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殺しの依頼
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ジョーという男がいた。
彼の職業は、クリーナー。
殺し屋だ。
ある日、ジョーに仕事の依頼が。
依頼主は、アメリカCIA。
ターゲットは、ロシア大統領プーチンだ。
ジョーは無国籍人種である。
国を渡るには、偽造パスポートを使う。
中国マフィアからの御用達である。
ガンが必要なら、北朝鮮からでも入手する。
彼は、ありとあらゆる手段を使い、任務を遂行する。
今回のヤマは、でかい。
その分、報酬も一生食えるぐらい補償される。
ただ問題は、任務を遂行した後、口封じに消される可能性が高い。
彼は、報酬の受け取り方法と、身の隠し場所をあらかじめ抑えておくことにしてある。
もう一つの問題は、今ジョーがいるニューヨークからロシアのクレムリンまでの潜入方法だ。
北米ルートか、ヨーロッパルートか、中国からモンゴルを越えて越境するのか。
まず、ジョーはアメリカの外交官に潜り込む事にした。
アメリカCIAの御用達だ。
アメリカ大統領になったトランプが、近くウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定がある。
場所はサウジアラビアだ。
まず、ジョーはサウジアラビアに同行した。
メディアに顔を売るためだ。
その前に、ジョーは整形することにした。
目、鼻、口、顎。
AIが識別しても、本人確認出来ない様に別人になった。
指紋も、最新の技術を使って変えることに成功した。
サウジアラビアでの米ウ首脳会談は、ウクライナとロシアの停戦条約をウクライナが承認することで無事終わった。
ジョーもメディアに顔を売ることが出来た。
次は、トランプがプーチンに停戦条約の会談を取りきめる手順になっている。
ロシア側からの会談指定場所は、モスクワだ。
トランプは苦渋した結果、沢山のガードを引き連れて、大統領専用機エアホースワンでロシアに向け飛び立った。
もちろん、外交官に扮したジョーも、搭乗している。
専用機がモスクワ上空を下降しながら、低空飛行になった時、全身黒尽くめの人影が、パラシュートでモスクワの山林に飛び降りた。
ジョーである。
真夜中のモスクワの山中で、ジョーはクレムリンに向かい駆け抜けた。
モスクワの会談では、停戦条約の交渉は上手く合意出来なかった。
トランプは、早々にアメリカに戻って行った。
1人モスクワに潜伏したジョーは、暫くの間、山中で時を過ごした。
食糧は、自給自足。
山の鹿やイノシシの生肉を食らった。
川の水で喉を潤し、寒さは耐えた。
村人に見つかると面倒なので、火もおこせない。
ロシア警察や旧KGBの連中が、いつジョーに気づくか分からない。
見つかれば拷問の末、殺されるのは間違いない。
あとは、どうやってプーチンに近づくかだ。
ライフルとナイフは、持参している。
ファイバースコープ付きの遠距離ライフルと、ランボーナイフだ。
無線も、傍受されるので持っていない。
ラジオの放送など、ロシアではアテにならない。
ジョーは、地図を目安にイドコパス岬にある、プーチン宮殿を目指した。
宮殿に近くなってくると、道なる道は警護官による関所になっており、警護犬もあちこちにウヨウヨいる。
ジョーは、気配を消した。
1番の敵は犬だ。
彼らは鼻が効く。
耳も良い。
1番の難敵である。
ジョーは、予定を変え、一度隣町に程近い集落に身を隠した。
そこでも、1日に10回は警護官の見廻りのジープが巡回する。
ジョーは、毎日同じ時間を見廻るジープの合間を見計らって、隣町に潜入した。
そこで3日に一度、この町からプーチン宮殿に食材を運ぶ冷凍車が走るという情報を得た。
冷凍車が町を出る日に、ジョーは冷凍車の冷凍庫に牛や豚や羊の冷凍肉と共に、潜り込んだ。
約3時間の輸送時間だったが、ジョーは心臓を止める術をもっている。
ジョーは、冷凍庫の中で車のエンジンが止まるまで、一度仮死状態になった。
車のエンジン音が止まったと同じに、ジョーは目覚めた。
宮殿入り口のセキュリティーチェックが終わってすぐに、ジョーは車から宮殿の茂みに飛び移った。
ライフルは凍っていて使い物にならなかった。
ライフルを邸宅の池に沈めて、ナイフを片手に宮殿の裏に回った。
2匹のドーベルマンがジョーに気づき、飛びかかった。
一匹は、なんとか静かにさせることが出来たが、残りの一匹に足をやられた。
ジョーは、足を引きずりながら屋根に登り、煙突を両腕だけで登った。
唯一のサバイバルナイフは、歯で噛み締めた。
煙が上がっていない煙突の中に潜り込み、暖炉に潜入した。
ススを祓い、部屋を見ると護衛官が5人ほど、目の前で銃を構えて立っていた。
プーチンが、離れた後ろに立っているように見えた。
あるいは、肖像画だったかもしれない。
ジョーは、くわえていたサバイバルナイフを右手に持ち、自分の喉ぼとけを、かき切った。
世界中の、暗殺者やスナイパー。
毎日のごとく、プーチンや金正恩、イラン、アフガン、レバノン、中国などで、このような工作が行われているという。
こんなことは、毎日世界中で起きている。
決して、公には報道されない。
アサシンは、いつの時代にも存在する。
果たして、ジョーは歴史に名を残すことなく、無惨に散ったが、彼の心は何処にあったのだろうか.....
fin
彼の職業は、クリーナー。
殺し屋だ。
ある日、ジョーに仕事の依頼が。
依頼主は、アメリカCIA。
ターゲットは、ロシア大統領プーチンだ。
ジョーは無国籍人種である。
国を渡るには、偽造パスポートを使う。
中国マフィアからの御用達である。
ガンが必要なら、北朝鮮からでも入手する。
彼は、ありとあらゆる手段を使い、任務を遂行する。
今回のヤマは、でかい。
その分、報酬も一生食えるぐらい補償される。
ただ問題は、任務を遂行した後、口封じに消される可能性が高い。
彼は、報酬の受け取り方法と、身の隠し場所をあらかじめ抑えておくことにしてある。
もう一つの問題は、今ジョーがいるニューヨークからロシアのクレムリンまでの潜入方法だ。
北米ルートか、ヨーロッパルートか、中国からモンゴルを越えて越境するのか。
まず、ジョーはアメリカの外交官に潜り込む事にした。
アメリカCIAの御用達だ。
アメリカ大統領になったトランプが、近くウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定がある。
場所はサウジアラビアだ。
まず、ジョーはサウジアラビアに同行した。
メディアに顔を売るためだ。
その前に、ジョーは整形することにした。
目、鼻、口、顎。
AIが識別しても、本人確認出来ない様に別人になった。
指紋も、最新の技術を使って変えることに成功した。
サウジアラビアでの米ウ首脳会談は、ウクライナとロシアの停戦条約をウクライナが承認することで無事終わった。
ジョーもメディアに顔を売ることが出来た。
次は、トランプがプーチンに停戦条約の会談を取りきめる手順になっている。
ロシア側からの会談指定場所は、モスクワだ。
トランプは苦渋した結果、沢山のガードを引き連れて、大統領専用機エアホースワンでロシアに向け飛び立った。
もちろん、外交官に扮したジョーも、搭乗している。
専用機がモスクワ上空を下降しながら、低空飛行になった時、全身黒尽くめの人影が、パラシュートでモスクワの山林に飛び降りた。
ジョーである。
真夜中のモスクワの山中で、ジョーはクレムリンに向かい駆け抜けた。
モスクワの会談では、停戦条約の交渉は上手く合意出来なかった。
トランプは、早々にアメリカに戻って行った。
1人モスクワに潜伏したジョーは、暫くの間、山中で時を過ごした。
食糧は、自給自足。
山の鹿やイノシシの生肉を食らった。
川の水で喉を潤し、寒さは耐えた。
村人に見つかると面倒なので、火もおこせない。
ロシア警察や旧KGBの連中が、いつジョーに気づくか分からない。
見つかれば拷問の末、殺されるのは間違いない。
あとは、どうやってプーチンに近づくかだ。
ライフルとナイフは、持参している。
ファイバースコープ付きの遠距離ライフルと、ランボーナイフだ。
無線も、傍受されるので持っていない。
ラジオの放送など、ロシアではアテにならない。
ジョーは、地図を目安にイドコパス岬にある、プーチン宮殿を目指した。
宮殿に近くなってくると、道なる道は警護官による関所になっており、警護犬もあちこちにウヨウヨいる。
ジョーは、気配を消した。
1番の敵は犬だ。
彼らは鼻が効く。
耳も良い。
1番の難敵である。
ジョーは、予定を変え、一度隣町に程近い集落に身を隠した。
そこでも、1日に10回は警護官の見廻りのジープが巡回する。
ジョーは、毎日同じ時間を見廻るジープの合間を見計らって、隣町に潜入した。
そこで3日に一度、この町からプーチン宮殿に食材を運ぶ冷凍車が走るという情報を得た。
冷凍車が町を出る日に、ジョーは冷凍車の冷凍庫に牛や豚や羊の冷凍肉と共に、潜り込んだ。
約3時間の輸送時間だったが、ジョーは心臓を止める術をもっている。
ジョーは、冷凍庫の中で車のエンジンが止まるまで、一度仮死状態になった。
車のエンジン音が止まったと同じに、ジョーは目覚めた。
宮殿入り口のセキュリティーチェックが終わってすぐに、ジョーは車から宮殿の茂みに飛び移った。
ライフルは凍っていて使い物にならなかった。
ライフルを邸宅の池に沈めて、ナイフを片手に宮殿の裏に回った。
2匹のドーベルマンがジョーに気づき、飛びかかった。
一匹は、なんとか静かにさせることが出来たが、残りの一匹に足をやられた。
ジョーは、足を引きずりながら屋根に登り、煙突を両腕だけで登った。
唯一のサバイバルナイフは、歯で噛み締めた。
煙が上がっていない煙突の中に潜り込み、暖炉に潜入した。
ススを祓い、部屋を見ると護衛官が5人ほど、目の前で銃を構えて立っていた。
プーチンが、離れた後ろに立っているように見えた。
あるいは、肖像画だったかもしれない。
ジョーは、くわえていたサバイバルナイフを右手に持ち、自分の喉ぼとけを、かき切った。
世界中の、暗殺者やスナイパー。
毎日のごとく、プーチンや金正恩、イラン、アフガン、レバノン、中国などで、このような工作が行われているという。
こんなことは、毎日世界中で起きている。
決して、公には報道されない。
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果たして、ジョーは歴史に名を残すことなく、無惨に散ったが、彼の心は何処にあったのだろうか.....
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