昭和アウトローガールズ☆

くとぉ

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3章 ワンちゃんとお友達 

③新しいお友達

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「森ちゃん?他の二人は大丈夫そう?」

その日の授業が全て終わると礼子は加代子の座る廊下側の最前列の席に向かいそう訪ねた。

「う、うん2Bの教室で待ってるはずだよ」

「そう…それじゃあここに呼んで来て頂戴」

森はさっと立ち上がると、特に文句を言うでもなく二人を呼びに向かう。

暫くすると礼子の所に三人が集まった。

そしてその中の一人、髪を真っ赤に染めた山野がおずおずと口を開く。

「あ、あの篠田さん、えと、あたしの同中の…可愛がってた後輩なんだけど…一緒に良いかなぁ…?」

「うん?新入生?ん~良いよ~刺激強いかも知れないけどね…」

後半の部分は山野には聞き取れ無かったが…ほっとした顔で廊下で待っていた後輩を呼ぶ。

「香~入って挨拶しな!」

教室に入って来たのは礼子と比べても身長差もほぼ無い背の高い娘、恐らくは数センチ礼子が高い…その程度だろう…横幅は相当に太いが…

少し肉付きが良く、胸がかなり大きい、こちらに歩いて来るたびにユサユサと揺れる。

ロンスカの上からでも判るが臀部もそれなり…

顔は本来はやや幼い顔立ちなのだろうが、今は化粧が濃い為か少し分かりづらい。

他の、どちらかと言えば地顔が地味な三人に比べ、美人と言う程では無いが、ふんわりした可愛らしい顔立ちなのが判る。

ヤンキー風な化粧は逆に彼女の魅力を打ち消していた。

香は礼子を見ると、少し顔を赤らめ自己紹介を始めた。

「え、えっと本間香です、一年D組です…よ、よろしくお願いします…」

大きな身体の割にずいぶん可愛らしいアニメ声…

属に言う高校デビューという奴かも知れない。

とは言え…それは森にしてもそうで有るし、山野と寺田も同じだろう。

他のヤンキー娘と話くらいはするだろうが、イマイチ溶け込めず立場もそれ程強くない、高校デビューは入学する前に準備しなければならないのだが…

彼女らは森を始め、夏休みデビュー或いは必要に迫られての事なのだろう。

三大悪の一角として名高い山間第一高校のガラの悪さではいつ標的になるかも分からない…

そんな…立場の弱い娘達のグループ、そこで同じ高校デビューで有りながら【吉野の女】として一目置かれ、他の不良娘から避けられている礼子を取り込むつもりなのだろうか?

他の不良娘達に相手にされてはいないが…同級生…二年生は…皆…彼女を腫れ物の様に避ける。

礼子は化粧もしてなければ、服装も他の一般生徒と変わらないが、吉野と付き合っていた為に今の三年や同級の男子にも顔が効く…

実質同級生の男子で礼子にバカな事を仕掛けたり、口説こうなどとする者は居なくなり、礼子が願えばスゴスゴとその願いを聞いたりもする。

吉野に比べれば大分影は薄いが、兄貴分の佐藤大志さとうたいしがこの学校を仕切っている。

彼の存在感がイマイチ薄いのは吉野と絵美の存在が大き過ぎた弊害だろう。

佐藤は一年生の頃から吉野達に付き従い、他校との揉め事の最前線にいて、他校の不良からの認知度もあり相当に喧嘩慣れもしている。

入学初日に吉野に喧嘩を売りに行った事が唯一の彼の伝説で、後は精々が同学年の派閥争いを制したとか、礼子達…下の学年の男子にはほぼ関係無いのも影響しているかも知れない。

そう…吉野に喧嘩を売ったは良いが、その後はあっけなくボコボコにされ、結局吉野の舎弟の様なポジションになったらしい、元々は第三中学では五人衆と呼ばれる有名人だったらしいが、人の認知が書き換わるのは早い、名前は知られては居たが未だに吉野の舎弟と言った印象は拭い難い。

そしてそんな彼、佐藤は礼子に頭が上がらない。

一年前…礼子が千里達に詰められた時、屋上に上がる階段で全裸で痣だらけの礼子を連れた千里達と出くわしたのが初めての出会いであった。

その時に顔をそむけながらも、礼子の裸をチラチラと盗み見していたのを、吉野達に散々からかわれた為だろうか?

まぁ、からかっていた内の一人、猿渡はガン見していたのでどの口が?

と言った部分もあるのだが、佐藤に取っては先輩である、言えようはずもない。

そんなわけで礼子は現在のスクールカーストのトップ層にも顔が効く、影が薄いとはいえトップはトップ、男子達も佐藤に睨まれたくないのだ。

だから森達三人も低偏差値高で生き残る為、或いは現状を打破する為に礼子に近づいた、と言う事だろう、そして山野の後輩…本間香も…

礼子は香に近づくと周りを回ってジロジロと眺め回す。

「へぇ~新入生かぁ~」

そして香の後ろに回ると香の大きいお尻をパチンと軽く叩く。

「ひゃい!」

「アハハハハ!良い反応ね♪貴女も面白いわ、でもそのカッコ似合って無いから明日にはメイク落として普通に戻して来なさい!」

実のところ、この格好は可愛い妹分を守る為、低偏差値のヤンキー高校と揶揄されるこの場所で、イジメを受ける事が無い様にと、入学前から山野が準備させていたのだ、自分の失敗を活かしたのだろう。

切れ長の目をしたモデルの様な長身の美少女に、高圧的な口調で命令され、香は山野の方を泣きそうな顔でチラチラ見ていたが、山野は目を逸らすだけだった。

「あ、あの、それじゃ私らもそうしたほうが良いかなぁ?へへ…」

やや地黒のパーマを宛てた娘、寺田瑞稀が不安げに問う。

元々は地味な顔立ちな彼女達は派手なメイクが良く似合う。

挙動不審で自信のない態度物腰はどうあれ、格好だけはそれなりに一端の不良娘を気取ってはいる。

礼子は三人を見回すと腕を組み少し考える…

「貴女達はそのままで良いわ、でもロンスカはもう流行んないから、膝上のミニにして来てね♪そっちの方が可愛いし」

(この子達は地味顔だから普通にしたら目立たないし、この私の取り巻きなんだから目立たなくちゃね♪おもちゃにしてもこのメイクの方が映えるし……) 

礼子が少しばかり脳内で不穏な想像をはじめた事も知らずに…

森達はほっとした顔で、礼子の言う事も確かにそうだと顔を見合わせ話している。

彼女達は地顔が地味なだけにヤンキーメイクが似合ってもいたし、最近のヤンキー娘達の間ではロングスカートも以前に比べ減って来ており、下着が見えそうなミニスカートを履く者もチラホラ見かける様になって来ていた。

男子にしても昔の様なドカンやボンタンでは無く、バナナと呼ばれる形状の物や足首だけが窄まったスリムなズボンが主流になり、中ランや長ランは少なく短ランが目に付く様になった。

不良達の世界でも、時代は硬派スタイルよりも軟派なスタイルへ切り替わる過渡期だったのである。

「それじゃあそろそろ行こっかぁ~♪新しくお友達になった貴女達に見せたいモノもあるし…」



 ◆ ◆ ◆



四人は緊張し怯えていた。

彼女らがいるのは三年の教室である。

礼子に言われるままに付いて来たのだが、最初はいつも礼子と一緒にいる小柄な三年生と会うのだとばかり思っていた。

…ペットを紹介する…と言っていたのは不可解ではあったが…

寺田瑞希てらだみずきは唯の事は悪い意味で知ってはいた。

一年の最初の頃に購買部で順番待ちをしていた所に千里を始めとする、あの三人が来て割り込まれた挙げ句…

髪の短い爬虫類顔の女、澄子に突き飛ばされ派手に転び、足首を痛め、暫く足を引き摺りながら登校した事がある。

その後三人は三年の先輩を怒らせ夏休みの校庭でシメられ、そのうち二人は退学したと言う話は噂で聞いた事があった。

礼子に関しては別のクラスであったし、知っているのは美人で周りに沢山の男子がいた事…

しばらくして不良のボスと交際を始めた事…

その頃からやたらと迫力が増して、上級生のヤンキー娘も手出し出来ないであるとか…

あの三人の残りの一人と仲が良いとかそれぐらいだった。

その唯に会うものだとばかり思っていたのだが…

礼子は慣れた様子で三年の教室に入るなり…

「佐藤くーん、ちょっと良い?」

と香以外の三人でも知っているこの学校の三年の中でもトップに近い不良男子と話始めた。

教室の入口で周りの三年生にジロジロと見られ、四人は怯えながら待つ事になってしまった。

三人は当然そう言った事も理解した上で礼子を引き込もうと画策はしていたのだが…

まさかいきなり不良のボスに会う羽目になるとは思ってもみなかったのだろう。

「OK分かったよ、他の奴には行かねぇ様に言っとくよ、でもよぉ…お前…屋上で何すんの?」

「ちょっとね…私のグループの親睦会?」

「そっか~吉野さんも良く言ってたもんな~とうとう女王らしくなって来たんじゃん?まぁ…何するかは…お前等の問題だし口は出さねぇけどよ、それでも行く奴いないともわからんから一応つっかえ棒で押さえとけよ?」

「わかった、ありがとう、じゃあまたね」

三年の教室を後にし、礼子に促され屋上の階段まで行くと例の三年生…唯が待っていた。

「唯ちゃんおまたせ♪さぁみんな♪この人一応先輩だから挨拶しなさい♪」

本人を目の前にして邪悪な含み笑いをしつつ、そう言う礼子は美しいだけにより悪魔的に見えた。

一応先輩って…と四人は思ったがそれぞれ挨拶する。

「えーと、森加代子です」

「あ…あ山、山野ゆかり…」

「……………寺田瑞稀…」

「本間香です…えと、はい」

一応面識も有り、唯にあまり良い印象が無い瑞稀はちょっと態度悪い挨拶だったかと思い、唯の様子を見たのだが…

(あれ?この先輩ってこんなに可愛いかったっけ?あれ?)

小柄で華奢なのは変わらないが、以前は…

瑞稀の記憶の中の、かつての唯は、大柄な千里や、蛇の様な澄子の後ろで嫌らしいクスクス笑いをしている邪悪な子鬼の様な印象だった。

しかし…今の唯は超ミニのスカートに細い二本の足を摺合せながら、妙にモゾモゾして…

髪型も変わっていない筈、オレンジがかった茶髪は緩めにウェーブがかりふわっとした印象で小柄で華奢な唯によく似合っている。

メイクは薄くなってはいるが、ソバカスもそのまま、メイクだけでこれ程に印象が変わるモノだろうか?

その瞳は微かに潤んで耀き、頬は上気して仄かに赤みがかり、妙に艶めかしい、リップか何か塗っているのか小さな口の唇はプルンとして艶っぽい。

ちょこんととした小さな鼻でバランスが取れ、以前とは別人の様な可憐さである。

小さな胸が頻繁に呼吸の運動をしており、吐き出す吐息は、小さな娘のはずなのに大人っぽく、全体的に女の目から見ても色気を感じる。

そして小刻みに時々ブルっと震える時がある。

「……ふぅ…栗原…唯…みんなよろしくね…」

礼子が唯に近付き、何事か囁く礼子の唇と唯の耳が触れそうな距離だった。

「あ………っ…………る?」

また唯の身体がビクンと揺れ、顔を赤らめながらコクンと可愛らしく頷き、持っていたカバンに目を落とす。

「そう、じゃあみんな行こっかぁ~♪」

礼子は楽しそうにそう言うと、先導して唯の腕を掴み階段を登る、唯はカバンでスカートの前を押さえながら階段を上がる。

四人はそれに続いて付いていく。

瑞稀は先程、唯を見てから目が離せなくなっていた。

何故か妙に惹きつけられ、目が離せず、心臓の鼓動が早くなる。

唯の後ろに少し離れ階段を登り…唯に目を向ける…

(あれ?栗原先輩…足が…濡れてる?汗……違う…あれは…)

唯の太腿の内側が妙にテラテラと鈍く照り返っている。

そして…短いスカートに目を送ると… 

(え…お尻丸出し?!ぱんつ…履いてない?え、え、?)

そうこうしている間に屋上に着き、全員屋上に上がったのを見届けると、礼子は加代子に扉が開かない様につっかえ棒を挿す様に命令する。

そして……



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