達人が居る。目安箱もある。手に余る力に怯えるなら神殿を頼れ。必ず助けるなどと約束は出来ない。間に合わないこともあるだろう。だが・・・神殿を頼るものを害するものは、これもまた神殿の敵だっ!」
トンッ
血塗れた石舞台を蹴ってバルコニーに飛び上がる。
「アベルを慕うものには慈悲を!アベルの敵には速やかなる死を!それが、これからのこの国だっ!」
拍手も歓声も無い。
だが、今日はこれでいい。
どんなに効果的でも、アベルの死をプロパガンダに使うような真似は絶対にしない。
ただ実直に、国民に、事実を突きつける。
「神殿国家アベルが国主!カイン・ロックハウス・アベルの名において告げる。我が神殿国家はこれより、人族至上主義を掲げる全ての国家、組織、個人に対し、戦線を布告すっ!一切の譲歩はしないっ!その主義を廃止せぬ国にあるものは今すぐに逃げよっ!属するものは全て主義者とみなすっ!」
バサリッ
民衆の中に驚きと恐怖が浸透していくのを背中に感じながら、踵を返しバルコニーの奥へ。
そして・・・。
「えーと、みんなドン引きしてるとこ悪いけど、あたしの話も聞いてもらうから」
ザワザワッ ザワザワッ
「見ての通りあたしはダーク・エルフ、そしてこの国の国主婦人、平たく言えば教皇の嫁ね?」
ガヤガヤ ガヤガヤ
「シリア・ロックハウスって言っても知らないと思うけど『KIDS』の代表っていえばわかんでしょ?」
おぉー!
しってるわぁー!
「はじめに言っとくけど、あたしらはみんなが納めた税で暮らしてるわけじゃない。むしろ、ロックハウス家の稼ぎで、この国を養ってんの。別に恩に着せるつもりなんてないわ?あたしらを敬えなんて言わない・・・但し・・・売られた喧嘩はきっちり買うわ?」
ザワザワッ ザワザワッ
「アベルが死んだのはあたしのせい。あたしがダーク・エルフだから主義者達に襲われた。だからあたしは主義者を許さない。亜人だから殺すと言うなら、上等よ、主義者だったら殺すわっ!」
シーン
「どっちに付くのか、はっきりと決めてね?迷ってたら巻き添えんなるわよ?あと、亜人でも人族でも、逃げてくるなら受け入れる。KIDSだけじゃない、人手はいくらあっても足りないの。うん、そんなとこね?」
GOOD COP & BAD COPでイイ人役やるのかと思ったら・・・おまえもガチなのね・・・。
聖女を偲ぶハートフルな式典を予想していた民衆、真夏だと言うのに眼下の群衆は、極寒の北風にさらされたかのように、キュッと身を縮めている。
「ライザ?あとは任せたわ?」
「うっし!難しい話は終わったな!」
あー、そういう流れか。
「おらっ!野郎どもっ!呑むぞっ!」
ライザの音頭で次々と大樽が広場に運び込まれる。
「ではカイン様、私達も手伝って参ります」
ラティアとアリスも、昨夜から忙しくしていた、民衆に振る舞う食事を用意しているんだろう。
葬式っていうのはとどのつまり、遺された者が気持ちに整理をつけるための儀式だ。
整理をつけるつもりなんて微塵も無い俺には、居場所などあるわけがない・・・。
皆と別れた俺は一人、降臨の間へと向かっていた。
(第三章 完)
棺の周りには広く柵が張り巡らされ、群衆が近寄ることはない。
眼下には追悼の為に集った聖都の民と、エルダーサからどうしても参列すると言って聞かなかったおっさん達が、哀しげな面持ちで追悼の言葉に耳を傾けていた。
グラム王国歴338年7月14日、聖女と呼ばれた白の騎士、アベルの追悼式典の日。
拡声の魔道具の前に立つ俺は、いつもと違い、淡々と語り始める。
「正直に言おう・・・民よ、俺はお前たちの事などどうでもいい。愛する家族が幸せなら、他人などどうでもいいという男だ。
その大切な、大切な家族を失った・・・だから今日は、皆を奮わせる演説などする気は無い。ただ、これからこの国が、お前たちがどうなるのか、それを説明しておく義務はあると思う。
お前たちの事などどうでもいいと言いながら、救護院を作り、仕事を増やし、弱き者が、誰もが飢えずにすむ国を作ろうとしてきた・・・それはみな、アベルが、妻たちがそう願ったからだ。
アベルは特に、立場の弱い者が虐げられるのを嫌った。ただ施すのではなく、その輪の中に溶け込み、ともに立ち上がる事を望んだ・・・昔からそうだ、たいして多くもない給金を酒に換え、女の身でありながらスラム乗り込んでは宴会騒ぎだ・・・この中にも、アベルの酒を飲んだものは少なくないだろう?だが・・・そのアベルはもう居ない。
放っておけば、俺はお前たちの事などすぐに忘れるだろう・・・だが、そうなるのは嫌なんだ。
アベルはお前たちを愛した。お前たちは皆等しくアベルの子だ。アベルの子を蔑ろにするような男に、俺はなりたくない・・・だから忘れられぬようにする。
今日この時より、国名を改める。
覚えよ。
この国の新たなる名は『神殿国家アベル』だ」
ザワッ ザワザワっ
「・・・静かにしてくれ・・・その名が示す通り、神殿国家アベルの行動原理は、アベルの思想だ。アベルが成したかった事を、俺のやり方で実現する。基本的にはこれまでと変わらない。働かぬ者に施す気は無いが、働けぬ者も飢えぬ国を作ろう。
だが、大きく変わることが一つある。今後俺は、国境を無視する事にした。侵略するつもりは微塵もない。ただ単に、国の内外を問わず、アベルのお節介を押し付ける。それだけだ。
だがそれは弱者に向けるだけのものでは無い。連れて来いっ!」
暗部がユリアの捜索に出払っている隙に、聖都から逃げ出そうとしていたユザールと取り巻きの聖騎士達。
騎士団長のランバードが部隊を引き連れ捕縛していた。
「貴様っ!無礼なっ!何をするつもりだっ!」
「猊下っ!我らが一体何をしたと言うのかっ!」
手枷を外され、柵の中に押し込まれるユザール達。
「民よ。この男、前教皇はその権力を用いて多くの婦女子を強引に攫っていた。それが明白となり、ホルジス様によって教皇の地位を追われた。そして皆も知っている通り、ミズーラと通じ、あろう事かこの聖都を襲わせた。最後に、人族至上主義の者たちと結託し、アベル達を罠にかけ、千の傭兵をもってこれを襲った」
「濡れ衣だっ!」
「証拠を出せっ!」
ザワザワッ ザワザワッ
「あえて言おう。証拠があるのは最初の一つだけだ。だが、新たなる国、神殿国家アベルにおいては、証拠など必要ないっ!俺をイラつかせたら有罪だっ!」
言うや否やバルコニーから柵の中央に飛び降りる。
そう、この柵はリングだ。
俺がコイツらを嬲り殺すための檻なんだ。
IBから取り出した剣を放り投げる。
「拾え。そして民よ。気の弱いものは目を伏せておけ。子供の目は覆っておけ」
騎士達は剣を拾おうとしない。
拾えば殺されるとわかっているのだ。
「拾えと言った。剣を持とうと持つまいと、俺は殺すぞ」
右手をスッと宙にかざし、赤黒く染まった大岩をひとつ取り出す・・・それだけだ。
「ひっ!?」
ゴギュッ ブチブチブチブチッ ズーン・・・
「聞けっ!民よっ!この先も神殿の前には、俺の前には多くの敵が現れるだろう!卑怯な策を巡らせるものもあるだろう!その時お前たちは選択を迫られるっ!俺か!敵か!中立など存在しないっ!命令だろうと!脅されようと!たとえ人質を取られようと敵となれば容赦しないっ!俺に殺されない道は唯一つ!アベルを裏切るなっ!」
シーン
「神殿には配達人が居る。目安箱もある。手に余る力に怯えるなら神殿を頼れ。必ず助けるなどと約束は出来ない。間に合わないこともあるだろう。だが・・・神殿を頼るものを害するものは、これもまた神殿の敵だっ!」
トンッ
血塗れた石舞台を蹴ってバルコニーに飛び上がる。
「アベルを慕うものには慈悲を!アベルの敵には速やかなる死を!それが、これからのこの国だっ!」
拍手も歓声も無い。
だが、今日はこれでいい。
どんなに効果的でも、アベルの死をプロパガンダに使うような真似は絶対にしない。
ただ実直に、国民に、事実を突きつける。
「神殿国家アベルが国主!カイン・ロックハウス・アベルの名において告げる。我が神殿国家はこれより、人族至上主義を掲げる全ての国家、組織、個人に対し、戦線を布告すっ!一切の譲歩はしないっ!その主義を廃止せぬ国にあるものは今すぐに逃げよっ!属するものは全て主義者とみなすっ!」
バサリッ
民衆の中に驚きと恐怖が浸透していくのを背中に感じながら、踵を返しバルコニーの奥へ。
そして・・・。
「えーと、みんなドン引きしてるとこ悪いけど、あたしの話も聞いてもらうから」
ザワザワッ ザワザワッ
「見ての通りあたしはダーク・エルフ、そしてこの国の国主婦人、平たく言えば教皇の嫁ね?」
ガヤガヤ ガヤガヤ
「シリア・ロックハウスって言っても知らないと思うけど『KIDS』の代表っていえばわかんでしょ?」
おぉー!
しってるわぁー!
「はじめに言っとくけど、あたしらはみんなが納めた税で暮らしてるわけじゃない。むしろ、ロックハウス家の稼ぎで、この国を養ってんの。別に恩に着せるつもりなんてないわ?あたしらを敬えなんて言わない・・・但し・・・売られた喧嘩はきっちり買うわ?」
ザワザワッ ザワザワッ
「アベルが死んだのはあたしのせい。あたしがダーク・エルフだから主義者達に襲われた。だからあたしは主義者を許さない。亜人だから殺すと言うなら、上等よ、主義者だったら殺すわっ!」
シーン
「どっちに付くのか、はっきりと決めてね?迷ってたら巻き添えんなるわよ?あと、亜人でも人族でも、逃げてくるなら受け入れる。KIDSだけじゃない、人手はいくらあっても足りないの。うん、そんなとこね?」
GOOD COP & BAD COPでイイ人役やるのかと思ったら・・・おまえもガチなのね・・・。
聖女を偲ぶハートフルな式典を予想していた民衆、真夏だと言うのに眼下の群衆は、極寒の北風にさらされたかのように、キュッと身を縮めている。
「ライザ?あとは任せたわ?」
「うっし!難しい話は終わったな!」
あー、そういう流れか。
「おらっ!野郎どもっ!呑むぞっ!」
ライザの音頭で次々と大樽が広場に運び込まれる。
「ではカイン様、私達も手伝って参ります」
ラティアとアリスも、昨夜から忙しくしていた、民衆に振る舞う食事を用意しているんだろう。
葬式っていうのはとどのつまり、遺された者が気持ちに整理をつけるための儀式だ。
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