19 / 32
第2章
第17話 復帰
しおりを挟む
いつものように、家でゆきと、ノノは過ごしていた。
古くなった不要なものを処分することをなんと言うでしょう。 「〇〇御免」
ピンポーン!
はい、野田くん。
お母さんごめーん!!
ブブー
なんでやねん!!
あハアハアハアハア!!
…テレビからクイズ番組が流れている。
回答者がいつも珍回答を生み出すことで有名か番組である。
ゆきはテレビを見ながら笑った
「ふふっ。面白いね、この番組」
「うん。そうだね」
ゆきの言葉にノノも答えた。
……
ノノが目覚めたあの日以来、ゆきは泣かなかった。
今までのような、明るさを完全に取り戻したわけではなかったが。
それでも、明らかに明るくはなっていた。
01月30日
ゆきは、翼プロダクションの事務所に来ていた。ノノを抱えて。
「本当に、大丈夫」
とノノはゆきに問う。
「…うん。私はアイドルだよ。弱音なんて吐いていられないよ。今まで休んでいた分も取り戻さないと」
ゆきは答えた。
あの日から、ゆきはアイドル活動を休止していた。
今日からアイドルを再開する為に事務所へやってきたのだ。
「来たわね、ゆき」
マネージャー、佐藤紗雪は事務所でゆきを待っていた。
復帰の話も以前からゆきと、話していたのだ。
「……準備は出来てるわ。……むりだけは、しないようにね」
「……はい」
ゆきと、マネージャーは少しの会話を交わした。
「それじゃあ、行ってきます」
そして、ゆきは事務所を出ていき会場へ向かった。
……
マネージャーはふぅと息をつき。
残っていた仕事をパパっと終わらせ。
マネージャーも会場へ向かった。
会場
ゆきは、アイドル衣装に着替え、コンサートをする準備を整えた。
そしてその腕には、やはり、ノノをかかえていた。
会場にはいつものように、たくさんのファンがゆきを待っていた。
しばらくの休止、それに伴いファンの熱意も上がっており。今までとは違う高揚感に溢れていた。
ゆきは、少し緊張した。
既に慣れ親しんだ事ではあるが、こんなにも何日も期間を開けることは今まではなかった。
そのブランクがあるかもしれないと少し不安になった。
ノノはゆきを邪魔させないようにとただ黙ってゆきを見ていた。
……
開演の時間になった。
ゆきはステージに立つ。
そして、幕があがった。
ゆきの眼前には、たくさんのファンがいた。
ファンはうおぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおと歓声あげた。
やがて声がやみ。ゆきは、ファンに向けて話し出す。
「みんなー、こんにちはー」
こんにちはああああああああああああぁぁぁとファンからも声が上がる
「えへへ……ありがとうみんな。最近は少し休養をもらっていたので、少し久しぶりだよね。…私がいない間寂しくなかったかな?私はみんなに会えなくてすごく寂しかったよーみんなはどうだった?」
ゆきの言葉に
俺もぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおお寂しかったよぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおゆきたああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁん
等様々な叫びが歓声が上がる。
「ありがとうみんな。もっと皆とお話していたいところだけど。久しぶりだし、みんな、私の歌、聞きたいよね!?」
うおおおおぉぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおと声が上がる
「よしっそれじゃぁ早速、行ってみよう!1曲目「流星の絆」いくよー!」
わあああああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁ
と歓声上がる中、曲のイントロが流れ出す。
ゆきはマイクを握り、歌う体制をとる。
そして歌声をつむぎ出そうとした、その瞬間。
ゆきの視界が歪んだ
「え」
グラグラと、グラグラと、ゆきの視界が揺れる。
それは、あの時の同じ
観客に変化は無い。ゆきの視界だけが揺れるのだ。
「あ、あ、ああ」
そして、ゆきの脳裏に浮かび上がる、あの時の映像。
揺れる会場、身動き取れない自分。
兄の死の瞬間……。
ゆきは、浮かび上がるそれらを振り払おうと、必死に声を紡ごうとする。だが……
声は、出なかった。
強ばった表情で、かたまったまま動かないゆき。
「ゆき……?」
ノノはゆきの異変に気づき声をかける、だがノノの声はゆきには届かない。
そして……。
ガコッ
ゆきの持っていたマイクが、床に落ちた。
古くなった不要なものを処分することをなんと言うでしょう。 「〇〇御免」
ピンポーン!
はい、野田くん。
お母さんごめーん!!
ブブー
なんでやねん!!
あハアハアハアハア!!
…テレビからクイズ番組が流れている。
回答者がいつも珍回答を生み出すことで有名か番組である。
ゆきはテレビを見ながら笑った
「ふふっ。面白いね、この番組」
「うん。そうだね」
ゆきの言葉にノノも答えた。
……
ノノが目覚めたあの日以来、ゆきは泣かなかった。
今までのような、明るさを完全に取り戻したわけではなかったが。
それでも、明らかに明るくはなっていた。
01月30日
ゆきは、翼プロダクションの事務所に来ていた。ノノを抱えて。
「本当に、大丈夫」
とノノはゆきに問う。
「…うん。私はアイドルだよ。弱音なんて吐いていられないよ。今まで休んでいた分も取り戻さないと」
ゆきは答えた。
あの日から、ゆきはアイドル活動を休止していた。
今日からアイドルを再開する為に事務所へやってきたのだ。
「来たわね、ゆき」
マネージャー、佐藤紗雪は事務所でゆきを待っていた。
復帰の話も以前からゆきと、話していたのだ。
「……準備は出来てるわ。……むりだけは、しないようにね」
「……はい」
ゆきと、マネージャーは少しの会話を交わした。
「それじゃあ、行ってきます」
そして、ゆきは事務所を出ていき会場へ向かった。
……
マネージャーはふぅと息をつき。
残っていた仕事をパパっと終わらせ。
マネージャーも会場へ向かった。
会場
ゆきは、アイドル衣装に着替え、コンサートをする準備を整えた。
そしてその腕には、やはり、ノノをかかえていた。
会場にはいつものように、たくさんのファンがゆきを待っていた。
しばらくの休止、それに伴いファンの熱意も上がっており。今までとは違う高揚感に溢れていた。
ゆきは、少し緊張した。
既に慣れ親しんだ事ではあるが、こんなにも何日も期間を開けることは今まではなかった。
そのブランクがあるかもしれないと少し不安になった。
ノノはゆきを邪魔させないようにとただ黙ってゆきを見ていた。
……
開演の時間になった。
ゆきはステージに立つ。
そして、幕があがった。
ゆきの眼前には、たくさんのファンがいた。
ファンはうおぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおと歓声あげた。
やがて声がやみ。ゆきは、ファンに向けて話し出す。
「みんなー、こんにちはー」
こんにちはああああああああああああぁぁぁとファンからも声が上がる
「えへへ……ありがとうみんな。最近は少し休養をもらっていたので、少し久しぶりだよね。…私がいない間寂しくなかったかな?私はみんなに会えなくてすごく寂しかったよーみんなはどうだった?」
ゆきの言葉に
俺もぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおお寂しかったよぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおゆきたああああああああぁぁぁああああああああぁぁぁん
等様々な叫びが歓声が上がる。
「ありがとうみんな。もっと皆とお話していたいところだけど。久しぶりだし、みんな、私の歌、聞きたいよね!?」
うおおおおぉぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおぉぉおおおおおと声が上がる
「よしっそれじゃぁ早速、行ってみよう!1曲目「流星の絆」いくよー!」
わあああああああああああああぁぁぁあああああああああああぁぁぁ
と歓声上がる中、曲のイントロが流れ出す。
ゆきはマイクを握り、歌う体制をとる。
そして歌声をつむぎ出そうとした、その瞬間。
ゆきの視界が歪んだ
「え」
グラグラと、グラグラと、ゆきの視界が揺れる。
それは、あの時の同じ
観客に変化は無い。ゆきの視界だけが揺れるのだ。
「あ、あ、ああ」
そして、ゆきの脳裏に浮かび上がる、あの時の映像。
揺れる会場、身動き取れない自分。
兄の死の瞬間……。
ゆきは、浮かび上がるそれらを振り払おうと、必死に声を紡ごうとする。だが……
声は、出なかった。
強ばった表情で、かたまったまま動かないゆき。
「ゆき……?」
ノノはゆきの異変に気づき声をかける、だがノノの声はゆきには届かない。
そして……。
ガコッ
ゆきの持っていたマイクが、床に落ちた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
女帝の遺志(第二部)-篠崎沙也加と女子プロレスラーたちの物語
kazu106
大衆娯楽
勢いを増す、ブレバリーズ女子部と、直美。
率いる沙也加は、自信の夢であった帝プロマット参戦を直美に託し、本格的に動き出す。
一方、不振にあえぐ男子部にあって唯一、気を吐こうとする修平。
己を見つめ直すために、女子部への入部を決意する。
が、そこでは現実を知らされ、苦難の道を歩むことになる。
志桜里らの励ましを受けつつ、ひたすら練習をつづける。
遂に直美の帝プロ参戦が、現実なものとなる。
その壮行試合、沙也加はなんと、直美の相手に修平を選んだのであった。
しかし同時に、ブレバリーズには暗い影もまた、歩み寄って来ていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる