40 / 107
5章
第29.5話 おおがえるが あらわれた(後編)
しおりを挟む
夢でも幻でもありません。
しかも驚いたことに大魔王様は1人でした。
あの奴隷女の姿も見当たりません。
「大魔王様、ご機嫌麗しゅう」
我が輩は頭を垂れました。
死ぬほど嫌ですが、これはわざとです。
相手に我が輩の余裕を見せつけるためのね。
「お前も元気そうだ。姿が変わるほどに、な」
「すこぶる元気ですよ。そうです。わかりますか。もう数週間前の我が輩だと思ったら、大間違いです」
「そのようだな。何があったか興味はあるけど、その前にブラムゴン……。お前に忠告しておきたいことがある」
「忠告……?」
我が輩が眉を顰めると、大魔王様ははっきりと口にしました。
「帰ってくれないか?」
はあ?
帰ってくれ?
何を言っているのですか?
この後に及んで、命乞い?
面白いですけど、今この状況で言われても面白くないですね。
むしろ怒りすら沸いてきますよ。
「何を言っているんですか?」
「お前と、魔蛙族のために行っているんだ」
「巫山戯てんのか、てめぇぇぇぇぇぇえええ!!」
ふざけている!
帰れ?
我が輩のためだぁ?
大魔王だからって舐め腐りやがって。
お前はとっくにエヴノス様に見限られているんだよ。
雑魚がぁ!!
「……おっと失礼。少々取り乱してしまいました。ただあなたが何を言っているのかわかりませんね? 帰れだの。我が輩のためだの。あなたが戦いたくないという方便にしか聞こえない」
「そうだ。俺はお前達とは戦いたくない」
「今さら――。ふっ。わかりました。ならば、降伏なさい。我が輩に頭を垂れ、足の裏でも舐めてくれたら許して差し上げますよ」
我が輩が言うと、大魔王は軽く首を振りました。
「わかってないようだな、ブラムゴン」
「はあ?」
「これは降伏勧告でも、その宣言でもない。言ったろ? 忠告だって」
「我が輩らに何もせず、後ろの海に飛び込んで逃げ帰れと?」
「そういうことだ。じゃないと、とんでもないことになるぞ」
「げっげっげっげっげっげっげっげっ……」
「?」
「なんですか、あなたは? そこまで煽って、我が輩に殺されたいのですか?」
「いや、別に俺は煽ってるつもりはない。お前の命を心配してだな」
「何が心配だ、ゴラァァァァアアアア!!」
余裕もない。
魔族としての気品も必要ない。
今はこの怒りをぶつけたい。
我が輩は今すぐ、この大魔王をぶっつぶしたい!!
「大魔王ダイチ!! 忠告感謝しましょう! ですが、我が輩の答えは『いいえ』です。永久に、何度問われようと、我が輩の答えは変わりません!!」
我が輩は低く喉を鳴らした。
合図を聞いた魔蛙族が、崖の下から這い上がっていく。
一族郎党すべてここに集結させた。
その数200。
「早い者勝ちです。誰かあの大魔王をぺちゃんこにして上げなさい!!」
我が輩は再び低く唸り、戦闘開始を告げる。
瞬間飛び出した――いや、高く跳躍したのは、ドッドローだ。
魔蛙族一大きな魔蛙族。
その力と重量は、我が輩を越える魔蛙族の切り込み隊長です。
ドッドローが空へと跳躍すると、それはまさに巨大な雲のようでした。
常に薄暗い暗黒大陸に大きな影が浮かび上がります。
その中心にいたのは、大魔王でした。
「さあ! 泣き叫べ! 慈悲を乞え! もう遅いですけ――――」
我が輩は言葉の途中で絶句しました。
大魔王は微動だにしていなかったからです。
それどころか泣くことも叫ぶこともなかった。
ただ肩を竦めて、こう言うだけでした。
「やれやれ……。こうなってしまったか」
こちらも戦闘開始だ、ルナ、ミャア、ステノ。
突如、大魔王の背後に現れたのは、3人の娘でした。
2人は人族でしたが、1人は獣人です。
小賢しい。獣人との協力を取り付けるとは……。
「それがどうした! 獣人の1人や2人、協力したところで」
「変わるさ。その人間が変わろうという気持ちがあれば」
瞬間、飛び出したの、獣人の娘だった。
ドッドローのように大きく跳躍する。
「何をするつもりだ?」
「最後通告だ、ブラムゴン。今ならまだ間に合う」
帰ってくれ……。
「ふざけるな!! やれ、ドッドロー」
「うごおおおおおおおおお!!!!」
ドッドローのうなり声が響く。
暗黒大陸の空気と大地を揺るがした。
それでも獣人の娘は退かない。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃさつっっっっっっっ!!!!」
三段突きみゃああああああああああああああああ!!
それは3発の大きな花火のようだった。
ぐらっと傾いたのは、ドッドローの大きな巨体だ。
巨大な竜が同じく巨大な槍に射貫かれたかのように、身体が後ろに反る。
勢いそのままに我が輩の方へと向かって落ちてきた。
「げぇええぇぇぇええぇえぇええぇえぇえぇえぇえ!!」
再び大地が揺らぐ。
数匹の魔蛙族がドッドローの下敷きになっていた。
その1匹が我が輩だ。
「ぐっ! 重い! 重い重い!! ど、ドッドローどけ!!」
悲鳴を上げる。
だが、ドッドローは全く反応しない。
完全に伸びきっていた。
我は周辺の魔蛙族の舌に捕まり、なんとかドッドローの下から脱出する。
くそ! こんな醜態をいきなりさらすことになるなんて。
いや、そんなことよりもだな。
「何故だ…………。ドッドローが獣人なんかの攻撃で……」
「言わなかったか、ブラムゴン」
不意に後ろから声をかけられ、我が輩は大魔王に向き直った。
腕組みし、我が輩を睨む。
その鋭い眼差しに、我は「げぇ」と1歩たじろいだ。
「この子たちは強くなる。お前よりも、魔族よりもな」
不敵に微笑むのだった。
~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~
引き続き更新して参ります。
よろしくお願いします。
しかも驚いたことに大魔王様は1人でした。
あの奴隷女の姿も見当たりません。
「大魔王様、ご機嫌麗しゅう」
我が輩は頭を垂れました。
死ぬほど嫌ですが、これはわざとです。
相手に我が輩の余裕を見せつけるためのね。
「お前も元気そうだ。姿が変わるほどに、な」
「すこぶる元気ですよ。そうです。わかりますか。もう数週間前の我が輩だと思ったら、大間違いです」
「そのようだな。何があったか興味はあるけど、その前にブラムゴン……。お前に忠告しておきたいことがある」
「忠告……?」
我が輩が眉を顰めると、大魔王様ははっきりと口にしました。
「帰ってくれないか?」
はあ?
帰ってくれ?
何を言っているのですか?
この後に及んで、命乞い?
面白いですけど、今この状況で言われても面白くないですね。
むしろ怒りすら沸いてきますよ。
「何を言っているんですか?」
「お前と、魔蛙族のために行っているんだ」
「巫山戯てんのか、てめぇぇぇぇぇぇえええ!!」
ふざけている!
帰れ?
我が輩のためだぁ?
大魔王だからって舐め腐りやがって。
お前はとっくにエヴノス様に見限られているんだよ。
雑魚がぁ!!
「……おっと失礼。少々取り乱してしまいました。ただあなたが何を言っているのかわかりませんね? 帰れだの。我が輩のためだの。あなたが戦いたくないという方便にしか聞こえない」
「そうだ。俺はお前達とは戦いたくない」
「今さら――。ふっ。わかりました。ならば、降伏なさい。我が輩に頭を垂れ、足の裏でも舐めてくれたら許して差し上げますよ」
我が輩が言うと、大魔王は軽く首を振りました。
「わかってないようだな、ブラムゴン」
「はあ?」
「これは降伏勧告でも、その宣言でもない。言ったろ? 忠告だって」
「我が輩らに何もせず、後ろの海に飛び込んで逃げ帰れと?」
「そういうことだ。じゃないと、とんでもないことになるぞ」
「げっげっげっげっげっげっげっげっ……」
「?」
「なんですか、あなたは? そこまで煽って、我が輩に殺されたいのですか?」
「いや、別に俺は煽ってるつもりはない。お前の命を心配してだな」
「何が心配だ、ゴラァァァァアアアア!!」
余裕もない。
魔族としての気品も必要ない。
今はこの怒りをぶつけたい。
我が輩は今すぐ、この大魔王をぶっつぶしたい!!
「大魔王ダイチ!! 忠告感謝しましょう! ですが、我が輩の答えは『いいえ』です。永久に、何度問われようと、我が輩の答えは変わりません!!」
我が輩は低く喉を鳴らした。
合図を聞いた魔蛙族が、崖の下から這い上がっていく。
一族郎党すべてここに集結させた。
その数200。
「早い者勝ちです。誰かあの大魔王をぺちゃんこにして上げなさい!!」
我が輩は再び低く唸り、戦闘開始を告げる。
瞬間飛び出した――いや、高く跳躍したのは、ドッドローだ。
魔蛙族一大きな魔蛙族。
その力と重量は、我が輩を越える魔蛙族の切り込み隊長です。
ドッドローが空へと跳躍すると、それはまさに巨大な雲のようでした。
常に薄暗い暗黒大陸に大きな影が浮かび上がります。
その中心にいたのは、大魔王でした。
「さあ! 泣き叫べ! 慈悲を乞え! もう遅いですけ――――」
我が輩は言葉の途中で絶句しました。
大魔王は微動だにしていなかったからです。
それどころか泣くことも叫ぶこともなかった。
ただ肩を竦めて、こう言うだけでした。
「やれやれ……。こうなってしまったか」
こちらも戦闘開始だ、ルナ、ミャア、ステノ。
突如、大魔王の背後に現れたのは、3人の娘でした。
2人は人族でしたが、1人は獣人です。
小賢しい。獣人との協力を取り付けるとは……。
「それがどうした! 獣人の1人や2人、協力したところで」
「変わるさ。その人間が変わろうという気持ちがあれば」
瞬間、飛び出したの、獣人の娘だった。
ドッドローのように大きく跳躍する。
「何をするつもりだ?」
「最後通告だ、ブラムゴン。今ならまだ間に合う」
帰ってくれ……。
「ふざけるな!! やれ、ドッドロー」
「うごおおおおおおおおお!!!!」
ドッドローのうなり声が響く。
暗黒大陸の空気と大地を揺るがした。
それでも獣人の娘は退かない。
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃさつっっっっっっっ!!!!」
三段突きみゃああああああああああああああああ!!
それは3発の大きな花火のようだった。
ぐらっと傾いたのは、ドッドローの大きな巨体だ。
巨大な竜が同じく巨大な槍に射貫かれたかのように、身体が後ろに反る。
勢いそのままに我が輩の方へと向かって落ちてきた。
「げぇええぇぇぇええぇえぇええぇえぇえぇえぇえ!!」
再び大地が揺らぐ。
数匹の魔蛙族がドッドローの下敷きになっていた。
その1匹が我が輩だ。
「ぐっ! 重い! 重い重い!! ど、ドッドローどけ!!」
悲鳴を上げる。
だが、ドッドローは全く反応しない。
完全に伸びきっていた。
我は周辺の魔蛙族の舌に捕まり、なんとかドッドローの下から脱出する。
くそ! こんな醜態をいきなりさらすことになるなんて。
いや、そんなことよりもだな。
「何故だ…………。ドッドローが獣人なんかの攻撃で……」
「言わなかったか、ブラムゴン」
不意に後ろから声をかけられ、我が輩は大魔王に向き直った。
腕組みし、我が輩を睨む。
その鋭い眼差しに、我は「げぇ」と1歩たじろいだ。
「この子たちは強くなる。お前よりも、魔族よりもな」
不敵に微笑むのだった。
~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~ ※ ~
引き続き更新して参ります。
よろしくお願いします。
0
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる