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婚約破棄から2年後。に。
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それはまだ私が6歳になろうかと言う頃。
家族で隣国であるアリンカ王国に遊びに行った時のことである。
街を見てまわっていた私は、家族と離れ迷子になってしまった。
周りの大人は、良い身なりをした私に、どこかの令嬢だと分かったのか助けてくれない。
問題ごとには巻き込まれたくないのだろう。
知らない土地でどうして良いかも分からず泣いていた時に、その少年は私に声をかけてくれた。
『どうしたの?迷子?』
その言葉に頷いた私は、また涙が溢れて来る。
『泣かないで。』
彼は、私の涙を拭い、髪を撫でる。
『一緒に探してあげる。』
そう言って微笑み、私の手を握って歩き出した。
少年は庶民ではあったが、臆する事無く、とても優しくしてくれた。
私の家族は、両親と兄が2人の5人家族。
執事やメイドも連れて来ているから誰かしら探してくれているはずだが、中々誰とも会わない。
数時間ほどしてメイドの1人が私を見付けてくれた。
少年にお礼を言う彼女を見ながら、私は彼に言う。
『もう会えなくなるの?』
数時間しか一緒にいなかったが、私にはその数時間がとても大切に思えた。
そんな私に彼は、
『また会えるよ。』
そう言った。
だが、不安だった私は、いつ?と彼に聞く。
彼は少し困った顔をした。
メイドの彼女も困った顔をしていた。
私はまた泣きたくなった。
そしたら彼が首から何かを取り、私に渡す。
受け取ったそれは、青い石がはめ込まれているネックレスだった。
『それ、僕の大事な物。持っていて。』
いつか、取りに行くから。
彼はそう言って笑った。
『じゃ、じゃあ私も!』
そう言って私は、自分の首にかけられていたネックレスを渡す。
ピンクの宝石が埋め込まれたそれは、私の瞳の色みたいだと、今は亡き祖母が買ってくれた物だった。
『そのネックレス、私の大事な物なの!だから、すぐに返しに来てね!』
約束だよ!
そう言った私に彼は、分かった。約束する。と言って去って行った。
名も知らぬ彼に、私は恋をしているのだと知ったのはそれからすぐ。
カルロ様の婚約者となってからだ。
それが決まった時、私は泣いた。
泣いて、王城の部屋から飛び出したのだ。
今思えば、なんて考え無しな子供だったのだろうか。
その時にヴァンス王子に出会った。
この国に遊びに来ていると言ったヴァンス王子に、私はその話をした。
そんな、十何年も前の話を覚えているなんて思ってもみなかった。
「…そうですね。私は今でも忘れられないです。だから、カルロ様が悪いわけじゃないんです。」
あの人は、私に優しくしてくれていた…と思う。
頻繁に会うような仲でもなかったが、別に嫌なことを言われたりされたりしたわけじゃない。
多分、私の中にあの時の少年がいなかったら、カルロ様を好きになっていただろう。
そして、ゲームの通りの道に進んでいたかもしれない。
今もその通りに進んでいると言われればなんとも言えないが、イジメをしていた、していなかったじゃ心情も違うのだ。
ただ惹かれあう2人の邪魔をしない様に過ごしていた私は、後はゲーム通りに婚約破棄をされる時を待った。
まさか、家を追い出されるとは思わなかったが……。
そんな事を思い出していれば、レイラちゃん!とおばあちゃんに呼ばれる。
はーい!と返事をした私は、ヴァンス王子に断りを入れ、料理を取りにカウンターに向かった。
家族で隣国であるアリンカ王国に遊びに行った時のことである。
街を見てまわっていた私は、家族と離れ迷子になってしまった。
周りの大人は、良い身なりをした私に、どこかの令嬢だと分かったのか助けてくれない。
問題ごとには巻き込まれたくないのだろう。
知らない土地でどうして良いかも分からず泣いていた時に、その少年は私に声をかけてくれた。
『どうしたの?迷子?』
その言葉に頷いた私は、また涙が溢れて来る。
『泣かないで。』
彼は、私の涙を拭い、髪を撫でる。
『一緒に探してあげる。』
そう言って微笑み、私の手を握って歩き出した。
少年は庶民ではあったが、臆する事無く、とても優しくしてくれた。
私の家族は、両親と兄が2人の5人家族。
執事やメイドも連れて来ているから誰かしら探してくれているはずだが、中々誰とも会わない。
数時間ほどしてメイドの1人が私を見付けてくれた。
少年にお礼を言う彼女を見ながら、私は彼に言う。
『もう会えなくなるの?』
数時間しか一緒にいなかったが、私にはその数時間がとても大切に思えた。
そんな私に彼は、
『また会えるよ。』
そう言った。
だが、不安だった私は、いつ?と彼に聞く。
彼は少し困った顔をした。
メイドの彼女も困った顔をしていた。
私はまた泣きたくなった。
そしたら彼が首から何かを取り、私に渡す。
受け取ったそれは、青い石がはめ込まれているネックレスだった。
『それ、僕の大事な物。持っていて。』
いつか、取りに行くから。
彼はそう言って笑った。
『じゃ、じゃあ私も!』
そう言って私は、自分の首にかけられていたネックレスを渡す。
ピンクの宝石が埋め込まれたそれは、私の瞳の色みたいだと、今は亡き祖母が買ってくれた物だった。
『そのネックレス、私の大事な物なの!だから、すぐに返しに来てね!』
約束だよ!
そう言った私に彼は、分かった。約束する。と言って去って行った。
名も知らぬ彼に、私は恋をしているのだと知ったのはそれからすぐ。
カルロ様の婚約者となってからだ。
それが決まった時、私は泣いた。
泣いて、王城の部屋から飛び出したのだ。
今思えば、なんて考え無しな子供だったのだろうか。
その時にヴァンス王子に出会った。
この国に遊びに来ていると言ったヴァンス王子に、私はその話をした。
そんな、十何年も前の話を覚えているなんて思ってもみなかった。
「…そうですね。私は今でも忘れられないです。だから、カルロ様が悪いわけじゃないんです。」
あの人は、私に優しくしてくれていた…と思う。
頻繁に会うような仲でもなかったが、別に嫌なことを言われたりされたりしたわけじゃない。
多分、私の中にあの時の少年がいなかったら、カルロ様を好きになっていただろう。
そして、ゲームの通りの道に進んでいたかもしれない。
今もその通りに進んでいると言われればなんとも言えないが、イジメをしていた、していなかったじゃ心情も違うのだ。
ただ惹かれあう2人の邪魔をしない様に過ごしていた私は、後はゲーム通りに婚約破棄をされる時を待った。
まさか、家を追い出されるとは思わなかったが……。
そんな事を思い出していれば、レイラちゃん!とおばあちゃんに呼ばれる。
はーい!と返事をした私は、ヴァンス王子に断りを入れ、料理を取りにカウンターに向かった。
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