我ら、五中ハンドボール部

澤村 通雄

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五中ハンドボール部

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ボクは、小学6年生。
陸上部とサッカー部を掛け持ちしている。
さあ、今年の春からは、中学入学だ。
ボクは、サッカー部に入りたいと思っている。

中学入学の朝、ボクは母親に叩き起こされた。

アンタ、今日から中学生なんだから、自分で起きるように、がんばんなさい!

そう、ボクの入学する五中は、小学校と比べて1.5キロと、通うのに40分はかかる。
小学生まではいつも、母親に起こしてもらっていたのが、中学に入ったら目覚まし時計で自分で起きると、親と約束したのだ。

ボクは、眠い目をこすりながら、朝食を済ませ、初めて着る慣れないダボダボの学ランを着て、慌てて家を出た。

行ってきます!

少年のその言葉には、いっぺんの曇りもなかった。

初めての、学ランを着た少年は、1.5キロの慣れない、通学路をやや小走りに進み、五中に行くであろう、生徒たちの群れに、混ざりこんだ。

正門をくぐると、生活指導の先生が頭髪や服装のチェックをしていた。

おはようございます!

ボクは、なんなく通り抜けたが、中学という所は、なんか厳しそうだなと、異様な緊張感を感じた。

これが、大人の第一歩なのかな。
ボクは身が引き締まった、気がした。

入学式。初めてのクラス。知らない同級生。
五中は、2つの小学校の卒業生が入学してくるので、クラスの半分は知らない人ばかりだった。

初めての、中学1年生の担任は、近藤淳二という、男の先生だった。
ボクと入れ違いで卒業した、3歳上の姉から、この先生の話は聞いたことがある。

エロじゅん。

だったかな。
ボクは、笑った。
特に、小学生時代に仲の良かった友達は、このクラスにはいなかった。

ホームルームも終わり、ボクは運動場へ、駆け足で急いだ。
楽しみにしていた、部活見学だ。

運動場に出ると、先輩達が賑やかに練習をしている。
バスケ部、バレー部、テニス部。
あれ?見た事のないスポーツがひとつあった。
サッカーよりも狭いコートで、バレーボールよりひと回り小さいボールを、足ではなく、手でドリブルして、ジャンプしてシュートする。

ボクは、コートのそばに行ってみた。
ひとり1年生らしき子が、いた。

これ、何てスポーツ?

ハンドボールだって。

ふーん、サッカー部は?

この学校、サッカー部無いよ。

ガーン‼️そうなんだ、、


すると、ハンドボール部のボールが、ひとつコロコロと、グランドの遠くへ転がっていった。

おーい、ボール!

ハンドボール部の三年生らしき人が、
サッカーの真似事をして、遊んでいるグループに、声を挙げた。

その中の1人が、転がってきたハンドボールを蹴った。

ハンドボール部の3年生たちは、その人をゴール裏の大きな板の壁の、裏へ連れ込んだ。

ヒ、ヒッエーッ!!

板の壁の裏から、ボールを蹴り飛ばした人が、顔がパンパンに血だらけになって、出てきた。

..........。


すぐに何事も、なかった様にハンドボール部の練習が、再開した。


その一部始終を見ていた、ボクと滝沢くんという、1年生は固まっていたが。

暫くして、一緒にハンドボール部に入らない?

と、どちらとともなく誘った。


後の、キャプテンと副キャプテンの2人であった。
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