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哀愁
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水谷師長と、長谷川みつは、癌患者山村正に、手術を受ける有無を確認した。
山村正「もう、ワシも75歳じゃよ。とても手術を受ける体力は残っとらん。もう、早く逝きたいんよ。」
山村良江「私も、お父さんが言う事に任せます。孫の顔も見れたと思うし、もう....。」
水谷師長と長谷川看護師は、黙って病室を後にした。
長谷川みつ「どうなんですかね、夫を見送る妻の気持ちって....?」
水谷師長「あなたにも、いずれ分かる時がくるわよ。病院なんて、そういう所なの.....。」
長谷川みつ「なんだか、悲しくて、むなしい.....。」
長谷川みつは、控え室で食事休憩の間考えた。
(いったい、看護師って、何ができるんだろう。人の命を救う医者。医者のフォローをする看護師。ああ、私は、なんて無力なんだろう.....無力なんだろう......。)
口に入れたサンドイッチが、涙で呑み込めなかった。
ーーーーー*ーーーーー
看護師.長谷川みつ「今晩も、お付き合いして頂いて、ありがとうございます。」
外科医.竹之内隆「元気だせ、患者に感情移入ばかりしていては、やっていけないぞ。」
看護師.長谷川みつ「でも、私なんか、患者さんに何の役にも立てない。無力な人間なんだって.....。」
外科医.竹之内隆「俺だって一緒だ。助けられない命もある。そんな時、憤りしか残らないんだ。」
看護師.長谷川みつ「私たち、酷な仕事なんですね。」
外科医.竹之内隆「まあ、自分で選んだ道だからな......。」
ーーーーー*ーーーーー
研修医.松下京子「先生、ちょっと。」
竹之内「何だ、松下先生、何か用か。」
松下「今日のクランケ。退院させて、自宅療養という形ではいけませんか?」
竹之内「そうだな、最後は自宅でゆっくりさせてあげよう。」
松下「ありがとうございます。」
竹之内「何も、私に礼を言うことはない。ご家族にも、そう伝えてくれ。」
松下「はい。」
松下京子は、うれしかった。
余命間近なクランケを、最後には自宅の畳の上で、寝かしてあげられることが出来る。
翌朝、竹之内は松下を連れて、山村正の病室へ回診に来た。
もうすでに、水谷師長と、担当看護師の長谷川みつは、病室にいた。
研修医.松下京子「山村さん、退院ですよ。」
山村正「.........。」
山村良江「先生、ありがとうございます。これで、主人と自宅で生活する夢が叶いました。」
山村正「竹之内先生......先生.....。」
看護師.長谷川みつ「山村さん、退院おめでとうございます。ご自宅で、ゆっくりと療養して下さい...。」
竹之内「それでは。」
山村正.良江「お世話になりました。」
暫くして、山村の息子さんが、車で迎えにきた。
病院を後にする車に乗り込む、山村夫妻の背中は、何か寂しそうだった.....。
看護師.長谷川みつ「先生.......。」
研修医.松下京子「先生.......。」
外科医.竹之内隆「病院とは、こういう処なんだ。」
松下が研修医として、この病院に来て始めて、まだここの人間ではない、疎外感を感じた。
長谷川みつ「先生、戻りましょう。次の患者さんが。」
竹之内「そうだな。行くよ、松下君。」
3階の院長室の窓で、粉川院長が、外の様子を眺めていた。
お わ り
山村正「もう、ワシも75歳じゃよ。とても手術を受ける体力は残っとらん。もう、早く逝きたいんよ。」
山村良江「私も、お父さんが言う事に任せます。孫の顔も見れたと思うし、もう....。」
水谷師長と長谷川看護師は、黙って病室を後にした。
長谷川みつ「どうなんですかね、夫を見送る妻の気持ちって....?」
水谷師長「あなたにも、いずれ分かる時がくるわよ。病院なんて、そういう所なの.....。」
長谷川みつ「なんだか、悲しくて、むなしい.....。」
長谷川みつは、控え室で食事休憩の間考えた。
(いったい、看護師って、何ができるんだろう。人の命を救う医者。医者のフォローをする看護師。ああ、私は、なんて無力なんだろう.....無力なんだろう......。)
口に入れたサンドイッチが、涙で呑み込めなかった。
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看護師.長谷川みつ「今晩も、お付き合いして頂いて、ありがとうございます。」
外科医.竹之内隆「元気だせ、患者に感情移入ばかりしていては、やっていけないぞ。」
看護師.長谷川みつ「でも、私なんか、患者さんに何の役にも立てない。無力な人間なんだって.....。」
外科医.竹之内隆「俺だって一緒だ。助けられない命もある。そんな時、憤りしか残らないんだ。」
看護師.長谷川みつ「私たち、酷な仕事なんですね。」
外科医.竹之内隆「まあ、自分で選んだ道だからな......。」
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研修医.松下京子「先生、ちょっと。」
竹之内「何だ、松下先生、何か用か。」
松下「今日のクランケ。退院させて、自宅療養という形ではいけませんか?」
竹之内「そうだな、最後は自宅でゆっくりさせてあげよう。」
松下「ありがとうございます。」
竹之内「何も、私に礼を言うことはない。ご家族にも、そう伝えてくれ。」
松下「はい。」
松下京子は、うれしかった。
余命間近なクランケを、最後には自宅の畳の上で、寝かしてあげられることが出来る。
翌朝、竹之内は松下を連れて、山村正の病室へ回診に来た。
もうすでに、水谷師長と、担当看護師の長谷川みつは、病室にいた。
研修医.松下京子「山村さん、退院ですよ。」
山村正「.........。」
山村良江「先生、ありがとうございます。これで、主人と自宅で生活する夢が叶いました。」
山村正「竹之内先生......先生.....。」
看護師.長谷川みつ「山村さん、退院おめでとうございます。ご自宅で、ゆっくりと療養して下さい...。」
竹之内「それでは。」
山村正.良江「お世話になりました。」
暫くして、山村の息子さんが、車で迎えにきた。
病院を後にする車に乗り込む、山村夫妻の背中は、何か寂しそうだった.....。
看護師.長谷川みつ「先生.......。」
研修医.松下京子「先生.......。」
外科医.竹之内隆「病院とは、こういう処なんだ。」
松下が研修医として、この病院に来て始めて、まだここの人間ではない、疎外感を感じた。
長谷川みつ「先生、戻りましょう。次の患者さんが。」
竹之内「そうだな。行くよ、松下君。」
3階の院長室の窓で、粉川院長が、外の様子を眺めていた。
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